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第四章:結婚する為に城へ行きます

結婚式への準備の為に、城へ向かいます

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「おい、起きろ」

 そんな声で起こされたら…王子様がいた。夢かな…王子様に起こされるゆめ…ああ、いい…いいわぁ…

「…なに呆けてやがる。ほら、起きろ」
「…おうじさまがしゃべってる…」
「ん?…ああ、王子だぞ。うれしいか?」
「…うれしい…」
「ほら、いつまで寝ぼけてる。起きろ…ユウ、俺のお姫様?」

 うわーうわーなにそれなにそれかっこいい、きらきらしてるすごーい、王子様が目の前にいる~~~

「…いい加減に起きないと、強制的に起こすぞ」
「あ、はい、起きます。ごめんなさい」

 強制的に、で、思い出して慌てて起きた。やばい、目の前にいるきらきらしい王子様は、私のご主人様だった…!
 いや、だってさ…白地に金のボタンが付いた…飾りとかバッジとかもついてて本当に王子様なんだよ!髭まで綺麗に剃られてて、髪も綺麗にまとめられてて、初めて見たよそんな顔!あ。そういえば、髪は伸びっぱなしだけど、ちゃんと櫛をいれて結わけば、ちょっとセミロングなまとめ髪なんだよね。…少し結わけない長さの髪が、逆に色っぽい…狙ってるのかソレ!?
 …はぁ~…ほんと、王子なんだよ…いや、身分的にも王子でしたね。

 手早く、というか…服は、目の前の王子様が手を振るだけで、綺麗なドレスに変わりましたよ…薄紫色のロングドレス。ああ、はい、あなたの目の色ってやつですね。了解。そう、この男の目の色は、紫というか、水色というか…その中間色なのよね。

「…注意点は、覚えてるな?ずいぶんヨがってたが」
「~~~~~~覚えてます」

 一言余計なのよ!くっそう、にやにや笑うな!その顔で!

「それと…忘れていたが、俺とお前はまだ清い仲、だ。分かったな」
「…処女膜とか調べられないの?」
「………ああ、こっちの世界では体のつくりが違うんだろうな。調べて分かるものではないから安心しろ」

 いいのかそれで…言い張るだけでOKじゃないかそんなもの。まあ、なにか聞かれてもわかりませんでとおせばいか。

「城には俺の魔術で行く。庭で展開するから、来い」
「はい。って…そういえば、話し方、どうします?」

 そう、話し方。まあ、結構今はちゃんぽんだけど。敬語で話したりタメ口だったりする。それで文句は言われたことないし。金切り声だけは、怒られるけどね。

「話し方?どうでもいいぞ。記憶喪失だからな」
「なんと便利な」
「そもそも俺は気にしない質だ」
「………」
「…女の金切り声は、駄目だ。あれは、本当に駄目だ。うるさくてかなわん」

 じとーっと見れば、なんだか言い訳を始めましたよ…
 そんなこんなで、庭にでました。きちんと靴まで用意されてましたよ。ヒールが。久しぶりにヒールのある靴はいたなぁ。
 そうして…庭に出て少し歩く。と、腰を抱かれてびっくりした。

「ほら、捕まれ。そのほうが、らしくていい」
「う、うん…」
「…なんだ、照れてるのか。意外な所で初心だなお前」
「う…」

 だって、腰を抱かれて、しかもその…背中に手をまわして抱き着くなんて、久しくしてないというか、いやそれより顔が近いんだよ!イケメンの顔が!

「…城に飛ぶぞ。そのままで目を閉じていろ」

 言われるままに、目を閉じた。そっと、頭をその胸に引き寄せられて、どきっとしてしまう。と、同時に…閉じている目でもわかるくらいにまぶしい光があふれて---
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