キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

新条 カイ

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2章:日本へ戻ってきました

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 朝…鳥の鳴き声と、ぱちぱちとわずかに聞こえる焚火の音を耳にしながら目が覚めた。横に会った、松田さんの身代わり人形というか寝袋は、なくなっていた。
 もそもそと起きだして、寝袋をたたんで片付ける。寝ぐせが付いていないか、顔は…と、見繕いをしていると、そっと声を掛けられて返事をする。

「おはようございます」
「うん、おはよう。これ、使って」

 そう言って、テントの入り口からそっと差し込まれたのは、タオル?受け取って驚いた。あったかい…
 おかげさまで、顔を洗いに行かずに軽く化粧をすることも出来た。助かる。

「タオル、ありがとうございます」
「どういたしまして。コーヒーでいい?それともお茶にする?」
「コーヒーで…」

 至れり尽くせりだな…そういえばキルギスさんも、王都への道中ではこんな感じだったなぁ。お茶も用意してくれて、ご飯も。

「焼き芋出来てるよ。あと昨日のスープもあるから、今温めてるよ」

 おお…焼き芋本当に作ってくれたんだ…

「さつまいもとジャガイモで両方作ってるけど、どうする?」

 半分ずつでもいいよ。と言われて、そうさせてもらう事にした。さつまいもは甘みが強いやつで、しっとりほくほくで、ジャガイモはバターをたっぷり乗せて食べるとバターのしょっぱさもあって美味しい。
 なんか…こうしてみると、キャンプ初心者とは思えないよね…ああ、そうか、野営のプロだっけ…そりゃしょうがないか。

「所で、この炭とかどうするの?」
「火消壺に入れて、持って帰ります。一応、キャンプ場によっては捨てる所がある場合もあるんですが…ない所もあるので」

 昨夜も火消壺で消化して寝たけど、そうよね、いくら何でも燃やし尽くしても灰は残るし。なるほどとうんうん頷いているけど…

「それじゃあ、火の始末してから、テントとか片付けたほうが良いのかな」
「そうですね。水筒にコーヒーを入れたいので…お湯貰ってもいいですか?」
「うん。熱湯消毒とかする?」
「昨夜しておいたので、大丈夫です」
「…いつの間に」
「…寝た後に、思い出して」

 うん、寝た、というよりはあっちの世界に行った後に、なんだけどね。そっかぁ…と、ショックを受けてるっぽいんだけど、何故に?

「火はどうしたの」
「ガスバーナー持って来てまして」
「なるほど…それならいいかな」

 火起こししたのかと思ったらしい。流石にそれは、ねぇ…夜、火の始末した後で何か飲みたくて、とかあるから必ず小さなバーナーは持って来てる。

「バーナー使わない派だから思いつかなかったよ」

 そうだよね、向こうではそういう物ないだろうし…火は絶やさないみたいだし、慣れって怖いわねぇ。
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