まるで裏稼業の騎士様にでろっでろに甘やかされる話

宮殿での生活

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　と、ジョセフィーヌ様がどういった事で喜ぶのか考えていると、そういえば。と王様が言う。

「ネルア嬢は…妾とか嫌だと聞いたけど、大丈夫？」

　その問いに、大丈夫って何が！？と、混乱してしまう。

「それ、ガルヴァンヌ…ああ、王太子ね。王太子よりは魔力少ないけど、王族の血入ってるし、高魔力持ちだし…一人じゃ大変じゃないのかな？」

　私は大抵気持ちが昂りすぎて倒れるからいいけど。と、王室のベッド事情を暴露されましたが…大丈夫ってエッチ事情ですか！？いや、まあ、この間ラクシュ様の本気を体感して、ちょっとどうかとはおもいましたけれど。

「初心なので、そういう話はやめてください。ほら、真っ赤になってしまったじゃありませんか」
「でも大切な事じゃないの？ルーヴェリアに付ける子の問題もあるし」
「それは、兄達の妻の皆様に頑張っていただく事も考えてますし」

　ラクシュ様の発言に、どういうことかと視線を向ければ、養子を貰うのだという。

「ですので、赤子を養子でもらって、育てるのはネルアにお願いする形ですね。レイやメイドも居ますし、なんなら乳母として一族の女をつけてもいいので」
「ですが、あなた達の一族って…種に魔力要素が入ると聞いてますわよ。いいのですか？お前の種でなくて」

　お后様からの発言に、ぎょっとしてしまった。種って…種って言ったわよ。

「ネルアが5つ子を産むのは現実的ではありませんし、苗床を使う事も…嫌な様ですし、まあたくさん産んでもらいたい所ではありますが、ルーヴェリア様の子に付ける子に関しては養子でなんとかします」

　どうせたくさん産んでもらうので、そのうちの何人かにわたくしの子をつければいい、と言う。これって…妻を他に娶る、もしくは…ルーヴェリア様を害そうとした女性に産ませる事を示唆されてる、のよね。そうぐるぐると悩んでいると、するりと頬を撫でられて視線をラクシュ様に向ければ。

「大丈夫ですよ、ネルア。不幸にはさせませんとお約束、しましたでしょう？」
「ですが、旦那様の、お仕事を支えるのも、」
「子を産みたくない、という訳でなければ問題ありませんよ。そうではないのでしょう？」

　う…確かにそうだけど、恥ずかしい話題を、王族がいる場で言わなくてもいいのでは…

「あーもう、俺ジョセフィーヌに会えないって言うのに」
「ルーヴェリア。空気読みなさい」
「だって母上、」
「いまだに子供だねぇ、お前は」
「なんなら当主に侵入させてもらえばいいじゃないですか。何故そこだけイイコにしてるんです」
「だって唯でさえ嘘の噂が流されるんだぜ？こいつらいるから問題ないだろうが、どこからバレるかわからんだろ」

　…空気読まないルーヴェリア様だけど、今のは助かったわ。恥ずかしさがふっとんだというか、毒気を抜かれたというか。ある意味空気を読んだともいえるわね。わたくしの気持ち的に。