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序章

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「それはさておき、ネルア嬢…ああ、もう夫婦なので、ネルア、と呼んでもいいですか?」
「は、はい」
「では、ネルア…」

 う…ちょっと、ベッドに乗り上げて来ないで。初夜、と言っていたし…やっぱりそういう事、するのかしら…

「キスは、いいですか?」
「ぁ…」

 あそこまで酷くはないけれど、とろりと溶けた顔で聞かれて、はいと答えてしまう。目だけで笑われて、頬を両手で包み込まれて上向かされて、ふに…と、柔らかい唇が触れたと分かる。すぐに離されるけれど、目の前にあの顔とか耐えられないから、そっと目を閉じれば、くす、と笑ったのが聞こえた。
 そうして、そこからはもう…頭がしびれるかと思う程で。

「ん…っ…」

 真ん中、端、と…場所を変えて、ついばむ様にキスされて、くすぐったいというか物足りないというか…喘ぐように口を開ければ、そこからぬるりと入り込んでくる舌と…唇に、わたくしの唇を吸われて、背中にぞくぞくとしたものが駆け上がる。

「はぁ…ん、んっ」

 どこもかしこもラクシュ様の舌で舐められて、気持ちいい…



 キスの最中から、ふわふわしすぎてなにがなんだか分からなくなってしまった。気が付けば…ベッドへと押し倒されていて、ラクシュ様に馬乗りにされていた。

「い、いや…」
「嫌ですか?こんなに求めてきているのに?」
「ひっ、な、なんで、いつの間に」

 きゅ、と…胸を鷲掴みされて、驚く、脱がされた記憶がないのに、どうして裸になってるの!はずかしくて、胸を隠そうとするけれど、あっという間に手を押さえつけられて、動けなくなる。

「キスしている間にですね。ボタン位なら簡単ですし」

 流石にショーツまでは降ろされていないようで助かった…いえ、助かっていないわよ!

「あ、あの、まだ、その」
「構いませんよ。夜は長いので…」
「ひゃんっ、あ、やめ、っあ」

 なんで、こんなに気持ちいいの…胸を舐められて、優しく吸われて…それだけなのに、おかしくなりそう…

「いいですね…その調子で鳴いてください。私、ネルアの声、好きなので」
「んあっ…」

 耳に、好きとか吹き込まないで!びくりと身体が跳ねたのが分かったのか、ラクシュ様は楽しそうに笑う。耳たぶを柔らかく噛まれて、唇で嬲られて、身体から力が抜ける。

「ああ、イイですね…そのまま大人しくしていてくださいますか」

 意識も霞んできて、身体に力が入らなくて、ふわふわする。足が、上げられた感じがしたけれど…何…

「ルーヴェリア様の結婚もまだ先ですし、子が出来ないようにしておきます。そのまま力を抜いていてください」

 ぬる、と…そこに何か入る感触がして、それが指だと気が付くのに時間が掛かった。何度か動かされて、くるくるとかき回されて気が付くとか…!

「ゃ…だめぇ…」
「こんなにとろとろにして、駄目もないでしょう?」

 10分て意外と長く感じると零すラクシュ様だけど…指が引き抜かれて物足りないと思ったら、また入ってくる。ぐぐ…と、なにか、奥に押し込まれる感触がしたけど…また指が抜かれてしまう。
 この次に何が来るのかなんて、簡単に想像できる。嫌だと思うのに、欲しいと思う。でも、一向にその感触がなくて、胸をいじられて、どうしてと思う。

「な、んで…」
「欲しがっていただけるのは大変喜ばしいのですが、避妊薬が溶けるまで待ってください」

 欲しがって、とか言われて、かあっと顔が熱くなる。思わず手で顔を覆ってしまえば、ラクシュ様が楽しそうに笑う。

「顔、見せて」
「い、いやよ」
「恥ずかしがっている貴女を、みせて…ねえ?」

 顔だけじゃなくて、声色さえもぞくぞくする…今顔見たら死ぬんじゃないかしら。
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