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家へ引っ越してから
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そうして、出来上がった料理を、お弁当箱、というか…タッパー、というか、容器に入れていく。その容器を専用のバスケットに入れて持って行くのだとか。ちゃんとナイフやフォークもセットになっているというのだから驚いたわ。
それはともかくとして…
「すごい可愛いですわね。いつの間にこんな物を?」
「アレが得意なので」
そう言って、レイはもう一人のメイドを示した。顔をみれば、にこりと笑う。
可愛い、と言った物は人参がバラの様になっているのよ。球体の人参に切れ込みを入れてそう表現しているということだけど、ブロッコリーやジャガイモの中に、そのバラの形の人参があると花畑みたいで可愛い。
「すごいですわ。ありがとうございます」
「喜んで頂けて光栄です」
そんなにかしこまった言い方でなくてもいいのだけれど、仕方ないかしら。
今日作った物は、ジョセフィーヌ様にも召し上がっていただくという事で、ちょっとどきどきしてしまうわ。レイやメイドがほぼ作っているから失敗はないでしょうけれど。
ジョセフィーヌ様から受け取ったお菓子はレイが持って、お弁当のバスケットはわたくしが持って、出かける。ジョセフィーヌ様とはキッチンでお別れしたけれど、その時に後でお弁当の感想を言うとおっしゃっていただけて、すごくうれしいわ。
そうして、騎士の詰所までは、お弁当やお菓子もある事から馬車で向かう事になっている。うきうきしながら馬車へ乗り込んで向かうけれど…見た目が崩れてしまわないかとか、冷たくなって美味しくなくなっていたらどうしようとか、色々と考えてしまうわ。
馬車が止まって、降りて目に入った建物は…すごく大きいわ。流石に王宮程ではないけれど…食堂もあるというお話しでしたし、納得の大きさですわね。
馬車から入口へと行けば、いつもラクシュ様の傍で見かける、あの騎士服だったり執事だったりする人がいた。
「ご案内するように、と言われまして。こちらへどうぞ」
そう言って、先だって歩いて行くその人について行く。
「あの…旦那様は、まだ警邏中ですの?」
「いいえ。戻っては来ておりますが、ルーヴェリア様が出す報告書作りに手間取っておりまして。少々機嫌が悪くなりそうなので、逃げて来ました」
え。逃げるって…と、いうかラクシュ様が機嫌悪くなるものなのかしら。だって、ルーヴェリア様の報告書作りをお手伝いしているのでしょうし。
「怒りをぶつけるような事はなさいませんが、私共は…察してしまうものですから」
察してしまう、というのは分かるけれど…逃げていいのかしらね。
「ネルア様が来たと言えば、機嫌も直るでしょうし」
そんな単純なものなのかしら。でも、今朝のあのやり取りを思い出すと、意外と単純なのかも、とも思えて来るわね。このままラクシュ様のいる場所へと行くのか聞けば、応接室へと行くのだという。
「元々そちらで昼食を、という事でしたので。お茶のご用意が済む頃には当主が来るようにしますので、ご安心ください」
「はい。わかりましたわ」
そう答えると、こちらです。とドアを開けられて入った部屋。王宮とは違って、さっぱりとした部屋だけれどソファはしっかりとした良いつくりの物だし、ローテーブルも綺麗に磨き上げられている。
「では、こちらでお待ちください」
そう言って出て行ってしまえば、残ったのはレイとわたくしだけ。レイに促されて、バスケットを開けて食べられるように準備をして待つ事にするわ。
それはともかくとして…
「すごい可愛いですわね。いつの間にこんな物を?」
「アレが得意なので」
そう言って、レイはもう一人のメイドを示した。顔をみれば、にこりと笑う。
可愛い、と言った物は人参がバラの様になっているのよ。球体の人参に切れ込みを入れてそう表現しているということだけど、ブロッコリーやジャガイモの中に、そのバラの形の人参があると花畑みたいで可愛い。
「すごいですわ。ありがとうございます」
「喜んで頂けて光栄です」
そんなにかしこまった言い方でなくてもいいのだけれど、仕方ないかしら。
今日作った物は、ジョセフィーヌ様にも召し上がっていただくという事で、ちょっとどきどきしてしまうわ。レイやメイドがほぼ作っているから失敗はないでしょうけれど。
ジョセフィーヌ様から受け取ったお菓子はレイが持って、お弁当のバスケットはわたくしが持って、出かける。ジョセフィーヌ様とはキッチンでお別れしたけれど、その時に後でお弁当の感想を言うとおっしゃっていただけて、すごくうれしいわ。
そうして、騎士の詰所までは、お弁当やお菓子もある事から馬車で向かう事になっている。うきうきしながら馬車へ乗り込んで向かうけれど…見た目が崩れてしまわないかとか、冷たくなって美味しくなくなっていたらどうしようとか、色々と考えてしまうわ。
馬車が止まって、降りて目に入った建物は…すごく大きいわ。流石に王宮程ではないけれど…食堂もあるというお話しでしたし、納得の大きさですわね。
馬車から入口へと行けば、いつもラクシュ様の傍で見かける、あの騎士服だったり執事だったりする人がいた。
「ご案内するように、と言われまして。こちらへどうぞ」
そう言って、先だって歩いて行くその人について行く。
「あの…旦那様は、まだ警邏中ですの?」
「いいえ。戻っては来ておりますが、ルーヴェリア様が出す報告書作りに手間取っておりまして。少々機嫌が悪くなりそうなので、逃げて来ました」
え。逃げるって…と、いうかラクシュ様が機嫌悪くなるものなのかしら。だって、ルーヴェリア様の報告書作りをお手伝いしているのでしょうし。
「怒りをぶつけるような事はなさいませんが、私共は…察してしまうものですから」
察してしまう、というのは分かるけれど…逃げていいのかしらね。
「ネルア様が来たと言えば、機嫌も直るでしょうし」
そんな単純なものなのかしら。でも、今朝のあのやり取りを思い出すと、意外と単純なのかも、とも思えて来るわね。このままラクシュ様のいる場所へと行くのか聞けば、応接室へと行くのだという。
「元々そちらで昼食を、という事でしたので。お茶のご用意が済む頃には当主が来るようにしますので、ご安心ください」
「はい。わかりましたわ」
そう答えると、こちらです。とドアを開けられて入った部屋。王宮とは違って、さっぱりとした部屋だけれどソファはしっかりとした良いつくりの物だし、ローテーブルも綺麗に磨き上げられている。
「では、こちらでお待ちください」
そう言って出て行ってしまえば、残ったのはレイとわたくしだけ。レイに促されて、バスケットを開けて食べられるように準備をして待つ事にするわ。
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