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宮殿での生活

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「では、そろそろベッドへ行きましょうか」

 と、そう言われるけれど…もうそんな時間かしら、と考えてしまう。お風呂から上がって、爪を綺麗にしてもらって…ご褒美が欲しいと名前を呼ぶように言われた…位よね。

「いくらこうしていると言っても、身体が冷えますよ」

 う…確かに、名前を呼んだ時のラクシュ様の顔がね…腰砕けになるからって、抱きしめられている様な恰好なのよ。といっても、ラクシュ様の手に私の肩を掴まれている様な感じだから、背中が冷えるといえばそうだけど…そこまで薄手ではないわよ。
 でも、こういう場合はどうしたらいいのか分からない。もっと話したい、と言ってもベッドで話していてもいい訳だし。

 という事で、もごもごしている間にラクシュ様に抱き上げられてしまって、ベッドまで運ばれましたよ…用意されていたナイトティーを頂きながら…ラクシュ様の…物騒なストリップショーを見てますよ。
 …それにしてもいくら薄いナイフだとしても、配置がどうとか言ってましたけど、いや…いくらなんでも本当にそんなにどこに入ってるの。それと…

「…ルーヴェリア様が拗ねそうですわね」
「ん?何故ですか?」
「めったに見せてくれない、とおっしゃっていたではありませんか」
「いくら敬愛する主とはいえ、男に見せる為に武装を解くのと、愛する人に見せるのとでは違いますので」

 あ、なんだ…よかった。旦那様とルーヴェリア様がそっちの人じゃなくて。まあ、なんとなくは分かっていたけれど…どうしてもそういう風に見えてしまう時があるので。

「後は、こう、骨格をですね…」

 かこ、と…なんか変な音しましたよ…確かに、何というか…腰というかアバラの辺りから考えると、肩が嫌に角ばっていたけれど、それがなくなった、かしら。

「後は、二の腕辺りの布地を厚くしてますね。腕にも暗器仕込んでますので、その分のサイズとのバランスですね」
「そう…ですか」

 暗器って言ったわね…確かにしっかり見てしまいましたが…腕になんだか糸とか細いロープとかありましたね…なんかもう忍者か暗殺者だわ…

「本当に、一般的な騎士様とは違うのですね」
「それでは守れませんから」

 それはそれは長い間研鑽を重ねに重ねているという。それでも被害はいまだにあると悲しそうな顔で言う。

「どうしても、守りというモノは攻撃がどこからくるのかを察知できないといけませんからね。ただ生きるだけならば、地中深くにでも部屋を作って、限定した者だけ通れるようにしてしまえば楽なんですが、まあ人なので我慢がきかなくなるかおかしくなるか…」

 過去にそうした事ありそうでこれ以上は聞かない方が良さそう…なのだけれど。

「あの…その、襲撃してくるのはなぜなのですか」

 と、聞けば。何故かベッドへと入り込んできて、足を枕にされて、膝枕の恰好になってるのだけれど。

「…ラクシュ様?」
「言ってもいいんですが…また後でもいいですか」
「駄目ですの?」
「どういう反応をされるのかがわかりませんので。もう少し…このままで」

 反応、というと…すっごくいい所の家、とか?え、でも…王家ならばいくらいい所の家といってもなんとでもなりそうなのだけれど。政治的な事は分からないけれど…会社とかだとあの人に休まれると困る!とかはあるから、そういうモノかしらね。体調不良でちょっとだけ休むのとはわけが違うし。
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