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3章:異世界と日本との二重生活の始まり
54:キルギスサイド
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初めて会った時は、落ち人という事と、元の世界に帰るのだというから気にしていなかったが…露店でおいしそうに食べる顔は本当にこの世界の味が気に入っているのだとわかってうれしくなった。
はぐれないようにするといって手をつないだが、照れているのか恥ずかしいのか、ほんのり頬を染めている表情に、かわいいと思ってしまったが…元の世界に帰るのだと自制した。
元の世界に戻ってしまってからあの露店に行くと、この料理は食べてなかったなとか、これを食べたらおいしそうに食べてくれるのだろうかとか、色々考えてしまう。
松田から、あの世界の中でも物凄く安全な国なのだという事も聞いていたが、次第に心配になってきた。安全性はもちろんだが、病気にかかることはあるそうだし…医学はこの世界よりもいいと聞いたがそれでも心配になる。
心配するだけ無駄だとわかっている。世界を隔てているのだし、落ち人がこちらに来る事は可能だが、私は行くことができないのだ。何かあっても助けてやれることはない。だから、しつこく松田に手紙で聞いていたのだが、いつも元気だという答えしか返ってこないから、もっと心配になってしまう。
結果、ユカを両親がこの世界へと再召喚するという暴挙に出たことでつながりを作られてしまった。両親は、ユカの能力を本当の意味で知らないのだから、仕方ない事なのかもしれないが…両親にしっかり釘を刺した。松田や機関の者にも能力の事は言えないが、しっかりとユカを悪用する様な事が無い様にと伝えた。
ユカがまた来る日を松田から聞いて…いや、ユカがこの世界へと再召喚されて日本へと戻ってから、ユカにこの世界を気に入って貰えるように、いろいろと考える。観光地でもいいし、おいしい料理でもいいし…それに、もともとキャンプをしようと山に行ったらこの世界へと落ちて来たそうだから、一緒に山に行くのもいい。だから情報を集めた。スーザンにも女性という立場から意見も聞いた。
「なんでキルギスさんのデートコースを私が考えなきゃいけないんですか」
「…デートコースではない。どうせならユカにこの世界を気に入って貰いたいだろ」
「それはそうですけど」
ぶつぶつと、絶対デートだ…と言っているのが聞こえるが無視だ無視。
そうして少しぶりに来たユカだが、元気な様で安心した。来てすぐに松田となにやら確認しているが、長方形の薄い物を操作して問題が起きたようだが…後で松田に確認しなければ。
と、考えた所でスーザンが戻ったが…なにやらぎょっとした顔をしている。ああ、松田の結界かと理解して解除するように言うが、知っていたとしても普通真っ黒なモノがあったら驚くぞ。
今後の教育に関して文化、礼儀、マナーを簡単にと説明した所で松田がギルドへ行くという。そんなに不安そうな顔をしなくても、機関内だし私がしっかり守るから問題ないのにと少し嫉妬してしまった。
スーザンが愚痴っぽい事を言い始め思わず同意したものの、話始めると止まらなくなることがある。そうなった場合、この世界に悪感情を持たれてしまうかもと思って急遽、昼食にしようとしたが…そのまま聞いてくれてよかった。
慎重でもあるが、素直でもある、そんなユカがいいなと本当に思う。
はぐれないようにするといって手をつないだが、照れているのか恥ずかしいのか、ほんのり頬を染めている表情に、かわいいと思ってしまったが…元の世界に帰るのだと自制した。
元の世界に戻ってしまってからあの露店に行くと、この料理は食べてなかったなとか、これを食べたらおいしそうに食べてくれるのだろうかとか、色々考えてしまう。
松田から、あの世界の中でも物凄く安全な国なのだという事も聞いていたが、次第に心配になってきた。安全性はもちろんだが、病気にかかることはあるそうだし…医学はこの世界よりもいいと聞いたがそれでも心配になる。
心配するだけ無駄だとわかっている。世界を隔てているのだし、落ち人がこちらに来る事は可能だが、私は行くことができないのだ。何かあっても助けてやれることはない。だから、しつこく松田に手紙で聞いていたのだが、いつも元気だという答えしか返ってこないから、もっと心配になってしまう。
結果、ユカを両親がこの世界へと再召喚するという暴挙に出たことでつながりを作られてしまった。両親は、ユカの能力を本当の意味で知らないのだから、仕方ない事なのかもしれないが…両親にしっかり釘を刺した。松田や機関の者にも能力の事は言えないが、しっかりとユカを悪用する様な事が無い様にと伝えた。
ユカがまた来る日を松田から聞いて…いや、ユカがこの世界へと再召喚されて日本へと戻ってから、ユカにこの世界を気に入って貰えるように、いろいろと考える。観光地でもいいし、おいしい料理でもいいし…それに、もともとキャンプをしようと山に行ったらこの世界へと落ちて来たそうだから、一緒に山に行くのもいい。だから情報を集めた。スーザンにも女性という立場から意見も聞いた。
「なんでキルギスさんのデートコースを私が考えなきゃいけないんですか」
「…デートコースではない。どうせならユカにこの世界を気に入って貰いたいだろ」
「それはそうですけど」
ぶつぶつと、絶対デートだ…と言っているのが聞こえるが無視だ無視。
そうして少しぶりに来たユカだが、元気な様で安心した。来てすぐに松田となにやら確認しているが、長方形の薄い物を操作して問題が起きたようだが…後で松田に確認しなければ。
と、考えた所でスーザンが戻ったが…なにやらぎょっとした顔をしている。ああ、松田の結界かと理解して解除するように言うが、知っていたとしても普通真っ黒なモノがあったら驚くぞ。
今後の教育に関して文化、礼儀、マナーを簡単にと説明した所で松田がギルドへ行くという。そんなに不安そうな顔をしなくても、機関内だし私がしっかり守るから問題ないのにと少し嫉妬してしまった。
スーザンが愚痴っぽい事を言い始め思わず同意したものの、話始めると止まらなくなることがある。そうなった場合、この世界に悪感情を持たれてしまうかもと思って急遽、昼食にしようとしたが…そのまま聞いてくれてよかった。
慎重でもあるが、素直でもある、そんなユカがいいなと本当に思う。
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