まるで裏稼業の騎士様にでろっでろに甘やかされる話

新条カイ

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宮殿での生活

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　そうして、なんだかよく分からないお茶会から戻ってきました。部屋に戻りたいとラクシュ様に断って、宮殿の部屋に戻ってきました。レイがお茶を淹れてくれたけれど、お茶菓子であの芋のキッシュもあったから、ゆっくり味わって食べたわ。

「夕食はどうなさいますか？」
「そうね。もう休みたいし、軽めの物を夜食に用意してもらえるかしら」

　フレンドリーに接したいという事で、形式ばった物ではなかったし、話し方も柔らかいものだったけれど…こうして部屋に戻ってしまえばぐったりと疲れていると分かる。

「風呂の準備は整っています。当主と調理場に伝えさせます」
「そうね。お願いするわ」

　そうお願いすると、レイは、レイの分のお茶を用意して向かいのソファへと座る。最近はそうお願いしてそうするようになった。ああ、騎士のレッドとブルーは、入り口を外から警護するのだと言って、部屋には入らないのよ。話し相手を望めば、レイか、デボラが来てくれるけれど。

「所で、聞きたいのだけれど」
「はい、なんでしょうか」
「夜は、その…見てるのかしら」

　そう、閨を見ている、という話を聞いてしまったからそれを聞けば。

「警護の点から、要所の配置はしてますが、見ているかというと少々違いますね」
「違うといいますと？」
「ネルア様の寝姿を見ていては守れませんから。当主がいうルーヴェリア様の閨を見ているというのは、相手の女性が何かしらしてくる可能性があるからでございます」

　ああ、ハニートラップというやつかしらね。と、遠い目をしてしまったわ。

「ですので、当主がこちらへ来ている場合は、ただ周りの警備をするだけです」

　侵入経路を塞ぐように人を配置する事で、安全が守られるという事らしい。では、見られてないのねと安心するけれど。

「ただ、ベッドの惨状で大体は」

　うぐ…それはそうよね。お風呂から上がったら、綺麗に整えられているベッドとか怖いと思ったものだけど…レイとか、メイドが替えて整えているに決まってるものね。

「王様もおっしゃっていましたが…お身体が辛いようでしたら、お早めに当主へ言った方がよろしいかと」
「…どうにかなるかしら」
「言わないまま、当主の良い様にされるよりはいいのではないですかね。我慢はするようですし」

　確かにそうよね。それにしても…抱きつぶすとか、物語の中だけだと思ってたのに。自分の身で起こるとは思ってもみなかったわ。

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