上 下
100 / 150
結婚式準備

100

しおりを挟む
 ピクニック、基、魔物狩りに行くという話だけれど、

「魔術も使えますのでね。結界で安全性は確保します」

 と、ラクシュ様がおっしゃるので、それなら、という事で行く事に。レイの結界も目の当たりにしていたから、ね。
 ルーヴェリア様の妃様達も、みなさん参加するそうで、翌朝早くからお弁当を用意したわ。いろんな料理をみなさんで作ったから、ちょっと楽しかったわ。
 料理をしながら、魔物狩りをしている間、わたくしたちはどうするのか、という話になったわ。だから、わたくしはレース編みか、縫物を。ジョセフィーヌ様は絵を描く道具を持って行く事に。剣が得意なお妃様も、魔力量が少ない物の、魔術が得意なお妃様もいらっしゃるから、参加したいとうずうずしてらっしゃいましたね。

「式を控えていますし…聞いてみてからの方がよいでしょうね」
「なんか悔しい…」
「まぁまぁ。妃になったら諦めなければならないと分かっていたでしょう」
「確かにそうだけどー!」

 そう言って、ぷっくりと頬を膨らませているのは、第3妃のファミーユ=グスト=ケイヴスト様。領地が辺境にあるのでいつ隣国から攻められるか分からないという事で、剣を習っていたそうだ。結構な腕前、という話だったのだけれど、城の騎士に搦め手で負けてから、自信がなくなったそうで。
 だから、腕試しもかねて魔物狩りに参加したいという事の様ですが…腕試しで魔物狩りって、ちょっと無謀かと思うのですが。人と違って、手加減してくれるものではないもの。


 大き目の馬車2台と、馬に乗った騎士、と言ってもラクシュ様の一族だけれど、それらに囲まれて向かった。ギルドの人員は、荷物を運ぶ馬車というか荷車3台と、それを操る御者、その馬車を守る人員として10人程、後ろからついてくるけれど…

「随分装備がしっかりしている人達だったな」

 と、第3妃のファミーユ様が言う。ルーヴェリア様と、ラクシュ様、わたくしたち…妃達がひとまとめに乗っています。もう一台は、メイドと言う名の護衛達が乗ってるのよ。

「確かにそうだな。あれランクは分かるか?」
「ランク、といいますか…王都で随一の規模を誇るパーティーですね。SSランクが3名と、Aランクが5名、後は知りませんが、まあ小間使いの様なものでしょう」

 ルーヴェリア様が、ファミーユ様の言葉に反応して、ラクシュ様へと聞けば、するすると回答が得られるとか…そこら辺まで熟知しているの…

「王宮からも、何か魔物の被害があった場合に要請する様な所ですので、まあ安心してもいいのではないですかね。ただ…何かあったら処しますがそれはよろしいので?」
「勘違いで殺すなよ」
「勘違いさせるような行動を起こさなければいいのですよ」

 処すってなにかしら、と思ったら…ルーヴェリア様、はっきりいわないでくれますか。

「兄上が言うには、素材の荷物運びに要請したっていう話だったし…前には出てこないだろ」
「それでは、うちのやつらにある程度…馬車の近くまでは運ばせましょう。そう、通達もさせます」
「ん。好きにしろ。お前がやりやすい様にしていい」

 荷物運びに王都で随一の規模を誇るパーティーに要請するとか、普通では考えられないわね…これが王族というものなのかしら。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。 あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。 そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。 翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。 しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。 ********** ●早瀬 果歩(はやせ かほ) 25歳、OL 元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。 ●逢見 翔(おうみ しょう) 28歳、パイロット 世界を飛び回るエリートパイロット。 ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。 翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……? ●航(わたる) 1歳半 果歩と翔の息子。飛行機が好き。 ※表記年齢は初登場です ********** webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です! 完結しました!

【溺愛の恋】~あなたは、私だけのモノ~

一ノ瀬 彩音
恋愛
平凡な毎日を過ごしていた主人公は、ある日、事故に遭い、記憶喪失になってしまう。 そんな主人公の前に現れたのは、美形な王子様で……?! 溺愛の恋、開幕です! ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました

入海月子
恋愛
有本瑞希 仕事に燃える設計士 27歳 × 黒瀬諒 飄々として軽い一級建築士 35歳 女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。 彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。 ある日、同僚のミスが発覚して――。

若妻シリーズ

笹椰かな
恋愛
とある事情により中年男性・飛龍(ひりゅう)の妻となった18歳の愛実(めぐみ)。 気の進まない結婚だったが、優しく接してくれる夫に愛実の気持ちは傾いていく。これはそんな二人の夜(または昼)の営みの話。 乳首責め/クリ責め/潮吹き ※表紙の作成/かんたん表紙メーカー様 ※使用画像/SplitShire様

【R18】軍人彼氏の秘密〜可愛い大型犬だと思っていた恋人は、獰猛な獣でした〜

レイラ
恋愛
王城で事務員として働くユフェは、軍部の精鋭、フレッドに大変懐かれている。今日も今日とて寝癖を直してやったり、ほつれた制服を修繕してやったり。こんなにも尻尾を振って追いかけてくるなんて、絶対私の事好きだよね?絆されるようにして付き合って知る、彼の本性とは… ◆ムーンライトノベルズにも投稿しています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件

百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。 そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。 いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。) それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる! いいんだけど触りすぎ。 お母様も呆れからの憎しみも・・・ 溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。 デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。 アリサはの気持ちは・・・。

処理中です...