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第六章:あれ。雰囲気変わった?

とりあえずは上手くいった…かな?

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 いやー魔術ってほんと便利~
 だって、スタンフォードにある意味泣き落としの様な状態で、キッチンを整えてもらう事に成功したんだけれども…水道とか見あたらなかったのに、言ったらあっという間に作ってくれたし。コンロも、なんていうのかな。昔の窯みたいな感じだったのに、IHまではいかなくても、ガスコンロっぽくしてくれて、ちゃんとパン焼きオーブンというか、石窯も作ってくれた。流石に石窯でパンを焼く技術はないから…教わるかなぁと考えていたら、謎知識来たよ…便利すぎる…
 まあ、流石に食器とかは買いに出かけたいのだと言って、スタンフォードと街に来たけれども。食材や調味料なんかも好きなだけ買っていいって。
 お金の事も軽く教えられたけど…謎知識が補完してくれるから、一人でも大丈夫そうで安心した。
 今後の事も考えると、一人で買い物してもいいって言われたし。その為に、郊外の屋敷を使えるようにして、と言っても魔術ですぐ綺麗にされたけど…その屋敷の一部屋を転移の為の部屋にしてくれた。
 転移の方法は、石像というか、石の台座みたいなものが立ってて、そこに手を当てるだけで転移してくれるそうで。一応範囲が決まっていて、範囲内なら荷物も一緒に転移してくれるんだって。すっごい便利。
 そうは言っても、持てる荷物の量には限りがあるからね。まあ…スタンフォードはそういうの、まるっと無視して浮かせて運ぶかそもそもその都度転移させたりとかしてますけど。生き物でないなら転移も苦ではないそうで。

「…これはなんだ?」

 で。作った料理を出してみれば、そう聞かれた。ハンバーグなんてこの世界にはないだろう!謎知識にも聞いてみたけどないという回答だったから!
 流石にデミグラスソースというモノはないし、作るには材料が分からないとなんともできないんだけど…材料分かってたとしても、この世界の材料のどれに当たるのかまではわからないんだよね。それは謎知識も駄目みたいで、回答が得られないんだよ…
 でも、しょうゆに近いものはあったから、なんとかなった!和風ハンバーグっぽくしてみました!大根ほど辛くないけど、近い野菜もあったしね。

「ハンバーグよ。日本、というか、私の世界で結構一般的な肉…料理、かな」

 私の食べる分ももちろん作った。味見はしたけど…早く食べたい。でも、流石にスタンフォードより先に手をつけるのはためらわれて、食べるのを待った。
 …ん、だけど…

「…あの、どう、です?」

 一口食べたから、何か言うかと思ったけど…なんか…黙って食べてるけど。えっと…これはおいしいということでいい…ん、だよね…声かけたけど、ちらりと目線だけよこして食べてるし。うんとかすんとか言え!
 パンは流石に焼く時間、というか発酵の時間が足りないと思って、砂糖を入れないパンケーキの様な物を焼いた。一応この世界ではそういうものもあるみたいだから。そのパンも、ハンバーグと一緒に消費されて…

「…うまかった」

 全部平らげると、それだけ言って出て行ってしまう。
 もうちょっとこう、さあ…とは思うけれども…ひとまずは、よしとしよう。ほら、なんていうの。駄目だったら、怖い事になるわけだし。
 
 なんだかもやもやしつつ、自分用に作ったものを食べて、魔術で綺麗に後片付けをした。ちゃんとおいしくできてたから、満足満足。

 で、だ。夕ご飯だったんだけど…片付け終わって、いつもの言いつけの時間までまだあるから、明日の朝の為に何か仕込んでおこうかなと思ったら…あの感覚がきて、うわぁ…ってなった。昨晩、というか、城から戻ってきてさんざん…何日してたのか分からないけど、したのに、うそでしょ!?と。

 部屋まで行けば…シャワーを浴びたのか、水も滴るイイ男がいましたよ。ちゃんと髭まで剃って王子様バージョンでしたよ。

「そういえば、その口で頬張る顔、まだ見てなかったと思ってな…銜えろ」

 ちょ、お前…最低だな、ほんと。そう思うけど…するりと魔力線が伸びて来るし…相変わらず心の中で罵詈雑言ですけどね。
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