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70 試された王子
しおりを挟む王子は苦渋の表情でぼくを見つめていた。
「よくぞ話してくれた。これでぼくも心おきなくきみらを殺せる。いやー、ただの野盗だったらつまらんなあと思ってたからね」
「おいおい、そう来るか?それって違うだろ?わたしが命をかけこの西側諸国を取ってお前にやると言っているんだぞ?おまえはそれが目的じゃないのか?」
ジェノスがすうっと入って来た。ありゃあ、殺気丸出しだ。
「おまえはマティムの話を聞いてなかったのか?マティムはこの西側のなにものも欲してはいない。いていいものか、そうではないものか、それを決めに来たのだ」
「お前らは神を気取るつもりか!」
「神などいない。それはわれらの心うちにあるだけで、自らの善と悪の裁定者、というほどの定義でしかない。だがマティムはそのどちらでもない」
「善とも悪ともちがう、と?」
「さあな。そのどちらもということもある」
「バカにするな!そんなものが存在していいわけないだろ!ましてすべての人間を滅ぼしていい権利などおまえらにはない!」
まあそこまでだね。こいつの限界みたいだ。いやあ、なんか時間食っちゃったなあ。こんなところでおかしなやつに出会っちゃったのは、こりゃもうぼくの不徳の致すところだね。妹は頑張っているのに申し訳ない。
「ではそういうわけでみなさん死にます」
「おいおいおい、そうじゃないだろ!話を聞け!」
「まだなにか?」
「ああわかった。もうごたくはいい。三日だ」
「三日?」
「わたしにこいつを…この魔族を貸してくれ」
なに言ってんだこいつ?ジェノスを貸せって?こんなの借りてどうすんだよ。
「ジェノスを?貸すとはなんか失礼だな」
「なら謝る。この魔族、いやジェノスさんに頼みたい」
「どうすんの?」
「三日でこの西側すべてをぶんどってくる。ダメか?」
「ぼくなら半日で消滅させられるけど」
「そうじゃなくて、みんなあんたにつき従わせる。こんなとこまっさらな土地にしてどうするんだ。わたしらとジェノスさんで各地の王族や貴族豪族を叩き潰す。三日もあればすべてここはあんたのものだ。そのあとどうするかはあんたが決めればいい」
悪くない提案だ。が、ジェノスを貸すのはいただけない。仮にもジェノスはぼくの友だちだ。友だちを気軽に貸し借りするほど、ぼくは気さくな性分じゃない。友だちが少なかった分、大事にしたいんだ。
「ジェノスを貸すのはやっぱりお断りだ」
「やはり、だめか…。もうこの西側は…焦土と化すの、か…」
がっくりとまた騎士は首を垂れた。よくまあ何回もそんなことできるなあ。首、折れちゃわないかなあ。
「ジェノスは貸さないと言ったんだ。だがぼくが行こう」
「はあ?」
「ジェノスのかわりにぼくが行こうじゃないか」
「な、なんだって?いいのか、それ」
「べつにいいよ。でももし三日たってもこの西側がきみの手に入らないときは…」
「ああ…抹殺でも焦土でもしてくれ」
「よく言った。期待してるよ」
ぼくがそう言うと騎士は喜色を浮かべた。そして次に首を傾げた。
「いやなんで気が変わった?」
「紋章だよ」
「紋章?」
「きみの鎧の紋章。アブリアント王家…かつてこの国を治めていた王家の紋章だろ、それ?」
「ああ、そうだが…あっ!はなっから…」
「正解!最初からそうするつもりだったんだ。それできみを探してたんだよ。王子がまだ生き延びてここら辺にいるとね。もう何万と使い魔を放っているからね、この地に。すぐに見つかった」
「そ、そんな…」
「思惑どうりきみが絡んで来てくれて、あとはこのざま。そしてほんと、ぼくの思ったとおりになった。いやあ、チョロかったなあ」
「あー、そういうこと。なんか勿体ぶって、やれ善悪とか大層なこと並べてたけど…それってつまり…」
「そう。きみを試したんだ。こいつ使えるかなって」
騎士は大きくため息をついた。そして心底笑っていた。
「あっははははは、なんだ笑っちゃうぜ!西側諸国随一として英邁にして秀逸、そして英雄として称されたこのわたし、エリアース・フォン・アブリアントが、こんな小僧に試された?マジで愉快だ」
「合格点には届かなかったんだが、これはかなりおまけだよ?」
「それでもいい。いや、ぜんぜんいい。さあ命令してくれ。やれ、とだけ」
「ひとつ聞いておきたい。ぼくの命令できみは目の前にいる人間を何の躊躇もなく殺せるか?」
これが最後の試験。はい、と答えたら殺す。そんなもの信用できないからだ。いいえ、といっても殺す。当然だ。そして…ときと場合によっては、と答えたらこれも殺す。そんな都合など与えられるわけないからね。
騎士は威厳をもって答えようとしている。まあ王子なんだ、もとはね。
「なら答えよう。その命令の前にわたしは躊躇なく殺す」
「ふうん、例えば?」
王子は目の前にいる自分の部下を指さした。
「こいつらはわたしと戦場をともにしてきた同胞であり、いままでともに生きてきた者たちだ。さあジェノスくん、やりたまえ。皆殺しにしろ」
「おいおい、お前がやらないのか?」
「わたしに一瞬で二百人もの人間を殺せる力も魔力もない。せいぜいその力を持っているやつの力を利用するだけだが。それじゃダメか?」
「そういうことなら構わない。ジェノス、いいよ。どうせそうするつもりだったんだから」
突風のようなものが、あたり一帯に吹いた。そして一瞬であたりは血の匂いに覆われた。
「いや、やっぱり魔族は凄いな。二百人を一瞬か…」
「ジェノスは特別な戦士だ。ほかの魔族と一緒じゃ気の毒だよ」
「そいつはおみそれした」
「それはぼくのセリフでもあるね。何の躊躇もなく部下を殺すだなんて」
王子はふっと笑った。いま自分の部下が殺されて、笑っているなど…やはりこいつも狂っているのだろうか…。
「まあ正直、葛藤はあった。だがわれわれが戦いに敗れ、その敗走の途中でなにをしてきたか。まあまわりのやつらはわたしにはわからないようにはしていたみたいだが、通る村や町ごとに徴用と称し盗み、あげく殺人や略奪をはたらき、ついには婦女子を犯しまくるに至っては、もはや看過できないところまで来ていた。こいつらは自業自得なんだよ」
「それであんたも生きのびてきたんだろう?同罪じゃないのかよ」
「ふん、同罪じゃないよ。わたしは罪をこいつらにおすべておっかぶせて殺したんだ。罪はもっとでかい。大悪人だ。だが、そうじゃないとあんたとあんたの妹には、到底仕えられないんじゃないのか?」
まあ試験はギリギリってところか。死んだやつらのなかには、自分の弟もいたようだしね。
「まあいいか。じゃあこれからよろしく、エリアースくん」
「ご期待には必ず応える」
そう言って王子はかつての同胞の死体をさびしそうに見つめた。友人もいただろうし、まして弟もいたんだ。きっと心のなかははちきれんばかりに悲しみが溢れているんだろうな。そして、そうしなければならなかった自分を、いま一生懸命責めているはずだ。
「まず最初に、何をする?」
「ここらには七つの貴族領と十の豪族領がある。そいつを全部いただく」
「それはずいぶん威勢がいいね。そんなことをして領民に文句出ないかい?」
「かまうもんか。どこもかしこも貧困に飢餓…むしろ潰してやった方が領民どもにはありがたいだろう」
「そいつはひどい話だね。潰した方がいいなんて。よっぽどここらを領有している者たちは無能なんだね」
「無能?よしてくれ。無能なものならまだましだ。強欲、欺瞞、怨嗟、確執、そして無知。飢え苦しんでいる領民から根こそぎ搾り取り、酒色の限りを尽くして、果ては領民の女子供をさらい、まさに血肉に溺れる変態もいるんだ。わが父王がいたころはそれも控えめだったのだが、そういう歯止めがなくなったら…」
そいつは地獄絵図、ですね。まさに滅ぼした方がよかろう、です。
「聞いてるだけでここらをまっさらにしたくなるなあ」
「それはさておき、まずあんたたちにやってもらいたいのは…」
こいつ、ぼくらを体よく使おうって腹だな。
「それよりまずきみが動いてくれるかな?」
「そうは言っても、さっき言ったとおりわたしは一度になん百人も殺せない」
「そんなことは求めてない。いいか、まずきみがそいつらのところへ行き、殺されるんだ」
「なんだと!それじゃ意味ないだろ?」
「まあね。だが、それがいやなら自分で何とかしなくちゃね。じゃあジェノス、送ってやって」
「お、おい待て!マティム、頼む!」
さあ王子、どうする?期限は三日。ああ、楽しいなあ。
「よくぞ話してくれた。これでぼくも心おきなくきみらを殺せる。いやー、ただの野盗だったらつまらんなあと思ってたからね」
「おいおい、そう来るか?それって違うだろ?わたしが命をかけこの西側諸国を取ってお前にやると言っているんだぞ?おまえはそれが目的じゃないのか?」
ジェノスがすうっと入って来た。ありゃあ、殺気丸出しだ。
「おまえはマティムの話を聞いてなかったのか?マティムはこの西側のなにものも欲してはいない。いていいものか、そうではないものか、それを決めに来たのだ」
「お前らは神を気取るつもりか!」
「神などいない。それはわれらの心うちにあるだけで、自らの善と悪の裁定者、というほどの定義でしかない。だがマティムはそのどちらでもない」
「善とも悪ともちがう、と?」
「さあな。そのどちらもということもある」
「バカにするな!そんなものが存在していいわけないだろ!ましてすべての人間を滅ぼしていい権利などおまえらにはない!」
まあそこまでだね。こいつの限界みたいだ。いやあ、なんか時間食っちゃったなあ。こんなところでおかしなやつに出会っちゃったのは、こりゃもうぼくの不徳の致すところだね。妹は頑張っているのに申し訳ない。
「ではそういうわけでみなさん死にます」
「おいおいおい、そうじゃないだろ!話を聞け!」
「まだなにか?」
「ああわかった。もうごたくはいい。三日だ」
「三日?」
「わたしにこいつを…この魔族を貸してくれ」
なに言ってんだこいつ?ジェノスを貸せって?こんなの借りてどうすんだよ。
「ジェノスを?貸すとはなんか失礼だな」
「なら謝る。この魔族、いやジェノスさんに頼みたい」
「どうすんの?」
「三日でこの西側すべてをぶんどってくる。ダメか?」
「ぼくなら半日で消滅させられるけど」
「そうじゃなくて、みんなあんたにつき従わせる。こんなとこまっさらな土地にしてどうするんだ。わたしらとジェノスさんで各地の王族や貴族豪族を叩き潰す。三日もあればすべてここはあんたのものだ。そのあとどうするかはあんたが決めればいい」
悪くない提案だ。が、ジェノスを貸すのはいただけない。仮にもジェノスはぼくの友だちだ。友だちを気軽に貸し借りするほど、ぼくは気さくな性分じゃない。友だちが少なかった分、大事にしたいんだ。
「ジェノスを貸すのはやっぱりお断りだ」
「やはり、だめか…。もうこの西側は…焦土と化すの、か…」
がっくりとまた騎士は首を垂れた。よくまあ何回もそんなことできるなあ。首、折れちゃわないかなあ。
「ジェノスは貸さないと言ったんだ。だがぼくが行こう」
「はあ?」
「ジェノスのかわりにぼくが行こうじゃないか」
「な、なんだって?いいのか、それ」
「べつにいいよ。でももし三日たってもこの西側がきみの手に入らないときは…」
「ああ…抹殺でも焦土でもしてくれ」
「よく言った。期待してるよ」
ぼくがそう言うと騎士は喜色を浮かべた。そして次に首を傾げた。
「いやなんで気が変わった?」
「紋章だよ」
「紋章?」
「きみの鎧の紋章。アブリアント王家…かつてこの国を治めていた王家の紋章だろ、それ?」
「ああ、そうだが…あっ!はなっから…」
「正解!最初からそうするつもりだったんだ。それできみを探してたんだよ。王子がまだ生き延びてここら辺にいるとね。もう何万と使い魔を放っているからね、この地に。すぐに見つかった」
「そ、そんな…」
「思惑どうりきみが絡んで来てくれて、あとはこのざま。そしてほんと、ぼくの思ったとおりになった。いやあ、チョロかったなあ」
「あー、そういうこと。なんか勿体ぶって、やれ善悪とか大層なこと並べてたけど…それってつまり…」
「そう。きみを試したんだ。こいつ使えるかなって」
騎士は大きくため息をついた。そして心底笑っていた。
「あっははははは、なんだ笑っちゃうぜ!西側諸国随一として英邁にして秀逸、そして英雄として称されたこのわたし、エリアース・フォン・アブリアントが、こんな小僧に試された?マジで愉快だ」
「合格点には届かなかったんだが、これはかなりおまけだよ?」
「それでもいい。いや、ぜんぜんいい。さあ命令してくれ。やれ、とだけ」
「ひとつ聞いておきたい。ぼくの命令できみは目の前にいる人間を何の躊躇もなく殺せるか?」
これが最後の試験。はい、と答えたら殺す。そんなもの信用できないからだ。いいえ、といっても殺す。当然だ。そして…ときと場合によっては、と答えたらこれも殺す。そんな都合など与えられるわけないからね。
騎士は威厳をもって答えようとしている。まあ王子なんだ、もとはね。
「なら答えよう。その命令の前にわたしは躊躇なく殺す」
「ふうん、例えば?」
王子は目の前にいる自分の部下を指さした。
「こいつらはわたしと戦場をともにしてきた同胞であり、いままでともに生きてきた者たちだ。さあジェノスくん、やりたまえ。皆殺しにしろ」
「おいおい、お前がやらないのか?」
「わたしに一瞬で二百人もの人間を殺せる力も魔力もない。せいぜいその力を持っているやつの力を利用するだけだが。それじゃダメか?」
「そういうことなら構わない。ジェノス、いいよ。どうせそうするつもりだったんだから」
突風のようなものが、あたり一帯に吹いた。そして一瞬であたりは血の匂いに覆われた。
「いや、やっぱり魔族は凄いな。二百人を一瞬か…」
「ジェノスは特別な戦士だ。ほかの魔族と一緒じゃ気の毒だよ」
「そいつはおみそれした」
「それはぼくのセリフでもあるね。何の躊躇もなく部下を殺すだなんて」
王子はふっと笑った。いま自分の部下が殺されて、笑っているなど…やはりこいつも狂っているのだろうか…。
「まあ正直、葛藤はあった。だがわれわれが戦いに敗れ、その敗走の途中でなにをしてきたか。まあまわりのやつらはわたしにはわからないようにはしていたみたいだが、通る村や町ごとに徴用と称し盗み、あげく殺人や略奪をはたらき、ついには婦女子を犯しまくるに至っては、もはや看過できないところまで来ていた。こいつらは自業自得なんだよ」
「それであんたも生きのびてきたんだろう?同罪じゃないのかよ」
「ふん、同罪じゃないよ。わたしは罪をこいつらにおすべておっかぶせて殺したんだ。罪はもっとでかい。大悪人だ。だが、そうじゃないとあんたとあんたの妹には、到底仕えられないんじゃないのか?」
まあ試験はギリギリってところか。死んだやつらのなかには、自分の弟もいたようだしね。
「まあいいか。じゃあこれからよろしく、エリアースくん」
「ご期待には必ず応える」
そう言って王子はかつての同胞の死体をさびしそうに見つめた。友人もいただろうし、まして弟もいたんだ。きっと心のなかははちきれんばかりに悲しみが溢れているんだろうな。そして、そうしなければならなかった自分を、いま一生懸命責めているはずだ。
「まず最初に、何をする?」
「ここらには七つの貴族領と十の豪族領がある。そいつを全部いただく」
「それはずいぶん威勢がいいね。そんなことをして領民に文句出ないかい?」
「かまうもんか。どこもかしこも貧困に飢餓…むしろ潰してやった方が領民どもにはありがたいだろう」
「そいつはひどい話だね。潰した方がいいなんて。よっぽどここらを領有している者たちは無能なんだね」
「無能?よしてくれ。無能なものならまだましだ。強欲、欺瞞、怨嗟、確執、そして無知。飢え苦しんでいる領民から根こそぎ搾り取り、酒色の限りを尽くして、果ては領民の女子供をさらい、まさに血肉に溺れる変態もいるんだ。わが父王がいたころはそれも控えめだったのだが、そういう歯止めがなくなったら…」
そいつは地獄絵図、ですね。まさに滅ぼした方がよかろう、です。
「聞いてるだけでここらをまっさらにしたくなるなあ」
「それはさておき、まずあんたたちにやってもらいたいのは…」
こいつ、ぼくらを体よく使おうって腹だな。
「それよりまずきみが動いてくれるかな?」
「そうは言っても、さっき言ったとおりわたしは一度になん百人も殺せない」
「そんなことは求めてない。いいか、まずきみがそいつらのところへ行き、殺されるんだ」
「なんだと!それじゃ意味ないだろ?」
「まあね。だが、それがいやなら自分で何とかしなくちゃね。じゃあジェノス、送ってやって」
「お、おい待て!マティム、頼む!」
さあ王子、どうする?期限は三日。ああ、楽しいなあ。
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