16 / 108
1章:癒しを求めたはずが
16
しおりを挟む
デザート、というか…この世界の果物美味しい。味がしっかりしてるし、甘さが足りないとかそういう物足りないものはないというか。ただ世界各地のフルーツを切って売ってるだけなのに、その屋台の前から動けなくなったほど。
屋台の人は、そういう人を良く相手するのか、次々とあれは?これは?と、切ってくれた。甘みが強すぎて、砂糖か!?というほど甘い物とか、酸味が強烈な物もあったけど、クリーミーでまろやかな甘さの果物を差し出された。酸味が中和されておいしかったわよ…
「でも、いろんな物切ってくれましたけど…大丈夫なんですか?」
「心配しなくても、ほら」
そう、一口大に切ってくれた果物たち。でもその余った果物はどうするんだろう。他にも買ってる人はいるけど全部消費される程じゃないから、廃棄になったらもったいないし悪いなと思って聞けば。屋台は恰幅の良いおばさんなんだけど、息子さん、かな?切って中途半端に余った果物を持って行く。
「他の屋台でジュースにしたり、プムで包んだりしてデザートにしたりするから問題ないよ」
なるほど、他の屋台で使うのか。連携とれててすごいなあ。でも、プムってなんだろうと思っていると、キルギスさんは後で屋台へ連れて行ってくれると言う。
「元は果物の行商をしていてねぇ。屋台にも卸していたんだけど、果物がどんな味か分からないっていう話があったとかで、うちも屋台をやるようになったんだよ」
おいしいからお店を出してるんだろうけど、知らないものは不安だもんねぇ。
要望があったけど、やっぱり切ったはいいけど全部売れるか分からないからと悩んでいたら、そういう物をきちんと買い取るから、とお願いされたのだとか。
「うちもそうやって果物に慣れ親しんでもらえれば、屋台の連中以外にも売れるからねぇ」
売り上げが上がったと言って笑う。なんかいいなぁ。そういう、助け合い…とは違うけど、win-winの関係って。
果物の屋台で果物を楽しんだ後、屋台のおばさんが言っていたプムで包んだデザートの屋台へ向かった。うん、クレープ程薄くないけど、ホットケーキよりは薄い生地だけど、クレープでした。色々食べたいからと小さめにして貰ったけど、クリーム少なめにして果物たっぷり入ってた。キルギスさんが、私が気に入った果物の名前を言って頼んでた。なんて出来た人なんだ…!
その他にも、クリームとカットフルーツを一緒に薄切りパンでサンドした物も食べた。クリームは、カスタードクリームっぽかったけど、良い香りがしておいしかった。
寒天か、ゼラチンがあるのか、ミルクゼリーもあって、その上に果物がたくさん飾られてた。色とりどりの果物がまるで宝石の様に見えて食べてみれば…酸味が強い果物が主でミルクゼリーと一緒に食べるといいのだと教わったけど、なるほど食べ方難しいな…ミルクゼリー単体だとすっごく濃厚で甘い。それを酸味がある果物で上手く中和…いや、逆か?ともかく、こう、量のバランスがね。
「無理なら言ってくれればいいからな」
なかなかに量のバランスをとるのが難しくて困っている様に見えたのだろう。キルギスさんにそう言われたけど…正解を引いた時の楽しさもあったので、言わないでおいた。
それにしても甘いものは別腹とはいえ…珍しいものばかりで食べ過ぎてしまった。他にも見るかというキルギスさんにもうお腹いっぱいで入らないと言って、機関へと戻る事にした。
私が食べていた物で特に反応が良かった物を、キルギスさんがいつのまにか購入してマジックバックへと収納していたらしい。王都へ向かう道中の休憩中に出されて驚いていたら、気に入ってたようだからといい笑顔で言われてなんて出来る男…!と感動してしまったわよ。
屋台の人は、そういう人を良く相手するのか、次々とあれは?これは?と、切ってくれた。甘みが強すぎて、砂糖か!?というほど甘い物とか、酸味が強烈な物もあったけど、クリーミーでまろやかな甘さの果物を差し出された。酸味が中和されておいしかったわよ…
「でも、いろんな物切ってくれましたけど…大丈夫なんですか?」
「心配しなくても、ほら」
そう、一口大に切ってくれた果物たち。でもその余った果物はどうするんだろう。他にも買ってる人はいるけど全部消費される程じゃないから、廃棄になったらもったいないし悪いなと思って聞けば。屋台は恰幅の良いおばさんなんだけど、息子さん、かな?切って中途半端に余った果物を持って行く。
「他の屋台でジュースにしたり、プムで包んだりしてデザートにしたりするから問題ないよ」
なるほど、他の屋台で使うのか。連携とれててすごいなあ。でも、プムってなんだろうと思っていると、キルギスさんは後で屋台へ連れて行ってくれると言う。
「元は果物の行商をしていてねぇ。屋台にも卸していたんだけど、果物がどんな味か分からないっていう話があったとかで、うちも屋台をやるようになったんだよ」
おいしいからお店を出してるんだろうけど、知らないものは不安だもんねぇ。
要望があったけど、やっぱり切ったはいいけど全部売れるか分からないからと悩んでいたら、そういう物をきちんと買い取るから、とお願いされたのだとか。
「うちもそうやって果物に慣れ親しんでもらえれば、屋台の連中以外にも売れるからねぇ」
売り上げが上がったと言って笑う。なんかいいなぁ。そういう、助け合い…とは違うけど、win-winの関係って。
果物の屋台で果物を楽しんだ後、屋台のおばさんが言っていたプムで包んだデザートの屋台へ向かった。うん、クレープ程薄くないけど、ホットケーキよりは薄い生地だけど、クレープでした。色々食べたいからと小さめにして貰ったけど、クリーム少なめにして果物たっぷり入ってた。キルギスさんが、私が気に入った果物の名前を言って頼んでた。なんて出来た人なんだ…!
その他にも、クリームとカットフルーツを一緒に薄切りパンでサンドした物も食べた。クリームは、カスタードクリームっぽかったけど、良い香りがしておいしかった。
寒天か、ゼラチンがあるのか、ミルクゼリーもあって、その上に果物がたくさん飾られてた。色とりどりの果物がまるで宝石の様に見えて食べてみれば…酸味が強い果物が主でミルクゼリーと一緒に食べるといいのだと教わったけど、なるほど食べ方難しいな…ミルクゼリー単体だとすっごく濃厚で甘い。それを酸味がある果物で上手く中和…いや、逆か?ともかく、こう、量のバランスがね。
「無理なら言ってくれればいいからな」
なかなかに量のバランスをとるのが難しくて困っている様に見えたのだろう。キルギスさんにそう言われたけど…正解を引いた時の楽しさもあったので、言わないでおいた。
それにしても甘いものは別腹とはいえ…珍しいものばかりで食べ過ぎてしまった。他にも見るかというキルギスさんにもうお腹いっぱいで入らないと言って、機関へと戻る事にした。
私が食べていた物で特に反応が良かった物を、キルギスさんがいつのまにか購入してマジックバックへと収納していたらしい。王都へ向かう道中の休憩中に出されて驚いていたら、気に入ってたようだからといい笑顔で言われてなんて出来る男…!と感動してしまったわよ。
27
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました
成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。
天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。
学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。
告白さえできずに失恋したので、酒場でやけ酒しています。目が覚めたら、なぜか夜会の前夜に戻っていました。
石河 翠
恋愛
ほんのり想いを寄せていたイケメン文官に、告白する間もなく失恋した主人公。その夜、彼女は親友の魔導士にくだを巻きながら、酒場でやけ酒をしていた。見事に酔いつぶれる彼女。
いつもならば二日酔いとともに目が覚めるはずが、不思議なほど爽やかな気持ちで起き上がる。なんと彼女は、失恋する前の日の晩に戻ってきていたのだ。
前回の失敗をすべて回避すれば、好きなひとと付き合うこともできるはず。そう考えて動き始める彼女だったが……。
ちょっとがさつだけれどまっすぐで優しいヒロインと、そんな彼女のことを一途に思っていた魔導士の恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます
富士とまと
恋愛
25歳で行き遅れとして実家の伯爵家を追い出されるように、父親より3つ年上の辺境伯に後妻として嫁がされました。
5歳の義息子と3歳の義娘の面倒を見て12年が過ぎ、二人の子供も成人して義母としての役割も終わったときに、亡き夫の形見として「若返りの薬」を渡されました。
15歳からの人生やり直し?義娘と同級生として王立学園へ通うことに。
初めての学校、はじめての社交界、はじめての……。
よし、学園で義娘と義息子のよきパートナー探しのお手伝いをしますよ!お義母様に任せてください!
できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
破滅ルートを全力で回避したら、攻略対象に溺愛されました
平山和人
恋愛
転生したと気付いた時から、乙女ゲームの世界で破滅ルートを回避するために、攻略対象者との接点を全力で避けていた。
王太子の求婚を全力で辞退し、宰相の息子の売り込みを全力で拒否し、騎士団長の威圧を全力で受け流し、攻略対象に顔さえ見せず、隣国に留学した。
ヒロインと王太子が婚約したと聞いた私はすぐさま帰国し、隠居生活を送ろうと心に決めていた。
しかし、そんな私に転生者だったヒロインが接触してくる。逆ハールートを送るためには私が悪役令嬢である必要があるらしい。
ヒロインはあの手この手で私を陥れようとしてくるが、私はそのたびに回避し続ける。私は無事平穏な生活を送れるのだろうか?
【完結】余命三年ですが、怖いと評判の宰相様と契約結婚します
佐倉えび
恋愛
断罪→偽装結婚(離婚)→契約結婚
不遇の人生を繰り返してきた令嬢の物語。
私はきっとまた、二十歳を越えられないーー
一周目、王立学園にて、第二王子ヴィヴィアン殿下の婚約者である公爵令嬢マイナに罪を被せたという、身に覚えのない罪で断罪され、修道院へ。
二周目、学園卒業後、夜会で助けてくれた公爵令息レイと結婚するも「あなたを愛することはない」と初夜を拒否された偽装結婚だった。後に離婚。
三周目、学園への入学は回避。しかし評判の悪い王太子の妾にされる。その後、下賜されることになったが、手渡された契約書を見て、契約結婚だと理解する。そうして、怖いと評判の宰相との結婚生活が始まったのだが――?
*ムーンライトノベルズにも掲載
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる