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4章:偽装結婚を提案されました

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 松田さんがあの後、妊娠中に転移しないほうがいいんだから真面目に考えろと言われて、キルギスさんは顔を赤くして照れてたけど…私もきっと真っ赤になってたはず。というか、キルギスさんの照れた顔が可愛い…やばいあれ。
 でも口にはしません。なにか反撃くらったり、他の人にからかわれたら私にダメージが来そうなので。

 なんだかんだでイメージ力が力になるという事象を分かってもらう。という事で落ち着いた。松田さんが言う様に、魔法発動の条件がゆるいというのは知っておきたいからね。

 そうして目的地に着いたらしい。馬車をおりれば開けた場所になっていて、所々黒くなってたり、座れるようにだろうか、岩や丸太が置いてある。

「ユカ、こちらに。火起こしをやってみせよう」

 キルギスさんに呼ばれてついていく。今回薪とか食べ物はアイテムボックスで持ってきてる。今日の主体は魔法の使い方の勉強だからね。
 キルギスさんと並んで地面に薪を組むけど、キルギスさんのアイテムボックスからの取り出し方法が、手のひらを下にして、願う…のかな。いきなりばらばらと手のひらというか、下のあたりから落ちて積みあがっていく。
 こういう所も差があるんだなあと思っていれば、その薪を無造作に置いて、そのまま魔法で火をつけてるけど…ちゃんと燃えてる?いや、これは魔法の炎がまだ点いてるからか。

「この炎は、薪が燃え出したら消えるようにある程度の時間燃え続けるようになってるんだ。だが、あまり火が強いようなら、途中で留めるための呪文もあるから安心していい」
「それは…他の人でもできるんですか?」
「使用者の魔力に依存しているからな。できないこともないだろうが、術式を変える必要があるだろうな」

 ふむ…キルギスさんの魔力で作られた炎だからって事なら…なにか魔力の流れとか供給を絶てばいい、のかな?なんか松田さんが魔法のシステムが緩いって言ってたから、魔力供給ストップとかでとめられそうなんだけど。
 答え合わせをしたいから、害獣の生息域がどっち方面か調べていた松田さんを呼んで聞いてみれば。

「あーうん、正解といえば正解だけど、魔力の流れを止めるの大変だよ。まず、どこから出てるのかっていう問題が一つでしょ。あともう一つなんだけど、出てる元を止めた場合、もしかしたら魔法が使えなくなる可能性もあるね」

 意外と危険な問題が発生するところでした。

「まずは呪文を使って、どんな風に自分の魔力が流れるかを感じ取れるようになるとわかりやすいかな。まあ、そんな面倒な事しなくても、俺たちは使えちゃうんだけどね~」

 笑いながらそう言って、鍋をどどん!と出してくる松田さん。ここに以前言った方法で水を出してみるように言われる。

「蛇口がここら辺にあると思えばここから出てくるよ。たぶん」

 たぶんって。その言い分に突っ込みをいれたいけど、ひとまずイメージで…川の水を浄化する施設があって、水道管を流れて蛇口を操作するとここから出る…と。

「お、おお…出た…」
「やっぱりね~一応沸かしてから飲むけど、このままでも飲めるだろうね」
「そういえば松田さんはこの方法試してないんですか?」
「試したよ~フツーにつかえたけど、俺だけかなーって思って」

 他の人でもできるかどうか知りたかったのだと言って笑う。まあ、この世界の人だとイメージしにくいから仕方ないのかもしれないけど…実験道具にされたみたいでなんかもやっとするなぁ。
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