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終話:結婚式をして、それから

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 あの後がすごかったのなんのって…いえ、王族勢ぞろいなもので…しかも、高魔力持ちの。教会の室内から出たら、氷がきらきらと降り注ぐし、光も舞ってるし…花びらなんか目じゃない位の演出だったわよ。
 氷はスタンフォード様で、光は王様と王太子様での合作らしい。多少魔術が分かる人…まあ、わたくしの両親もだけれど、ものすんごく驚いていたし、さすが王族と、尊敬?畏敬?の目を向けていたわね。

「本気で祝っているようです。良かったですね」
「えっと」
「ちょっと口閉じていてくださいね」

 ラクシュ様に舌噛みますよ。と言われて、ふわりと抱き上げられた。うわぁ…こんな情景の中これとか幸せすぎる…

「このまま回ってもいいのですが」
「回る、ですか?」
「こう」

 そう言って、ゆっくりとだけれど、その場でくるりと回る。これはこれで楽しいけれど、ちょっとはずかしいからやめて欲しい。そうお願いすると、そのまま馬車まで抱き上げられて運ばれましたよ。


 そうして、ルーヴェリア様達とわたくしたちを乗せた馬車はゆっくりと邸宅へと戻り、他の参列者の皆さまは、一直線に邸宅へと戻っていったわね。わたくしたちが邸宅へと戻れば、即ガーデンパーティーが始まる、という訳で。

「ネルア、おめでとう」

 邸宅へと着けば、両親にそう祝われて。

「王様にまで祝われてよかったなぁ」
「ほんとうによかったわね」

 と、ラクシュ様のご両親に祝われて。

「たくさんの式を見てますが、綺麗で良かったわ。しあわせにね」
「ネルア様ドレスきれー」
「しあわせに~」

 と、領地の修道院の皆に祝われて。

「本当によかったです。修道院に入ると言い出した時は、本当にどうしようかと思ったのですが」
「それはもう言わないでちょうだい」

 アニーにそう言われると、ちょっと困るというか、隣にいるラクシュ様が怖いというか。いえ、理由はお話ししているので、今更どうなる訳…と、ちらりとラクシュ様を見れば。

「ラクシュ様、あの、」
「もう、逃がしませんよ」
「逃げようとした事、ございませんわよ」

 結婚してからは。と付け加えるけれど。そう言うと、にこり、と笑う。これだけ王族の力を使うラクシュ様相手に、逃げようとしても逃げられないでしょうしね。それ以前に、レイとかメイド達からも逃げられない様な。
 それに…

「ネルア様、おめでとう。すごく綺麗でいい式でした」

 おめでとうと口々に祝ってくださるのは、ジョセフィーヌ様達だ。お友達の様に接していただいて、この世界に来てようやく貴族の友達が出来たわね。皆さま裏表のない方達だから、一緒に過ごしていても楽しく過ごせるもの。
 レイやデボラ、他にもたくさんのメイド達が、世話してくれるし…至れり尽くせりで、きっともう、元の生活には戻れない。

「ラクシュ」

 そう声を掛けて来るのは、ルーヴェリア様。

「お前が幸せである事が、何よりの幸せだ」
「我が君。それは、わたくしに言う言葉ではございませんでしょう」
「妃達は、俺がしてやれるからいいんだ。ネルア嬢」

 本当に、ルーヴェリア様の物言いは、ちょっと、こう…なんとかならないものかしら。と考えていると、わたくしの名前を呼ばれてびくりとする。

「前にも言ったが、ラクシュを幸せにしてやってくれ」
「はい。承りました」

 そう言って、頭を下げながら…ほんっとに、ほんっと~~~~~~に、恋愛感情じゃないでしょうね。と、心の中で突っ込みを入れていたのは内緒よ。
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