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嘉応2年(1170年)
地獄の訓練薬師兵編
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戦場において矢や刀剣によって負傷したり、行軍中に病に倒れたりするのは当然あります。
こういった傷病に対処するのが戦場の医師である薬師兵です。
そのため戸隠の修験者が持っていた薬草の知識は戦乱の際に奪い合いとなったのでした。
「矢傷は矢を受けた場所をその木や大地に押し付け抜きます。
刺さった鏃尻は手では抜けないので釘抜きがあれば、
それで抜くようにしてください。」
「傷口はあれば焼酎でなければきれいな水、それもなければ小便をかけて洗い流し、ケシの乳液を乾燥させた阿片を練りこんだ薬を当てその上に
石灰それが無ければ篩いにかけた灰を用いて、傷を厚くふさぎ晒で包みます。
すると血が止まり早く直ります。
石灰がない場合はヨモギの葉を揉み熟し、傷の上に置いて布で包んでもよいです。
血が止まったら凝血を取った後、傷が小さければゆで卵の生皮、大きければ卵白に油を少々加えたものを浸した布で傷口を覆い、その上を包帯で巻きます」
ヨモギにも止血作用があります。
更に腸が出た場合や腸が切れた場合の対応も教えます。
「腸が出た時の治療方法としては麦で粥を作り、その汁で腸を洗います。
それから水に浸して腸を腹に戻します。
腸がはみ出て乾きそうになり、しかも草や土が付着している場合は、薄い大麦の粥を作り、僅かに暖めて腸にそそぎ、新しく汲んだ冷水を口に含んで吹き付けると戻ります。
このとき草や土などが入らない様に厳重に注意しなければなりません。
食事は米を研いで水粥を作り食べさせ、二十日ほど経ったら硬めの粥を、百日経ったら飯を食べさせるようにしてください。
切れた腸の両端が見える時は直ぐにこれをつなぎます。
針と糸を使って決められた方法で縫合し、その後に鶏の血を繋ぎ目に塗り、はみ出さない様に腹の中に押し戻すのです。」
その他打撲傷、捻挫・脱臼・骨折・火傷・凍傷の治療方法なども教えます。
「負傷者を連れて退却するときは二本の棒に晒を等間隔に巻き担架を作って乗せ運びます。
一人しかいない場合は背負っても良いです」
また行軍時の注意も教えます
「敵地の井戸水は飲まず、川の水を飲むようにします。
敵地の井戸には、大抵は糞が沈めてあるからです。
よその土地の水は当たる事が多いので、水を一度沸騰させた後さまして飲みます。
水が濁っている場合は小石、砂、炭を重ね泥などをろ過してから煮沸します。」
「雨模様で火が得られない時でも鳥獣の肉を生で食べてはいけません、生の鳥獣には蟲が巣食っていますので。
野菜には塩を付けるか似て熱を加えます、塩は諸毒を消す力があるりますからね。
陣地を築く際は湿地を避けます、湿地では必ず病を生じますし、行動にも制限がかかります。
陣地を築く際には、常に水脈を調べます、煮炊きには水が煮炊きが必要ですから、長期の行軍の野営の食事にはニンニク、ニラ、ネギを用います」
その他病気で熱が出たときに対所法も教えます
「熱が出たときは冷やして熱を下げるのが基本です。
高熱が出てしまったときは、頭や脇、腿の付け根に冷水に浸した布を固く絞って載せ、集中的に冷やすのが効果的です。
布がぬるくなったら水に浸して固く絞って乗せ直してください」
その他薬草についても教えます。
「眼病にはメグスリノキの樹皮を樹皮をはぎ取り、日干しにし、
4匁(15g)を2合半(400ml)の水に、1/3になるまで煎じる、3回に分けて服用します。
咳止めにはヤブランの根の肥大部を掘り採り、日干しにし、1日10gを甘草2gと煎じて飲みます。
リュウマチ・神経痛・腰痛にはマタタビの果実を熱湯につけ、日干しにし、4匁(15g)を3合半(600ml)の水に、1/2になるまで煎じて、服用します。
利尿・解毒・発汗にはニワトコ花茎葉を採り、日陰で干し1日2匁半(10g)を2合半(400ml)の水で,1/2になるまで煎じ、3回に分け服用します
気管支炎・喘息にはシソの種子を、1日6~10gを400mlの水で、1/2になるまで煎じます。
下痢止めにはキンミズヒキの全草を採り、日干しにし、1日2匁半(10g)を3合(450ml)の水で、1/2になるまで煎じる、2~3回に分け、食前に飲みます。
しもやけ・やけどにはユキノシタの生の葉を貼ります。
虫さされにはアカザの生の葉の汁を塗ります。
打撲傷にはキハダの樹皮の粉末を酢または酒で練って患部に塗布し、乾いたら貼りかえます。
ひび、あかぎれにはサイハイランの乾燥した偽球茎(ぎきゅうけい)を粉末にして、患部を温湯で温めたあとに、繰り返して軽くすり込みます。
それぞれの特徴は……」
「巴様多すぎて覚えきれません……」
「薬師兵は体より知識が重要です、覚えてください」
「わ、わかりました……」
それに加えて手技、鍼灸、吸玉などのあんまの方法や負傷したものを担架や背負って運ぶ訓練もします。
「結局体力も必要じゃないですかー」
「体力が最重要でないというだけですよ」
「何か騙された気分です……」
こういった傷病に対処するのが戦場の医師である薬師兵です。
そのため戸隠の修験者が持っていた薬草の知識は戦乱の際に奪い合いとなったのでした。
「矢傷は矢を受けた場所をその木や大地に押し付け抜きます。
刺さった鏃尻は手では抜けないので釘抜きがあれば、
それで抜くようにしてください。」
「傷口はあれば焼酎でなければきれいな水、それもなければ小便をかけて洗い流し、ケシの乳液を乾燥させた阿片を練りこんだ薬を当てその上に
石灰それが無ければ篩いにかけた灰を用いて、傷を厚くふさぎ晒で包みます。
すると血が止まり早く直ります。
石灰がない場合はヨモギの葉を揉み熟し、傷の上に置いて布で包んでもよいです。
血が止まったら凝血を取った後、傷が小さければゆで卵の生皮、大きければ卵白に油を少々加えたものを浸した布で傷口を覆い、その上を包帯で巻きます」
ヨモギにも止血作用があります。
更に腸が出た場合や腸が切れた場合の対応も教えます。
「腸が出た時の治療方法としては麦で粥を作り、その汁で腸を洗います。
それから水に浸して腸を腹に戻します。
腸がはみ出て乾きそうになり、しかも草や土が付着している場合は、薄い大麦の粥を作り、僅かに暖めて腸にそそぎ、新しく汲んだ冷水を口に含んで吹き付けると戻ります。
このとき草や土などが入らない様に厳重に注意しなければなりません。
食事は米を研いで水粥を作り食べさせ、二十日ほど経ったら硬めの粥を、百日経ったら飯を食べさせるようにしてください。
切れた腸の両端が見える時は直ぐにこれをつなぎます。
針と糸を使って決められた方法で縫合し、その後に鶏の血を繋ぎ目に塗り、はみ出さない様に腹の中に押し戻すのです。」
その他打撲傷、捻挫・脱臼・骨折・火傷・凍傷の治療方法なども教えます。
「負傷者を連れて退却するときは二本の棒に晒を等間隔に巻き担架を作って乗せ運びます。
一人しかいない場合は背負っても良いです」
また行軍時の注意も教えます
「敵地の井戸水は飲まず、川の水を飲むようにします。
敵地の井戸には、大抵は糞が沈めてあるからです。
よその土地の水は当たる事が多いので、水を一度沸騰させた後さまして飲みます。
水が濁っている場合は小石、砂、炭を重ね泥などをろ過してから煮沸します。」
「雨模様で火が得られない時でも鳥獣の肉を生で食べてはいけません、生の鳥獣には蟲が巣食っていますので。
野菜には塩を付けるか似て熱を加えます、塩は諸毒を消す力があるりますからね。
陣地を築く際は湿地を避けます、湿地では必ず病を生じますし、行動にも制限がかかります。
陣地を築く際には、常に水脈を調べます、煮炊きには水が煮炊きが必要ですから、長期の行軍の野営の食事にはニンニク、ニラ、ネギを用います」
その他病気で熱が出たときに対所法も教えます
「熱が出たときは冷やして熱を下げるのが基本です。
高熱が出てしまったときは、頭や脇、腿の付け根に冷水に浸した布を固く絞って載せ、集中的に冷やすのが効果的です。
布がぬるくなったら水に浸して固く絞って乗せ直してください」
その他薬草についても教えます。
「眼病にはメグスリノキの樹皮を樹皮をはぎ取り、日干しにし、
4匁(15g)を2合半(400ml)の水に、1/3になるまで煎じる、3回に分けて服用します。
咳止めにはヤブランの根の肥大部を掘り採り、日干しにし、1日10gを甘草2gと煎じて飲みます。
リュウマチ・神経痛・腰痛にはマタタビの果実を熱湯につけ、日干しにし、4匁(15g)を3合半(600ml)の水に、1/2になるまで煎じて、服用します。
利尿・解毒・発汗にはニワトコ花茎葉を採り、日陰で干し1日2匁半(10g)を2合半(400ml)の水で,1/2になるまで煎じ、3回に分け服用します
気管支炎・喘息にはシソの種子を、1日6~10gを400mlの水で、1/2になるまで煎じます。
下痢止めにはキンミズヒキの全草を採り、日干しにし、1日2匁半(10g)を3合(450ml)の水で、1/2になるまで煎じる、2~3回に分け、食前に飲みます。
しもやけ・やけどにはユキノシタの生の葉を貼ります。
虫さされにはアカザの生の葉の汁を塗ります。
打撲傷にはキハダの樹皮の粉末を酢または酒で練って患部に塗布し、乾いたら貼りかえます。
ひび、あかぎれにはサイハイランの乾燥した偽球茎(ぎきゅうけい)を粉末にして、患部を温湯で温めたあとに、繰り返して軽くすり込みます。
それぞれの特徴は……」
「巴様多すぎて覚えきれません……」
「薬師兵は体より知識が重要です、覚えてください」
「わ、わかりました……」
それに加えて手技、鍼灸、吸玉などのあんまの方法や負傷したものを担架や背負って運ぶ訓練もします。
「結局体力も必要じゃないですかー」
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