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結婚式準備

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 ルーヴェリア様は、城に戻ったら対応するとおっしゃっると、ジョセフィーヌ様の膝の上から頭を起こして、座り直したわ。もういいのかしら。

「十分暴れたようだな」
「そうですねぇ。随分と久しぶりに。あ。我が君。いいモノ、手に入れたのですが…ネルアにあげていいですか?」

 いつの間にか結界が解かれていて、ラクシュ様の声が背後から聞こえたから驚いたのなんのって。それに、わたくしに何ですって?

「ん?構わんが、俺に断り入れるようなモノか?」
「一応は希少価値のあるものですので。これです。魔力を包括している魔石ですが、これ、女神級でして」

 これ、といって出されたものは、ラクシュ様の手のひらの上に乗る、丸くて透明な…石、かしら。魔石ということだけれど、女神級?

「あー…国宝にあるな、同じ位の。守り、仕込む?」
「本来であれば、我が君に持っていただきたい所ではありますが…わたくしの矜持が許せませんので」
「お前ほんと、時々変だよなぁ。まあ、かまわんぞ。お前が手に入れた物でもあるし。守りなら、兄上に相談だな」
「ありがとうございます」

 えっと…国宝とか、聞こえたのだけれど。守りって…矜持って。ラクシュ様は満足そうにお礼を言うと、騎士服のポケットに無造作に突っ込んでますが…いいのですかそんな扱いで。

「ルーヴェリア様、め、女神級の魔石って、そんなもの、王様に相談しなくても大丈夫なのですか」

 と、ナターシュ様が青い顔をしてルーヴェリア様へと聞いている。価値があるもの…なのよね。希少価値があるとおっしゃっていたし。

「わたくしも、ご相談なさってからのほうが」

 だからわたくしも言うけれど、ルーヴェリア様はけろりとした顔で。

「ネルア嬢の守りが硬くなれば、俺の守りも硬くなるし。国宝が2つあっても仕方ないし、相談しても別に駄目とはいわないんじゃないか?」
「駄目と言いますかね」
「んー…言わないと思うが、まあ、所有者に権利があるものだしな。お前が仕留めた魔物から出た物なら、お前が好きにすればいい」

 と、いう事で…そういう物すらあっさりあげてしまうのね。あれ。よくよく考えたら…わたくしの守りがどう、とかおっしゃっていたから、わたくしに贈られるのかしら。

「きちんと綺麗に誂えますので…楽しみにしていてくださいね」

 と、良い笑顔で言われました。いやいや、そんなすごい物、怖くて持っていられないわよ!?

「あの、でも…やはり王様に相談を」
「そうした方が安心できるというのであれば、そうしましょう。一緒に行きましょうね」

 だから、ワンクッション置く為にそう言ってみたら、わたくしも一緒にいくのですか?

「だって、私だけ行って、戻ってきた私に許可されたと言われても、納得できます?」

 そう言われると確かに。う、疑う訳ではないですわよっ。


 後日、王様とお后様にお茶の席を用意されて話をしましたが…

「うん、いいよ?お前が倒した奴からでたんでしょ。ルーヴェリアも良いって言うなら、別に」

 悩むそぶりもなく、あっさりとそう返されて拍子抜けしたというか。そんな貴重な物を、とか、王家にある方が、とか言ってみたけれど。

「そもそも魔物から出た物は、倒した人の物だし、申告する必要も本来であれば、なくてね。主であるルーヴェリアに言って、ルーヴェリアが良いというならいいんじゃないのかな」

 と、かなりあっさりした返答を頂いてしまって、そうですか。と返す事しか出来なかったわよ。
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