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家へ引っ越してから
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緊張して力が入っていたようだし、特に立っていなければならないというものでもないらしく、その人形遣いの人共々、グランもソファに座っていただいて、お茶をしながらゆっくりと調整をしてもらう事にしたわ。
修正がそれほど難しくない、という事らしく、目の色と髪の色を試しで変えて貰った。目は青にしたかったけれど、それはルーヴェリア様の色になるだろうから…薄緑にしてもらって、髪色は金髪に。唇を少し赤くして、ビスクドールみたいにしてもらった。ソファにちょこんと座ってもらうと、本当に可愛らしいドールだわ。
「かわいいわね…」
ほれぼれしてしまうほど、可愛いわ。思わず漏れた言葉に、その人形がにこりと笑う。うわ、そういうのも出来るの…!
「髪の質や、長さも変えられますが、どうしましょうか」
「それなら、カールした…少しだけふわふわな感じで、背中辺りまでとか、できます?」
「カール………こんな感じでしょうか」
わあ…!すっごい可愛い。日本人は金髪に弱いというけれど…これは本当に可愛いわ!!!
「大層気に入っていただけた様で、幸いです」
グランはそう言って、上手く行った事でほっとしたようで笑う。
「他のサイズの人形もお創りしますが、どうしましょうか」
「そうね…お願いしたいけれど、その前にこの子をどこかへ座らせた方がいいのかしら」
2体操作できる、という事だったけれど、無理はしてほしくないからそう言えば、大丈夫という返答だったわ。ただ…どうしようかしら。どういった物がいいか、悩んでしまう。同じような系統にして、姉妹の様にしてもいいし、全く逆の色合いでもいいし。うーん。
「いろんな色や形状で試してみますか?」
「大変ではありませんの?」
「いえ…それ位のコントロールはできますので」
「そうですね。それ位できなくては」
そう言って…人形遣いの人が、あのボールを取り出して…ラクシュ様を作り出す!?
「えっ」
「ふふ…どうしましたか?」
そう言って笑う顔は、本当にラクシュ様で…というか、服!服着てないのよ。首から下は見ないわよ…!
「と、まあこんな事も可能ですね」
一瞬で、また消えたけれど…その人形遣いの手の上で、ころころと転がしているのは、ラクシュ様を形作る為につかった物。
「い、いまの」
「なんならルーヴェリア様も創れますが」
「えっ」
「当主に怒られるので、創りませんよ」
怒られた時に身代わりとして使えると言ったら、それなら場合によっては使う。と、言われたと言って笑う。
「…今のは本当に、人形、でした、よね」
「ええ。人形ですよ」
「本当にそっくりで…いつものあの服を着て来られたら、わたくし…」
本物か、偽物か、わからなくて困ると言えば、くすくすと笑う。
「流石に、お茶を淹れさせられると分かるかと思いますよ。あれは真似できません」
「お茶…」
「あ、今の、当主の人形を創った事は当主には秘密にしてくださいね。今後は二度としませんから」
「そうしてくださいますか。ちょっと…心臓に悪いですわ」
ただでさえ、夜に背後に立たれて声を掛けられるのに驚いてしまうのに。
「あの顔が見たい時は、おっしゃっていただければ、」
「当主に言いますよ」
人形遣いの人の言葉を、レイがそう言って止めてくれてよかったわ。そっくりだからこそ、嫌。
修正がそれほど難しくない、という事らしく、目の色と髪の色を試しで変えて貰った。目は青にしたかったけれど、それはルーヴェリア様の色になるだろうから…薄緑にしてもらって、髪色は金髪に。唇を少し赤くして、ビスクドールみたいにしてもらった。ソファにちょこんと座ってもらうと、本当に可愛らしいドールだわ。
「かわいいわね…」
ほれぼれしてしまうほど、可愛いわ。思わず漏れた言葉に、その人形がにこりと笑う。うわ、そういうのも出来るの…!
「髪の質や、長さも変えられますが、どうしましょうか」
「それなら、カールした…少しだけふわふわな感じで、背中辺りまでとか、できます?」
「カール………こんな感じでしょうか」
わあ…!すっごい可愛い。日本人は金髪に弱いというけれど…これは本当に可愛いわ!!!
「大層気に入っていただけた様で、幸いです」
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「他のサイズの人形もお創りしますが、どうしましょうか」
「そうね…お願いしたいけれど、その前にこの子をどこかへ座らせた方がいいのかしら」
2体操作できる、という事だったけれど、無理はしてほしくないからそう言えば、大丈夫という返答だったわ。ただ…どうしようかしら。どういった物がいいか、悩んでしまう。同じような系統にして、姉妹の様にしてもいいし、全く逆の色合いでもいいし。うーん。
「いろんな色や形状で試してみますか?」
「大変ではありませんの?」
「いえ…それ位のコントロールはできますので」
「そうですね。それ位できなくては」
そう言って…人形遣いの人が、あのボールを取り出して…ラクシュ様を作り出す!?
「えっ」
「ふふ…どうしましたか?」
そう言って笑う顔は、本当にラクシュ様で…というか、服!服着てないのよ。首から下は見ないわよ…!
「と、まあこんな事も可能ですね」
一瞬で、また消えたけれど…その人形遣いの手の上で、ころころと転がしているのは、ラクシュ様を形作る為につかった物。
「い、いまの」
「なんならルーヴェリア様も創れますが」
「えっ」
「当主に怒られるので、創りませんよ」
怒られた時に身代わりとして使えると言ったら、それなら場合によっては使う。と、言われたと言って笑う。
「…今のは本当に、人形、でした、よね」
「ええ。人形ですよ」
「本当にそっくりで…いつものあの服を着て来られたら、わたくし…」
本物か、偽物か、わからなくて困ると言えば、くすくすと笑う。
「流石に、お茶を淹れさせられると分かるかと思いますよ。あれは真似できません」
「お茶…」
「あ、今の、当主の人形を創った事は当主には秘密にしてくださいね。今後は二度としませんから」
「そうしてくださいますか。ちょっと…心臓に悪いですわ」
ただでさえ、夜に背後に立たれて声を掛けられるのに驚いてしまうのに。
「あの顔が見たい時は、おっしゃっていただければ、」
「当主に言いますよ」
人形遣いの人の言葉を、レイがそう言って止めてくれてよかったわ。そっくりだからこそ、嫌。
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