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3章:異世界と日本との二重生活の始まり

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 じゃあそういうことでよろしくね~と、なんとも軽い感じでお願いされて。また暗転。
 景色はまた戻り、目の前に松田さん。特に心配される事もなく、お茶してる。あの神様が言うには、こっちの世界では一瞬の瞬きの間の事だから心配ないという事だったけど、こういう事か。
 さて、どうしよう。魔王が~とかは松田さんには伝えておいた方がいいのか悩むけど、日本に戻ってから伝えよう。

 一口紅茶を口にして、ほっと一息。精神的に疲れたわ。でも、文句は言っておかないと。

「松田さん、こんなことなら一言向こうで言ってくれてもいいじゃないですか」
「あー…まあ、それはそうなんだけどね。でもそれで強く拒否された場合に、再召喚に不具合が出ないとも限らないかなって」
「あんなに人がいる所に召喚されて、万が一能力がでちゃったらどうするつもりだったんですか」
「再召喚なら大丈夫」

 曰く、再召喚する時に条件付けをするらしい。今回は、私を召喚するということで、人物像はもちろん、この世界にいつ頃いた人などの条件を盛り込み、所持品を持ち込めないようにこっそり術式にいれておいたのだという。

「フルネームで指定する時に漢字も盛り込むんだけど、それと一緒に入れたからこの世界の人には読めない文言だと思うしね。大丈夫」

 術式は発動すると消えるらしく、後々研究されることもないからと言われて、一応は納得した。一応は。

「でも、どうするんですか。さっきも言ってましたけど、いくらなんでも領主様の、とかキルギスさんのとか…無理ありませんか」
「うーん、まあでも領主館に詰めてれば、下手に下心ある人は来れないし、この領主一家はそれはもう異世界人に対して潔癖だからね。キルギスさんのサポートにつくより安心だよ」

 確かに権力を考えるとそうかもしれないけど、領主様の秘書官ということは役場とか県知事とかの業務と考えると気が引けるんだけど。
 しかも異世界だから日本の常識が効かないとか書類のフォーマットなんかも違うだろうし。
 特に異世界でこうなりたいとかないしなぁ。松田さんみたいにチート使って冒険…いや、ハンターだっけ?そういうことをしたい訳ではないし。
 まあ、食べ歩きはしてみたいけど。

 と、ぐるぐると考えていると、人が怒鳴るような争う様な声が聞こえる。

「あ。ちょっとまずいかな」

 松田さんがそう言ってソファから立ち上がると、部屋の隅の方に行ってしまう。どうしたのか声をかけようとして、ドアを叩く様な音と共に開かれて、

「っーーー大丈夫か!?ひどいことされてないか!?」

 と、開かれたドアから、すんごくやつれたキルギスさんが現れた。
 闇落ちしたと聞かされたけど、一見すると確かにそうかも。この顔でぶつぶつ言ってればそりゃね。私の心配するより、自分の心配する方が先でしょう!?

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すみません、仮保存のつもりが公開保存してたようで。その時に見た方、申し訳ございませんでしたorz
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