まるで裏稼業の騎士様にでろっでろに甘やかされる話

新条 カイ

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宮殿での生活

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 懲罰房と聞いて、襲撃者からそれを指示した人を聞き出す、という事も必要だし、と気を取り直していると、ラクシュ様にお茶を替えられていた。

「そろそろいい時間ですが、お腹すきませんか?はい、あーん」

 小腹は空いてきたけれど、だからってなんであーんされるのよ。にこりと笑って、首傾げられて、逃げられない。口を開けばそっと押し込まれるサンドイッチは、小さいから一口で食べられて助かるけど。

「もっと食べられそうですか?」
「自分で食べますわ」
「意外と楽しいのでさせてください」

 駄目ですか?と、悲しそうな顔をするとか、もうね。いつも笑ってるのに、こんな顔されると許してしまうしかないわよね。だから、苦しいと言うまで、ラクシュ様の手で食べさせられてしまった。
 残ったものは、ラクシュ様がぺろりと食べてましたよ。夕食、食べたんですよね?

「食べましたが、これ位ならはいりますよ」

 小さな一口サンドイッチが3つだったから、そうなのかしらね?

「所で、結婚式の事ですが…希望があるとおっしゃってましたね。それは、どのようなご希望なのでしょう」
「その前に、ラクシュ様はどういったものを考えてますの」

 二人っきりの時は、できるだけ名前を呼ぶようにしてる。ただ、顔は見れないけれどね。なんだかルーヴェリア様が結婚式をちゃんとさせたいとおっしゃっていたという事だけど。

「ルーヴェリア様はまず参列者にいらっしゃいますね。その周りをうちの本家と、両親が囲む形で…できれば王太子様にも居て頂いた方が安心できますが、その日程がどうなのかと言う問題がありますね」

 その他は、一般的な式と同じで考えているという事だけれど。

「あの…指輪を…同じデザインの指輪を、着けたいのです。結婚した証として」
「それは、イヤリングでは駄目なのでしょうか」
「ラクシュ様も、指輪をつけて欲しいのです。左手の薬指に」
「私もですか…武器が振れるかどうかの問題がでますので、ずっとという訳にはまいりませんが…それでもよろしいですか?」

 う。指輪って邪魔になるの?そんな事分からなかったわ。でも…なら。

「式の時だけでも構いません。同じものをつけていたいといいますか…」
「分かりました。ではそれで。指輪は、そうですね。先日のイヤリングを頼んだ職人へ頼みましょう。凝ったデザインでも一月あれば仕上がりますし、まだ先でもいいでしょう。他には?」
「教会でのドレスの色は、白にしたいのです」

 普通は、相手の色のドレスを着るものだから、これを言って嫌がられないかと不安になる。でも…どうしても、純白のウエディングドレスが着たい。

「それは、何故ときいても?」
「その…昔、夢、あ。夜見る夢ですわよ?それで…」

 純白のウエディングドレスは、貴方の色に染まりますという意味という話をしている夢を見たのだと言えば、ふむ。とラクシュ様は考えこんでいる様子。
 日本での話とか言っても、頭おかしいのかと思われるだろうからとそう言ったのだけれど…どうかしらね。

「いい意味合いではありますが…そうですね、ドレスの色はそうするとして、髪飾りやネックレスなどのアクセサリーで、私の色を付ければいいでしょう。あとは?」

 あと…結婚式については思いつかない。ブーケトスもあるけど、あれは参加者が知ってるから意味があるのであって、大々的にそれを参加者に知らせるというのもどうかと思うから言わない。

「結婚式については、これ位ですわ」
「では、次はパーティーに関して、でしょうかね」

 察しが良くていいわね。
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