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第九章:終話。なんだかんだで愛されて幸せになりました

シルヴさんのあれこれ

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 次の日…まあ…昨晩もされましたよ。ねっちょりというより、がっつりっていう感じで。
 お昼近くになったけど、目が覚めたらスタンフォードに頭をなでなでされてましたよ。うっとりしたら、キスされて、完全に目が覚めました。はい。
 それで今、朝食兼お昼ご飯を作ろうと、キッチンへ行けば。

「いや~ほんとすごいっすねぇ。あれ何回イきましたぁ~?」
「ひっ…て、あれ?」

 背後から急に声かけられて、慌てて振り返れば…髪が水色?いや、紫色した…

「…シルヴ、さん?」
「ええ、おはようございます~といってもお昼っすけどね~」

 昨晩はおたのしみでしたね。と言われて、言葉に詰まる。

「あはは。まっか。かわいい~」
「っ…な、んで、髪」
「あ~これ?ん~細かい説明は~スタンフォード様に聞いてください~染めてた物を落としただけっすから」
「こんなに綺麗な色なのに…染めていたの?」
「あはっ!大っぴらには見せられないんすよね~そこらへんもスタンフォード様に聞いてください~」

 めんどうなんで。と言うけど…いいのかそれで。立場的にはスタンフォードの方が上だろうに。

「食事、これからっすよね。どうします?奥様が作るんすか?」
「うん。今日は…作ってもいい?」

 そういうと、異世界の料理楽しみっす!と言われて、なんか…後輩ができたみたいで楽しくなってきた。

 料理は、ささっとできるチャーハンにした。異世界の料理かって言われるとちょっと違うとは思うけれど、手軽にできるしね。途中でスタンフォードを呼んでもらって、三人で食べた。二人とも無言で口にしてたから、静かな食事だったけど。
 食後に、シルヴさんがお茶を入れてくれて、それを飲みながらスタンフォードが説明してくれたけど…シルヴさんはその間に食材を調べるのだと言って、キッチンをうろうろしてる。自由だな…城での態度と全く違うな…

 シルヴさんの髪の色に関しては、守り人という王族を守る一族で、髪には守った分だけその人の瞳の色が出て、背中には守って、奪った命の数だけ模様がでるらしい。背中は服で見えないからいいとして、髪は誰を守っているのかが分かってしまう可能性があるから…だから、染めているのだと言う。

「じゃあ…あの髪、スタンフォードの、色?」
「…そうだな。あそこまでとは思わなかったんだが…」

 確かに、色はスタンフォードの目の色かな。腰まで伸びた髪。その毛先がすこーしだけ黒くなっていた。という事は、それだけ守っているという事で。

「…貞操の危機、だっけ?」
「男の貞操ってなんだっていう話なんだが」
「…種ばらまけって言う事なら、ある意味推奨よね」
「俺の意志は無視でか」
「私の意志も無視しましたよね」
「すまん…」

 スタンフォードは、この件に関しては…弱い。

「あははっ!スタンフォード様、尻に敷かれてるっすね~」
「うるさい、黙れ」
「大丈夫っすよ~夜は絶対スタンフォード様が勝ちますからぁ~」

 うぐっ…というか…勝つとか負けるとかの問題なの!?

「一応~俺の子供をつけるのが通例っすけどぉ~何人くらい仕込む予定っすか~」
「…さあ、な」
「うわ、行き当たりばったりとか止めてくださいね~俺、当主程命中率高くないんでぇ~数こなすのも面倒っすし」
「面倒ってお前…」
「俺は2、3回打てばへたりますんでぇ~一緒にしないで欲しいっすね~」

 …夜の話、だよね、これ。乳母兄弟とはいえ…男同士の話って、こんなものなのかな…

「あ。奥様まっか~ほんとかぁわいいですねぇ~」
「やらんぞ」
「だぁいじょうぶですって~俺もこんな反応してくれる子が欲しいっすね~」
「探せ。今すぐに。当分猶予をくれてやる。すでに胎に子がいるんだぞ」
「うわぁ。そうだった…でも~街まで遠いじゃないっすか」
「転移使わせてやる」
「やった!じゃあ朝には戻りますんで~」

 なんかもう、いいのかなこれで。と、遠い目をするしかなかった。
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