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番外編
一般的な漁にはしばらくならなさそうです
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お家へと戻って来たけれど…それからも大変だった。私とスタンフォードは、まあそこまでではないけれど。ああ、でもスタンフォードも王宮の貯蔵庫に転移の魔法陣を描きに行ってたから、私だけゆっくりして…なかったね。うん。なんか地球での漁の仕方を書き出せと言われましたよ。便利機能で足りない知識は補完できるから、書き出しましたけど。
シルヴさんは、中途半端に解体した一匹をちゃんと綺麗に解体するのだと言って、キッチンに籠ってるけど。いくらみんなで背中部分を食べたからと言って、流石にそのまま家に運ぶには大きくて…いらない部分の内臓とか、ヒレとかを切って、海へと魔術を使って投げ飛ばしてましたよ…内臓が飛んだ時はグロっ!って目を背けました。ええ、流石にね。そうそう、骨も外して、飛ばそうとしてたから、
「あ。ナカオチ」
と、こぼしたら、何故かぐりん、とすんごい勢いでこっちを向かれて、思わず悲鳴を零しました。
「ナカオチってなんですか」
「あ、あの…ほら、その、ね…そこについてる身…が、ね…」
スプーンで取れるんじゃないかなって。と、かろうじて言った。前、テレビで見たのよね。だからそう言えば、ごりごりとスプーンで削り取ってましたよ。随分と気に入ってくれたようでなによりです。
まあ…後で料理の方法というか、食べ方を聞かれたけどね。
一応、郊外の屋敷は使わない部屋があるから、広い部屋にツノが取られ、維持の魔法で時を止めたグローヌが…どどん!とあります。カーテンあるからいいけど、これ、外から知らない人が見たら怖いよね…
ツノは、現場にいた人がギルドへと鑑定に出したらしいけど、槍の素材としてかなりハイグレードな物だったようだ。後はほら、レアだし。獲れない獲物だもんねぇ。見た目がいい訳ではないから、実用品として使われるだろう、という話だった。
あとは、王宮にも3匹と言ったらいいのか、3体と言ったらいいのか…納品しました。調理方法は、そのうちルーヴェリア様の乳兄弟がこの家に来るらしい。なので、調理する時はあらかじめ言って欲しいと言われましたよ。
で…ワサビに似た野菜、というのか薬味というのか…それをシルヴさんが手に入れて来てくれて、夜。
「あーこれこれ…おいしい」
「つーんとするのがいいっすね。あ、つけすぎた」
「っ…」
スタンフォードは目を押さえてるけど…あんたもつけすぎたのか…
ネギトロ丼とか、中落丼とかも作った。海苔はないんだけどね…うーん、プランクトンの問題があるから、海藻も難しそうだし。
「一応、この切り身をこれに漬けて、ヅケ丼とかもあるんだけど…明日の朝食にする?」
『する』
二人ともに言われたので、切り身を漬けにする。もうね、大盤振る舞いで、大トロから赤身まで全部で作ったわよ。全種類で楽しめるとか幸せすぎる。
食後にお茶しながら、ある程度書き出した漁の仕方を見せながら、話をする。やっぱり問題はプランクトンよね。
「ふむ…網で、捕まえる、か」
「潜ったりは基本だめだから、それしかないかなとは思うんだけど…魔術とかで何とかなりそうなの?」
「単純な魔術だと無理だな。魔道具…」
「遠くに飛ばす事も考えないとだめっすよね~船も危険っすから」
まあ、皮膚が腫れあがるだけだけど…水しぶきだけでもその被害があるかと思うと、ねぇ。この世界、ビニールとか、プラスチックなんかの製品ないから。布だけでも防げるけど、目の部分は開けないといけないからどうしてもね。
結界という物もあるけど、ここだけ、という細かな物になると、コントロールが難しいものだから、一般的ではないという事だった。かといって、その魔術道具が作れるか、というと難しいらしい。
「釣り竿…川でも使うが、海だとな」
「釣りあげながら水で流す、とか…」
「あー…それは可能かもしれんが…砂浜まで釣り上げた魚が暴れないか、だな」
「氷で固めるのが一番いいのかな?」
一匹位なら普通の人でも固められそう?と聞くと、出来るだろう、という返答だったけど…
「ただ、あの巨体を釣り上げる竿や糸があるかどうかだな。シルヴ、あの当主に聞いてみてくれ」
「はーい」
なんで釣具店とかに聞かないんだろう。
「後はもう少し研究してみる。まあ、まずはぷらんくとんの処理の方法だな。あれだと大量に獲れた時に効率が悪い」
「凍らせた範囲が広すぎっすよ~」
「狭い範囲でやって、何も獲れなかったらそれはそれで面倒だろう」
まあ、確かにそうよね。日本でもソナーとか使ってた位だし。あれ?そういえば…
「もしかしたら、私、ソナー出来るかも」
「ん?」
「ほら、名前が見えるから…獲りたい物だけ考えれば…」
そう言うと、スタンフォードはなるほど。と納得して、シルヴさんは、おお~と、感動している。
「なら、今度からそれで行くか。ただ、位置は…口頭だと難しいから、魔力線繋ぐがいいか?」
「うん。でも、他の人に見えるとかいってなかったですか?」
「手でも繋げばそこから通す」
なるほど。そういうものなのね…
そうして…なんだかんだで時々海に行って、魚や貝類、甲殻類を獲っては海産物を楽しんだ。お腹が大きくなってからはしなかったけど、維持の魔術があったからね…なんか、外に食糧庫、作られたわよ。海産物の為だけに。買いに行けるものではないし、それらの処理も自分たち、と言ってもメイドさんとか、まあ主にシルヴさんがしないといけないから大変だからね。
シルヴさんは、中途半端に解体した一匹をちゃんと綺麗に解体するのだと言って、キッチンに籠ってるけど。いくらみんなで背中部分を食べたからと言って、流石にそのまま家に運ぶには大きくて…いらない部分の内臓とか、ヒレとかを切って、海へと魔術を使って投げ飛ばしてましたよ…内臓が飛んだ時はグロっ!って目を背けました。ええ、流石にね。そうそう、骨も外して、飛ばそうとしてたから、
「あ。ナカオチ」
と、こぼしたら、何故かぐりん、とすんごい勢いでこっちを向かれて、思わず悲鳴を零しました。
「ナカオチってなんですか」
「あ、あの…ほら、その、ね…そこについてる身…が、ね…」
スプーンで取れるんじゃないかなって。と、かろうじて言った。前、テレビで見たのよね。だからそう言えば、ごりごりとスプーンで削り取ってましたよ。随分と気に入ってくれたようでなによりです。
まあ…後で料理の方法というか、食べ方を聞かれたけどね。
一応、郊外の屋敷は使わない部屋があるから、広い部屋にツノが取られ、維持の魔法で時を止めたグローヌが…どどん!とあります。カーテンあるからいいけど、これ、外から知らない人が見たら怖いよね…
ツノは、現場にいた人がギルドへと鑑定に出したらしいけど、槍の素材としてかなりハイグレードな物だったようだ。後はほら、レアだし。獲れない獲物だもんねぇ。見た目がいい訳ではないから、実用品として使われるだろう、という話だった。
あとは、王宮にも3匹と言ったらいいのか、3体と言ったらいいのか…納品しました。調理方法は、そのうちルーヴェリア様の乳兄弟がこの家に来るらしい。なので、調理する時はあらかじめ言って欲しいと言われましたよ。
で…ワサビに似た野菜、というのか薬味というのか…それをシルヴさんが手に入れて来てくれて、夜。
「あーこれこれ…おいしい」
「つーんとするのがいいっすね。あ、つけすぎた」
「っ…」
スタンフォードは目を押さえてるけど…あんたもつけすぎたのか…
ネギトロ丼とか、中落丼とかも作った。海苔はないんだけどね…うーん、プランクトンの問題があるから、海藻も難しそうだし。
「一応、この切り身をこれに漬けて、ヅケ丼とかもあるんだけど…明日の朝食にする?」
『する』
二人ともに言われたので、切り身を漬けにする。もうね、大盤振る舞いで、大トロから赤身まで全部で作ったわよ。全種類で楽しめるとか幸せすぎる。
食後にお茶しながら、ある程度書き出した漁の仕方を見せながら、話をする。やっぱり問題はプランクトンよね。
「ふむ…網で、捕まえる、か」
「潜ったりは基本だめだから、それしかないかなとは思うんだけど…魔術とかで何とかなりそうなの?」
「単純な魔術だと無理だな。魔道具…」
「遠くに飛ばす事も考えないとだめっすよね~船も危険っすから」
まあ、皮膚が腫れあがるだけだけど…水しぶきだけでもその被害があるかと思うと、ねぇ。この世界、ビニールとか、プラスチックなんかの製品ないから。布だけでも防げるけど、目の部分は開けないといけないからどうしてもね。
結界という物もあるけど、ここだけ、という細かな物になると、コントロールが難しいものだから、一般的ではないという事だった。かといって、その魔術道具が作れるか、というと難しいらしい。
「釣り竿…川でも使うが、海だとな」
「釣りあげながら水で流す、とか…」
「あー…それは可能かもしれんが…砂浜まで釣り上げた魚が暴れないか、だな」
「氷で固めるのが一番いいのかな?」
一匹位なら普通の人でも固められそう?と聞くと、出来るだろう、という返答だったけど…
「ただ、あの巨体を釣り上げる竿や糸があるかどうかだな。シルヴ、あの当主に聞いてみてくれ」
「はーい」
なんで釣具店とかに聞かないんだろう。
「後はもう少し研究してみる。まあ、まずはぷらんくとんの処理の方法だな。あれだと大量に獲れた時に効率が悪い」
「凍らせた範囲が広すぎっすよ~」
「狭い範囲でやって、何も獲れなかったらそれはそれで面倒だろう」
まあ、確かにそうよね。日本でもソナーとか使ってた位だし。あれ?そういえば…
「もしかしたら、私、ソナー出来るかも」
「ん?」
「ほら、名前が見えるから…獲りたい物だけ考えれば…」
そう言うと、スタンフォードはなるほど。と納得して、シルヴさんは、おお~と、感動している。
「なら、今度からそれで行くか。ただ、位置は…口頭だと難しいから、魔力線繋ぐがいいか?」
「うん。でも、他の人に見えるとかいってなかったですか?」
「手でも繋げばそこから通す」
なるほど。そういうものなのね…
そうして…なんだかんだで時々海に行って、魚や貝類、甲殻類を獲っては海産物を楽しんだ。お腹が大きくなってからはしなかったけど、維持の魔術があったからね…なんか、外に食糧庫、作られたわよ。海産物の為だけに。買いに行けるものではないし、それらの処理も自分たち、と言ってもメイドさんとか、まあ主にシルヴさんがしないといけないから大変だからね。
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