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第8章
206 罠カード
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「けほ、けほっ」
「マローナさん!」
黒騎士の死によって鎖が崩れ、マローナと呼ばれた少女は解放された。
「良かった、これくらいならすぐに治せる」
「っ、私は大丈夫です」
口では大丈夫と言いつつも表情は苦しげだし、手で押さえる首には赤く痣が刻まれていた。
「大丈夫ってことはないだろ、ほら見せてくれ。これでも治癒は結構上手いんだ」
「それより、マコト様は?」
「――創造・治癒。ん、あいつも無事だよ。妹さんも怪我はなさそうだ」
リョーガが首筋に手を翳すと、痣は跡形もなく消えた。こいつ回復もできるのか。それも、その辺のヒーラーよりよっぽどレベルが高い。
ほとんど詠唱なしにここまでの術を使うのも勿論凄いんだが、あんだけ攻撃したあとにすぐ回復できるってのがヤバすぎる。普通は攻撃用と支援・回復用の魔術で器官の使い方が若干違うらしく、探索者で魔術を使うやつも大体はどっちかだけのことが多かった。
まあ迷宮の連中とかは大体できるし、魔術学院首席程度の才能があれば訓練次第でどうにかなる部分ではあるらしいってのは故アルデムの談。
こいつにもそれだけの才能があってここまでの道で訓練を積んだか、或いはその制約を丸々無視するタイプの能力なのかもしれない。創造っていうのも初めて聞くし、俺の時空魔術と同じ匂いがする。
「シエル、ナイスアシストだった」
「えっへへー、やるでしょ!」
この天使も中々だったな。最初に支援魔術を使ってからは黒騎士の視界外を動き回ってたっぽいが、ここぞってタイミングでの飛び込みが良かった。勢いを付けてるから軽めの魔術で十分足りるし、剣を吹き飛ばす方向もベストだった。
それに合わせたリョーガの動きもいい。シエルが突っ込んでくるのを知ってたんじゃないかってくらいだ。こういう連携ができるパーティは強いぞ。
「マコト様!」
「ああ、ごめん、マローナ。まさか少し離れるだけでダメだなんて……」
「どうか謝らないでください。マコト様さえ無事ならば、他はどうでも良いのです」
で、一番影薄かったのがこいつだ。お荷物枠か。流行りの追放モノなら真っ先に切られてるぜ。多分。いやまだこいつらのこと全然知らないし、ここで好き勝手言うのもアレだが。
姉妹からやたらと懐かれてるのは何なんだろうな、勇者ブランドか?
「おーい誠。この宝箱と魔法陣、解析頼む」
「わ、分かった――解析」
とはいえ、地味にこの解析とかいうのも聞いたことないんだよな。王道っぽいスキルだしかなり便利そうではあるんだが、一応珍しい部類に入るんだろう。ただガチガチの戦闘系ってわけじゃないし、俺と同じでもう一つスキル貰っててもおかしくないな。
「宝箱には……手斧が入ってるみたいだ。罠は特になさそう。魔法陣も本物だけど、これも罠ではないと思う。多分噂の転移門の一種じゃないかな」
「手斧かー……」
リョーガが箱を開けて手斧を持ち、軽く振った。微妙な表情だな。上層だが黒騎士宝箱産だし、そこそこ強いぞ。
「シエル、使うか?」
「うーん、いいや。ボクじゃ使いこなせる気がしないし、何よりリョーガが作ってくれた武器使いたいし!」
「そうか、それは任せとけ!」
チッ、イチャつきやがって。
「じゃあ手斧はここに置いてくか――」
『自動変換を実行します』
「――うわ、消えた!」
驚いたか、これが自動変換機能だ!
鉱石なんかもいらない場合は全部エルに変えられる。ガチャに使いたい場合もデータとして保存できるし、冒険者証明書をボス後のショップ端末に翳せばその確認だって可能だ。
これが結構好評でな。他にも色々やってんだぜ。ログインボーナスは結局実装してないが、一定以上レアを掴んでない探索者は優先的にレアが出るブロックに入れたりしてる。
お陰でシレンシアじゃ武器の価値が大変なことになったりしてるらしいが、まあ、悪いな。文句は俺の鍛冶スキルに言ってくれ。
「使う予定もなかったし、いいけどさ」
「自動変換ってことは、何か別のものに変わったんじゃないのかな」
「この迷宮、そして迷宮街専用の通貨があると耳にしたことがありますわ。それではなくて?」
おっ、詳しいねお嬢さん。その通りだ。
「へえ、そうなのか。じゃあここ出たら皆で美味いもんでも食おうぜ!」
「さんせーい!」
フフフ、無事に出られるかな。
欲を出して地下50階以降に踏み込んでこなければ死ぬこともないんだけどな。こいつらそもそも目的が魔王討伐、つまり俺討伐らしいし困った困った。
「で、誠。この魔法陣も罠じゃないって言ってたよな?」
「うん。解析ではおかしいところは見つからなかったし、術者の悪意みたいなものも感じられない。普通に下層に転移できるだけだと思うよ」
「じゃあ使ってみるか……これでの転移に賛成の人?」
「はいはーい! なんかワクワクするし!」
まず手を挙げたのは、リョーガとシエル。
「誠は?」
「僕は……うーん……考えてても仕方ないか。賛成するよ」
「では私達も賛成します」
「よし、じゃあ早速飛び込むとしようぜ!」
おお満場一致だ。この先の情報はまだあまり出回ってないんだが。勇気あるな。勇者ってくらいだし当然か。
つーか、そもそも事前の情報収集をそこまでやってない可能性があるな。転移門のことも調べるまで分かってなかったっぽいし。まあこっちとしては構わないんだが、初見殺し系で泣くことになっても知らんぞ。
「ふう――って、暑っつ!」
「確かに暑いねえ。もう迷宮の中なのかな?」
「――解析。うん、一応迷宮内みたいだ。でも気温が全然違う」
お、地下36階に出たか。割と当たりの方だな。そこそこ下層だし、転移先は危険の少ない場所に設定されてる。周りの溶岩のせいでとにかく暑いけどな。動いてなくても暑い。干からびるってよりは溶けるって感じだ。
そうそう、マコトもこれで分かっただろうが、あの�##��転移門には悪意の代わりにちょっとした悪戯心がこもってる。運が悪いと……例えば地下43階なんかに出るといきなりモンスターハウスだ。それも一定時間内に出ないと呼吸ができなくなる。報酬はその分豪華ではあるが。
「とりあえずここ離れようぜ。暑くてかなわん」
「そうしよう。向こうは溶岩も少なそうだ」
かかったな! 罠カード発動!
「どわあ!」
「うわぁー!」
爆発、そして崩壊する地面! 今回爆裂罠の餌食になったのは、先頭を歩いてたリョーガとシエルの二人だ。
向こう、涼しそうに見えただろ。普通の探索者ならあそこで一旦作戦を練るだろうと考えてな。この瞬間がたまらん。
「く、創造――吹風!」
リョーガが咄嗟に使った魔術で、二人とも無事に生還。あっさり戻ってきたな。まあこんなとこで死なれても困る。落下先に軽い魔術妨害の結界張ってあるエリアとかもあるから、楽しみにしとけよ。
「マローナさん!」
黒騎士の死によって鎖が崩れ、マローナと呼ばれた少女は解放された。
「良かった、これくらいならすぐに治せる」
「っ、私は大丈夫です」
口では大丈夫と言いつつも表情は苦しげだし、手で押さえる首には赤く痣が刻まれていた。
「大丈夫ってことはないだろ、ほら見せてくれ。これでも治癒は結構上手いんだ」
「それより、マコト様は?」
「――創造・治癒。ん、あいつも無事だよ。妹さんも怪我はなさそうだ」
リョーガが首筋に手を翳すと、痣は跡形もなく消えた。こいつ回復もできるのか。それも、その辺のヒーラーよりよっぽどレベルが高い。
ほとんど詠唱なしにここまでの術を使うのも勿論凄いんだが、あんだけ攻撃したあとにすぐ回復できるってのがヤバすぎる。普通は攻撃用と支援・回復用の魔術で器官の使い方が若干違うらしく、探索者で魔術を使うやつも大体はどっちかだけのことが多かった。
まあ迷宮の連中とかは大体できるし、魔術学院首席程度の才能があれば訓練次第でどうにかなる部分ではあるらしいってのは故アルデムの談。
こいつにもそれだけの才能があってここまでの道で訓練を積んだか、或いはその制約を丸々無視するタイプの能力なのかもしれない。創造っていうのも初めて聞くし、俺の時空魔術と同じ匂いがする。
「シエル、ナイスアシストだった」
「えっへへー、やるでしょ!」
この天使も中々だったな。最初に支援魔術を使ってからは黒騎士の視界外を動き回ってたっぽいが、ここぞってタイミングでの飛び込みが良かった。勢いを付けてるから軽めの魔術で十分足りるし、剣を吹き飛ばす方向もベストだった。
それに合わせたリョーガの動きもいい。シエルが突っ込んでくるのを知ってたんじゃないかってくらいだ。こういう連携ができるパーティは強いぞ。
「マコト様!」
「ああ、ごめん、マローナ。まさか少し離れるだけでダメだなんて……」
「どうか謝らないでください。マコト様さえ無事ならば、他はどうでも良いのです」
で、一番影薄かったのがこいつだ。お荷物枠か。流行りの追放モノなら真っ先に切られてるぜ。多分。いやまだこいつらのこと全然知らないし、ここで好き勝手言うのもアレだが。
姉妹からやたらと懐かれてるのは何なんだろうな、勇者ブランドか?
「おーい誠。この宝箱と魔法陣、解析頼む」
「わ、分かった――解析」
とはいえ、地味にこの解析とかいうのも聞いたことないんだよな。王道っぽいスキルだしかなり便利そうではあるんだが、一応珍しい部類に入るんだろう。ただガチガチの戦闘系ってわけじゃないし、俺と同じでもう一つスキル貰っててもおかしくないな。
「宝箱には……手斧が入ってるみたいだ。罠は特になさそう。魔法陣も本物だけど、これも罠ではないと思う。多分噂の転移門の一種じゃないかな」
「手斧かー……」
リョーガが箱を開けて手斧を持ち、軽く振った。微妙な表情だな。上層だが黒騎士宝箱産だし、そこそこ強いぞ。
「シエル、使うか?」
「うーん、いいや。ボクじゃ使いこなせる気がしないし、何よりリョーガが作ってくれた武器使いたいし!」
「そうか、それは任せとけ!」
チッ、イチャつきやがって。
「じゃあ手斧はここに置いてくか――」
『自動変換を実行します』
「――うわ、消えた!」
驚いたか、これが自動変換機能だ!
鉱石なんかもいらない場合は全部エルに変えられる。ガチャに使いたい場合もデータとして保存できるし、冒険者証明書をボス後のショップ端末に翳せばその確認だって可能だ。
これが結構好評でな。他にも色々やってんだぜ。ログインボーナスは結局実装してないが、一定以上レアを掴んでない探索者は優先的にレアが出るブロックに入れたりしてる。
お陰でシレンシアじゃ武器の価値が大変なことになったりしてるらしいが、まあ、悪いな。文句は俺の鍛冶スキルに言ってくれ。
「使う予定もなかったし、いいけどさ」
「自動変換ってことは、何か別のものに変わったんじゃないのかな」
「この迷宮、そして迷宮街専用の通貨があると耳にしたことがありますわ。それではなくて?」
おっ、詳しいねお嬢さん。その通りだ。
「へえ、そうなのか。じゃあここ出たら皆で美味いもんでも食おうぜ!」
「さんせーい!」
フフフ、無事に出られるかな。
欲を出して地下50階以降に踏み込んでこなければ死ぬこともないんだけどな。こいつらそもそも目的が魔王討伐、つまり俺討伐らしいし困った困った。
「で、誠。この魔法陣も罠じゃないって言ってたよな?」
「うん。解析ではおかしいところは見つからなかったし、術者の悪意みたいなものも感じられない。普通に下層に転移できるだけだと思うよ」
「じゃあ使ってみるか……これでの転移に賛成の人?」
「はいはーい! なんかワクワクするし!」
まず手を挙げたのは、リョーガとシエル。
「誠は?」
「僕は……うーん……考えてても仕方ないか。賛成するよ」
「では私達も賛成します」
「よし、じゃあ早速飛び込むとしようぜ!」
おお満場一致だ。この先の情報はまだあまり出回ってないんだが。勇気あるな。勇者ってくらいだし当然か。
つーか、そもそも事前の情報収集をそこまでやってない可能性があるな。転移門のことも調べるまで分かってなかったっぽいし。まあこっちとしては構わないんだが、初見殺し系で泣くことになっても知らんぞ。
「ふう――って、暑っつ!」
「確かに暑いねえ。もう迷宮の中なのかな?」
「――解析。うん、一応迷宮内みたいだ。でも気温が全然違う」
お、地下36階に出たか。割と当たりの方だな。そこそこ下層だし、転移先は危険の少ない場所に設定されてる。周りの溶岩のせいでとにかく暑いけどな。動いてなくても暑い。干からびるってよりは溶けるって感じだ。
そうそう、マコトもこれで分かっただろうが、あの�##��転移門には悪意の代わりにちょっとした悪戯心がこもってる。運が悪いと……例えば地下43階なんかに出るといきなりモンスターハウスだ。それも一定時間内に出ないと呼吸ができなくなる。報酬はその分豪華ではあるが。
「とりあえずここ離れようぜ。暑くてかなわん」
「そうしよう。向こうは溶岩も少なそうだ」
かかったな! 罠カード発動!
「どわあ!」
「うわぁー!」
爆発、そして崩壊する地面! 今回爆裂罠の餌食になったのは、先頭を歩いてたリョーガとシエルの二人だ。
向こう、涼しそうに見えただろ。普通の探索者ならあそこで一旦作戦を練るだろうと考えてな。この瞬間がたまらん。
「く、創造――吹風!」
リョーガが咄嗟に使った魔術で、二人とも無事に生還。あっさり戻ってきたな。まあこんなとこで死なれても困る。落下先に軽い魔術妨害の結界張ってあるエリアとかもあるから、楽しみにしとけよ。
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