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宮殿での生活

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「ああ、警護に関しては今の所心配いりませんよ。城のありとあらゆるところに下僕を配置してますので」

 …下僕っていう言い方、やめて欲しいのだけれど。
 お茶を淹れなおして戻って来たラクシュ様に、警護に関して聞けばそう返答があった。ルーヴェリア様は、だんだんグレードダウンしてるなぁと笑う。以前は手下、だったらしい。それ以前は部下…ほんと、グレードダウンしてるわね…文句出ないのかしら。
 そうそう、お茶と一緒に、フルーツの盛り合わせも持って来て下さったのでお茶しながらそれを頂いています。ルーヴェリア様はフルーツなら食べられるそうで、結構な勢いで食べてますね。

「お茶してますので、お前、資料を執務室へ揃えておきなさい」
「かしこまりました」

 ラクシュ様がそう命令をしたのはレイにだったらしい。レイが返事をすると、部屋から出て行ったから。

「人員に関してもネルアへ紹介したい所なんですが…城には名簿、置いてないので、家の改修が済んでからの方がいいでしょう」
「分かりましたわ」
「後、そうですね。ルーヴェリア様がおそらくお昼までお腹が持たないでしょう。何か作りに行きますので、一緒に行きましょうか」
「はい」

 何を作るのかしら。お菓子?それとも軽食かしら。と、ワクワクしてしまう。それが顔に出ていたのか、ラクシュ様にくすくすと笑われる。

「作ると言っても、簡単な物ですよ。お昼ご飯が入らなくなっては困りますし」
「別に菓子でいいぞ?」
「駄目です。栄養が偏ります」

 栄養…この世界に栄養学なんてものがあるのか分からないけれど、そこまで考えるなんてすごい…


 お茶を終える頃、資料を執務室へと用意し終えたレイが戻って来たので、4人で執務室へと移動したけれど…

「これは…」
「カーテンの生地見本ですね。色や柄は見てみないとわかりませんので。こちらは、壁の図案です。一応女性に好まれる物を選んで用意させましたが、気に入る物がなければまた別の物をご用意いたしますとも言われております」

 執務室にあるソファに備え付けのローテーブルに、かなりの量の布と、図案の紙束が乗っていて驚いてしまった。これで全部ではないなんて。確かに模様や色は様々あるけれど…

「選ぶ前に、見切れるかしら」
「お目当ての色があるのであれば、その系統で見てみれば良いのでは。何色がいいですか?」

 色…そうね、色でまず選ぶのはいいわね。ただ…その時の気分で結構変わったりするし。今…今は、そうね…落ち着いた色がいいかしら。壁は無難に白…もしくはクリーム色、かしら。

「壁の色は変える事は難しいですが、カーテンは付け変えるだけですし、いくつか選んでもいいですよ?」
「また、住み始めてから選んでもよろしいですか?もしかしたら周りの環境ですとか、その時の気分で変わるかもしれませんし」
「ええ、いいですよ。では、ひとまずはこれで。どれ位で改修が済むか、聞いてますか?」
「それは壁色を何にするかによっても変わるそうですが、大体1,2週間程と伺っております」
「では、それまでにジョセフィーヌ嬢をご紹介しなくてはいけませんね」

 そうよね。その問題もあったわね。出稼ぎに来ていたという事だから、そこまで貴族っぽい子ではなさそうなのが救いかしら。お店とか…詳しいみたいだし、お友達になれるといいのだけれど…
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