52 / 88
あてのない旅…それって放浪じゃん
しおりを挟む
というわけでハロルドに皇帝の座を押し付けて、ぼくらはとっとと帝国領から逃げ出した。帝国再建の手伝いなんかさせられるのはごめんだからね。
「しっかしあのふたり、幸せそうだったわねー」
「そうか?」
まあハロルド王子は降ってわいた災難みたいな顔してたけど、メリアン姫がテキパキといろいろとやってたから、意外にうまくいくんじゃないかな。ガザン王国がこれからどうなるかとか、リスタリアがどうなるかとかはぼくのあずかり知らぬことだ。とにかくお幸せにと祈るしかない。
「じゃあこれからも頑張ってね、デリア」
「なんでそうなる?なんでぼくが頑張るんだ?」
「だってあんたは皇帝の座を蹴ったのよ?それに見合ったことはしないと」
皇帝に見合うったって…どんな事ぼくにさせようとしてるんだ?この子…。
「とりあえず町を探しましょう。そこで服を買わなくっちゃ」
「この前買ったばかりだろう!それに帝都でもしこたま買ったんじゃないか。荷台が狭いってミローネたちが怒ってんぞ」
そういうやつらは荷台でいびきをかいて寝ている。腹いっぱい食ったんで眠いのだ。こんにゃろ。
「馬車なんか買い足せばいいでしょ?お金あるんだし」
「そうだけど、これ以上おかしな行列は増やしたくないな」
そう言ってぼくは後ろを見た。荷馬車の後ろには甲冑を着た兵が連なっている…。
夕べ泊まった帝都の高級宿で今後の身の振り方をみんなで話し合った。ハロルドとメリアンは帝国の皇帝と皇后になるしかなかった。もちろんハロルドはいまだに事情を呑み込めていない。まあいいけど。財宝はもう身代金が要らなくなったのでみんなで分けた。
ジークのオッサンとポーリンはあのダンジョンの町で暮らすという。雑貨屋を大きくするんだそうだ。きっと大きな庭と出窓とキッチンを作るだろう。
兄さんたちはリスタリアに帰る。報告があるのだし、兄さんはあの国の貴族だからね。ぼくも帰ろうと誘われたが、なんか窮屈そうなんで断った。今朝、みんなとサヨナラしたんだ。そうしてぼくとラフレシアと、精霊のミローネ、死霊使いのネクロ、ベビードラゴンのリヴァちゃんがこうしてまたぼくの愛馬『馬』に牽かれた荷馬車で旅をしているってわけだ。
「きみはリスタリアに帰らなくていいのか?」
ぼくは馭者台のとなりでお菓子を食べているラフレシアにそう聞いた。
「なんで?帰ってほしいの?いやよ。絶対いや。なんであたしが帰んなくちゃなんないの?」
「いやそう頑なに否定とかしないで。べつに帰ってほしいって言ってんじゃなくて、お父さんとか心配しないかと思って」
ぼくがそう言うと、お菓子を食べてる手を止めてラフレシアはまっすぐにぼくを見た。
「お父さんには申し訳ないと思ってる。でもこれはわたしが決めたこと。それは誰よりも理解してくれているわ。要はあたしが幸せになることが大事だってこと」
「幸せ…かあ…」
ラフレシアをぼくが幸せにしなくちゃならないの?それこそ気が重い。ニートは孤独で生きるのが幸せなのに。
「それにあたし…」
「それに何?」
「ねえ、魔素病って知ってる?」
「魔素病?なにそれ」
「ううん、いいの」
「え?なんで」
「なんでもない。忘れて」
「そうは言っても…」
一瞬、ラフレシアは思いつめた顔をした。なんなんだ?
「あーあ、幸せかあ」
「はあ」
ラフレシアはまた笑ってぼくを見た。
「だから服はいっぱい買わなくちゃね」
「あっそう…」
こいつもポンコツだった。忘れてた。でも肝心な時にぼくを助けてくれる。なんなんだろう?
「しっかしガチャガチャうるさいわねー」
ラフレシアがまたお菓子を食べながら後ろの行列に振り向いた。死霊や魔物たちに帝都で買った甲冑を無理やり着せているのだ。あんな姿の者たちをぞろぞろ引き連れているわけにはいかない。それこそいたるところで戦争を引き起こしてしまう。それこそ人間と魔物の戦争になる。またあの大天使が降臨して来るかもしれない。冗談じゃない。
「さすがにしょうがないよ。まだ荷馬車に積めないぐらい金銀財宝があるんだからね。それにあの格好させたらもう盗賊に絡まれたりしないでしょ?」
「死霊の方が絡まれないと思うけど」
そうしたら人間族からも絡まれなくなりますよ!町に入って服も買えませんよ!
「それより今度はどこへ行くの?やっぱこうなると魔物退治よね、冒険者としては。兵も沢山いるし」
誰が冒険者だ?そんなものになるつもりはないぞ。過酷な旅や戦いしなきゃならないような特殊労働者なんかになりたくないし、だいいち魔物に魔物退治やらせんのか?なんていう鬼畜な考え方してんだ、こいつ。
「どこか魔窟とかないかなー?魔物の森でも沼でもいいけど」
「それならいいとこがあるわよ」
ミローネが起き出し、目をこすりながらそう言った。ラフレシアからお菓子をもらっている。まだ食うんか、この子。
「どんなとこ?何がいるの?」
「やめてラフレシア。何が悲しくて魔物退治なんかしなくちゃなんないのさ。ぼくらは平和に仲良く暮らしたいのです」
「ずっと西のはずれに腐れ沼というところがあって、そこに悪い魔女が棲んでいるわ」
ツッコミどころの多い話だな。腐れ沼?悪い魔女?魔女って悪いって決まってんですけど。ていうかミローネぼくの話聞いてないよね。
「じゃあ退治しに行く?」
「行きません。却下です!頼まれもしないのにそんなとこに行くおバカさんはいません」
「それがいいわ。なんたってあいつは最悪の魔女よ。強力な魔法を使うし性格も悪い。おまけにすごいブス」
はい決定!進路は東!
「んねえデリア、なんか来るよ?」
ネクロが起きてきておかしなことを言う。
「え?何が来るって?」
辺りを見回したがそれらしいものはいない。
「パパ…変なもの、来るよ」
「リヴァちゃんまで…なんだろうな」
それはすぐわかった。空から何かが降りてきたのだ。また大天使?いや違う…あれって…?
「ニャンコだー!」
リヴァちゃんが嬉しそうに叫んだけど、それ違うような気がする。どう見てもトラだ。でかいトラだ。すんごい太長い牙が二本、うわ顎から生えている。もといた世界の本で見たことがある。マンモスのいる時代のあいつだ。サーベルタイガーそっくりだ。しかも翼がある?なんだあいつは。魔物、なのか?
「リヴァちゃん落ち着いて。あれはニャンコではありません。きっと魔物です」
「あれ魔物じゃないわね」
「知ってるの、ミローネ」
「剣歯虎って精霊界じゃ呼ばれてるわ。精霊の一種で、もっぱらお使い用ね」
どんなお使いなんだ。あんなので大根買いに来たら店主たまげるぞ。
「そこの人間、とまれ」
しゃべった。ぼくがたまげた。
「しっかしあのふたり、幸せそうだったわねー」
「そうか?」
まあハロルド王子は降ってわいた災難みたいな顔してたけど、メリアン姫がテキパキといろいろとやってたから、意外にうまくいくんじゃないかな。ガザン王国がこれからどうなるかとか、リスタリアがどうなるかとかはぼくのあずかり知らぬことだ。とにかくお幸せにと祈るしかない。
「じゃあこれからも頑張ってね、デリア」
「なんでそうなる?なんでぼくが頑張るんだ?」
「だってあんたは皇帝の座を蹴ったのよ?それに見合ったことはしないと」
皇帝に見合うったって…どんな事ぼくにさせようとしてるんだ?この子…。
「とりあえず町を探しましょう。そこで服を買わなくっちゃ」
「この前買ったばかりだろう!それに帝都でもしこたま買ったんじゃないか。荷台が狭いってミローネたちが怒ってんぞ」
そういうやつらは荷台でいびきをかいて寝ている。腹いっぱい食ったんで眠いのだ。こんにゃろ。
「馬車なんか買い足せばいいでしょ?お金あるんだし」
「そうだけど、これ以上おかしな行列は増やしたくないな」
そう言ってぼくは後ろを見た。荷馬車の後ろには甲冑を着た兵が連なっている…。
夕べ泊まった帝都の高級宿で今後の身の振り方をみんなで話し合った。ハロルドとメリアンは帝国の皇帝と皇后になるしかなかった。もちろんハロルドはいまだに事情を呑み込めていない。まあいいけど。財宝はもう身代金が要らなくなったのでみんなで分けた。
ジークのオッサンとポーリンはあのダンジョンの町で暮らすという。雑貨屋を大きくするんだそうだ。きっと大きな庭と出窓とキッチンを作るだろう。
兄さんたちはリスタリアに帰る。報告があるのだし、兄さんはあの国の貴族だからね。ぼくも帰ろうと誘われたが、なんか窮屈そうなんで断った。今朝、みんなとサヨナラしたんだ。そうしてぼくとラフレシアと、精霊のミローネ、死霊使いのネクロ、ベビードラゴンのリヴァちゃんがこうしてまたぼくの愛馬『馬』に牽かれた荷馬車で旅をしているってわけだ。
「きみはリスタリアに帰らなくていいのか?」
ぼくは馭者台のとなりでお菓子を食べているラフレシアにそう聞いた。
「なんで?帰ってほしいの?いやよ。絶対いや。なんであたしが帰んなくちゃなんないの?」
「いやそう頑なに否定とかしないで。べつに帰ってほしいって言ってんじゃなくて、お父さんとか心配しないかと思って」
ぼくがそう言うと、お菓子を食べてる手を止めてラフレシアはまっすぐにぼくを見た。
「お父さんには申し訳ないと思ってる。でもこれはわたしが決めたこと。それは誰よりも理解してくれているわ。要はあたしが幸せになることが大事だってこと」
「幸せ…かあ…」
ラフレシアをぼくが幸せにしなくちゃならないの?それこそ気が重い。ニートは孤独で生きるのが幸せなのに。
「それにあたし…」
「それに何?」
「ねえ、魔素病って知ってる?」
「魔素病?なにそれ」
「ううん、いいの」
「え?なんで」
「なんでもない。忘れて」
「そうは言っても…」
一瞬、ラフレシアは思いつめた顔をした。なんなんだ?
「あーあ、幸せかあ」
「はあ」
ラフレシアはまた笑ってぼくを見た。
「だから服はいっぱい買わなくちゃね」
「あっそう…」
こいつもポンコツだった。忘れてた。でも肝心な時にぼくを助けてくれる。なんなんだろう?
「しっかしガチャガチャうるさいわねー」
ラフレシアがまたお菓子を食べながら後ろの行列に振り向いた。死霊や魔物たちに帝都で買った甲冑を無理やり着せているのだ。あんな姿の者たちをぞろぞろ引き連れているわけにはいかない。それこそいたるところで戦争を引き起こしてしまう。それこそ人間と魔物の戦争になる。またあの大天使が降臨して来るかもしれない。冗談じゃない。
「さすがにしょうがないよ。まだ荷馬車に積めないぐらい金銀財宝があるんだからね。それにあの格好させたらもう盗賊に絡まれたりしないでしょ?」
「死霊の方が絡まれないと思うけど」
そうしたら人間族からも絡まれなくなりますよ!町に入って服も買えませんよ!
「それより今度はどこへ行くの?やっぱこうなると魔物退治よね、冒険者としては。兵も沢山いるし」
誰が冒険者だ?そんなものになるつもりはないぞ。過酷な旅や戦いしなきゃならないような特殊労働者なんかになりたくないし、だいいち魔物に魔物退治やらせんのか?なんていう鬼畜な考え方してんだ、こいつ。
「どこか魔窟とかないかなー?魔物の森でも沼でもいいけど」
「それならいいとこがあるわよ」
ミローネが起き出し、目をこすりながらそう言った。ラフレシアからお菓子をもらっている。まだ食うんか、この子。
「どんなとこ?何がいるの?」
「やめてラフレシア。何が悲しくて魔物退治なんかしなくちゃなんないのさ。ぼくらは平和に仲良く暮らしたいのです」
「ずっと西のはずれに腐れ沼というところがあって、そこに悪い魔女が棲んでいるわ」
ツッコミどころの多い話だな。腐れ沼?悪い魔女?魔女って悪いって決まってんですけど。ていうかミローネぼくの話聞いてないよね。
「じゃあ退治しに行く?」
「行きません。却下です!頼まれもしないのにそんなとこに行くおバカさんはいません」
「それがいいわ。なんたってあいつは最悪の魔女よ。強力な魔法を使うし性格も悪い。おまけにすごいブス」
はい決定!進路は東!
「んねえデリア、なんか来るよ?」
ネクロが起きてきておかしなことを言う。
「え?何が来るって?」
辺りを見回したがそれらしいものはいない。
「パパ…変なもの、来るよ」
「リヴァちゃんまで…なんだろうな」
それはすぐわかった。空から何かが降りてきたのだ。また大天使?いや違う…あれって…?
「ニャンコだー!」
リヴァちゃんが嬉しそうに叫んだけど、それ違うような気がする。どう見てもトラだ。でかいトラだ。すんごい太長い牙が二本、うわ顎から生えている。もといた世界の本で見たことがある。マンモスのいる時代のあいつだ。サーベルタイガーそっくりだ。しかも翼がある?なんだあいつは。魔物、なのか?
「リヴァちゃん落ち着いて。あれはニャンコではありません。きっと魔物です」
「あれ魔物じゃないわね」
「知ってるの、ミローネ」
「剣歯虎って精霊界じゃ呼ばれてるわ。精霊の一種で、もっぱらお使い用ね」
どんなお使いなんだ。あんなので大根買いに来たら店主たまげるぞ。
「そこの人間、とまれ」
しゃべった。ぼくがたまげた。
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる