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長寛2年(1164年)目
貴族の官位
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本日は官位についての講義を受けております。
講師は私の兄である中原兼平です。
「まず、官位とは何かわかるか?」
駒王丸は黙って首を横に振りました。
その様子を見ながら私は答えます。
「その人がどういう役目の人でどのくらい偉いかを示すものです。」
「ふむ、だいたいだがあっているな。
官位とは官職名と位階のことで、官職というのは国政を司る機関である朝廷で働く官吏の役職をしめし位階というのは地位の序列を示すものだ。
朝廷の長である帝(みかど)を頂点として政治を補佐する摂政及び関白がそれに続く摂政は元服前の天皇に代わって政務を行い,関白は成人に達した天皇の補佐をするという違いがある。
これは臣下である公家の最高位で、藤原北家九条流藤原道長の子孫の一門でしめられている。
その下が正一位もしくは従一位の太政大臣.
さらには正二位の従二位 左大臣、右大臣、内大臣となる。
大臣は基本的に藤原摂関家のごく限られた者しか任られることはない。
その下が正三位である大納言、従三位である中納言、従四位上である左大弁、右大弁、正五位上である左中弁、右中弁、正五位下である左少弁、右少弁、少納言。
従三位以上の公卿と正四位から従五位下の殿上人は、天皇の日常生活の場である清涼殿の殿上間に昇ることすなわち昇殿を許された者である。
そして六位以下五位以上では家格の見えざる壁があって、さらに四位と三位以上では高すぎる見えざる壁がある」
「しかしながら平清盛が藤原でも貴族源氏でも無いにもかかわらず、高い官位を得られたのは白河法皇の晩年の寵妃であった、祇園女御の腹から生まれたためであったと言われている。
ちなみに現在の清盛の官位は正三位大納言だな」
兄の言葉に私は聞きました。
「それはかなり偉いということですよね」
「うむ、本来であれば到底ありえなかったことだな。
それはともかくその下が正六位上の左大史、右大史、正七位上の大外記、左少史、右少史、従七位上の少外記となるが実質的な仕事を行っているのはこのあたりの位のものだ」
私はその言葉にうなずきます。
「大臣がすべて一人で仕事を行うわけではないですからね」
「更にその下にも正八位上下、大初位上下、少初位上下があり、一位から少初位の10の位階をさらに細分化しているということになるが、実際には形骸化していてそのくらいにつくもはh現在ではいないはずだ。
そして我ら中原は朝廷で代々大外記を務めたのち我が祖父兼経は
正六位下・右馬少允(に叙任され信濃にやってきた。
右馬少允とは馬寮つまり国家が保有する牧場の馬の飼育や調教を行う役職の補佐官だな」
「そして我が父木曾中三兼遠は信濃権守だな。」
「権守というのは国司つまり地方行政単位である国の行政官で、守はその一番上、介はその次ですね。」
「うむ、我らのうちの誰かが父の跡を次ぐことになるかもしれぬゆえ、覚えておいて損はない。
良いか?。」
兄がそう言った視線の先の駒王丸は完全に居眠りをしていたのでした。
「ううむ、駒王丸にはつまらぬことであったかもしれんな。」
まあ、興味が無い人にはちんぷんかんぷんでしょうね。
「でも私にはとてもためになることでした。
兄上様どうもありがとうございます。」
私はそう言って頭を下げたのでした。
講師は私の兄である中原兼平です。
「まず、官位とは何かわかるか?」
駒王丸は黙って首を横に振りました。
その様子を見ながら私は答えます。
「その人がどういう役目の人でどのくらい偉いかを示すものです。」
「ふむ、だいたいだがあっているな。
官位とは官職名と位階のことで、官職というのは国政を司る機関である朝廷で働く官吏の役職をしめし位階というのは地位の序列を示すものだ。
朝廷の長である帝(みかど)を頂点として政治を補佐する摂政及び関白がそれに続く摂政は元服前の天皇に代わって政務を行い,関白は成人に達した天皇の補佐をするという違いがある。
これは臣下である公家の最高位で、藤原北家九条流藤原道長の子孫の一門でしめられている。
その下が正一位もしくは従一位の太政大臣.
さらには正二位の従二位 左大臣、右大臣、内大臣となる。
大臣は基本的に藤原摂関家のごく限られた者しか任られることはない。
その下が正三位である大納言、従三位である中納言、従四位上である左大弁、右大弁、正五位上である左中弁、右中弁、正五位下である左少弁、右少弁、少納言。
従三位以上の公卿と正四位から従五位下の殿上人は、天皇の日常生活の場である清涼殿の殿上間に昇ることすなわち昇殿を許された者である。
そして六位以下五位以上では家格の見えざる壁があって、さらに四位と三位以上では高すぎる見えざる壁がある」
「しかしながら平清盛が藤原でも貴族源氏でも無いにもかかわらず、高い官位を得られたのは白河法皇の晩年の寵妃であった、祇園女御の腹から生まれたためであったと言われている。
ちなみに現在の清盛の官位は正三位大納言だな」
兄の言葉に私は聞きました。
「それはかなり偉いということですよね」
「うむ、本来であれば到底ありえなかったことだな。
それはともかくその下が正六位上の左大史、右大史、正七位上の大外記、左少史、右少史、従七位上の少外記となるが実質的な仕事を行っているのはこのあたりの位のものだ」
私はその言葉にうなずきます。
「大臣がすべて一人で仕事を行うわけではないですからね」
「更にその下にも正八位上下、大初位上下、少初位上下があり、一位から少初位の10の位階をさらに細分化しているということになるが、実際には形骸化していてそのくらいにつくもはh現在ではいないはずだ。
そして我ら中原は朝廷で代々大外記を務めたのち我が祖父兼経は
正六位下・右馬少允(に叙任され信濃にやってきた。
右馬少允とは馬寮つまり国家が保有する牧場の馬の飼育や調教を行う役職の補佐官だな」
「そして我が父木曾中三兼遠は信濃権守だな。」
「権守というのは国司つまり地方行政単位である国の行政官で、守はその一番上、介はその次ですね。」
「うむ、我らのうちの誰かが父の跡を次ぐことになるかもしれぬゆえ、覚えておいて損はない。
良いか?。」
兄がそう言った視線の先の駒王丸は完全に居眠りをしていたのでした。
「ううむ、駒王丸にはつまらぬことであったかもしれんな。」
まあ、興味が無い人にはちんぷんかんぷんでしょうね。
「でも私にはとてもためになることでした。
兄上様どうもありがとうございます。」
私はそう言って頭を下げたのでした。
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