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第7章
182 過去
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言葉通り男は帰っていった。……多分。瞬きの間に消えてたから分からないが、まあこの辺りにはいないんだろう。
こう曖昧なのも、奴の魔力を探れないからだ。奴には魔力がなかった。隠している可能性はあるが、レルアやゼーヴェでも魔力を感じ取れなかったらしいからな。それに、シルヴァの親戚ならおかしい話でもない。
「はあ……」
気分が重い。あの男がまた来るってのはまだいい。それより問題はアナ団長がこの迷宮で死んだ――殺されたってことだ。
ったく、団長なら一人くらい従者連れてこいよ。そんなに人手不足ならわざわざ迷宮まで来ないでよろしい。これじゃ俺が殺したみたいじゃねえか。嫌な奴だとは思ったが殺そうとまでは思ってない。
弁解に行こうかとも思ったが、一度シレンシアを追われた身だしな。だいたいシレンシア騎士団外では――ひょっとしたら騎士団内でも――俺は未だに犯罪者扱いされてるはずだ。俺の言い分を向こうが聞くとは思えない。
だがこのまま黙って全面戦争を受け入れるってのもな。素直に迷宮攻略してくれるならいいが、迷宮街破壊したり一般ゴースト殺しまくったりされたらたまったもんじゃない。ああ胃が痛いぜ。胃薬でも飲むか……DPショップは何でも揃ってるからな。
「マスター?」
「っと、リフェア。どうした?」
振り向くと、ノートを大事そうに抱えたリフェア。
「もうすぐ魔術講座の時間だから、呼びに来たの。……顔色悪いけど、お休みする?」
「いや、行くよ。ありがとな」
頭をわしわし撫でる。普段は30分前には移動してるし、姿がないのを心配して来てくれたんだろう。
俺が暗い顔しててどうすんだって話だよな。ただでさえ暗めの迷宮内が更に暗くなっちまう。明るく楽しく元気よくだ。
「よし、行くか!」
「うん、行こ行こ!」
週一の魔術講座は、最近は週三になってる。シルヴァが魔術に対して興味津々らしく、なんやかんやで魔術講座自体の回数を増やすことにしたとか。
数日前には、やたら張り切ったアルデムが専用の教科書みたいなのを配っていた。俺がDPで買ったノートに魔術でコピペした物らしいが、当然俺は読めない。ジョークとかも挟まってて完成度が高いとの評判なので、マジでこっちの言葉を勉強しようか迷ったりもした(自動翻訳とのズレがもとで断念したが)。
何にせよ、魔術講座の回数が増えるのは俺にとっても嬉しいことだった。一人で黙々と考え込むのもいいが、誰かと触れ合ったときに降ってくるアイデアの方が面白かったりするしな。
この前の魔法陣の講義もかなりタメになった。罠発動のギミックの参考にしたし、イヴェルの召喚の話をここにきて少し理解できたり――
「アラ、マスターさん。リフェアと一緒だったのね」
「おうラビ。珍しいな、お前も魔術講座か?」
「ええ。丁度存在解析が終わったところだったの」
向かう途中でラビに出会った。存在解析ってのは、魔力解析をもっと物質的な領域でうんたらかんたら……要はDNA鑑定みたいなものらしい。魔力の波長は家族親戚で似るって話だが、あいつもシルヴァも魔力が(読み取れ)なかったからな。こういうのに詳しそうなラビたちに頼んでたってわけだ。
「結果は?」
「これがまたおかしいのよ――全く同じだった。いくら親戚といっても同じだなんてありえないわ。私たちの方法に問題があったのかもしれないけれど」
「全く同じ、か……」
確かに妙な話だ。まあサンプルも十分とは言えない量だったが、流石に全く同じってことはないだろ。
「差は少しもなかったのか?」
「確認できる範囲では。これ以上は直接結果を見せながらの方が良さそうね」
「そうだな。後で詳しく聞かせてくれ」
何らかの関係はあるんだろうが、どうやらそのまま親戚ってわけじゃなさそうだぞ。ったく、どいつもこいつも嘘ばっかつきやがって。
「そうそうマスターさん。さっき珍しいって言っていたけど、アタシは結構魔術が好きなのよ? 知らないことも多いし、本当は毎回参加したいくらい」
「マスター、ラビに仕事させすぎ!」
「わ、悪い。仕事は後回しにしてもらっても大丈夫だぞ」
思えば最近仕事を振ることが多かったな。ラビは魔術関連に強いし、大罪とかよく分からない力にも詳しい。どうしても色々頼みたくなっちゃうんだよな。
とはいえ迷宮内には暇人も多……くはないがいる。カインとか。リフィストとか。あいつらに任せるのは不安だったりもするわけだが。
「アラ、ごめんなさい。別にマスターさんを責めているわけではないの。ただ純粋に、勘違いしているみたいだったから」
「そうだったのか、まあ普通の仕事は後回しでもいいからな。緊急性があるのは早めにお願いしたいが……」
「分かってるわよ。普段はゆっくりさせてもらっているわ。最近の仕事の山は……一つ貸しね」
そう言って笑うラビ。知らないことが多いってのは意外だったな。俺らが知らない謎魔術の使い手だし、そっちの方面はかなりのもんだと思ってたが。謙遜か?
「そういやラビが使う魔術って精霊魔術とは違うんだよな、古代の魔法に近いんだっけか? 憤怒のラステラが使ってたのも似てるよな」
「そうなのよ、よく覚えてたわね。大罪は大半がアタシの魔術――古代魔術とでも言おうかしら――を使うけれど、実はラステラちゃんに魔術を教えたのはアタシなのよ」
驚いた。まあ親しげではあったが、大罪同士って割と仲良かったりするんだな。
「ラビも大罪から教わったのか?」
「いいえ、アタシは契約者から教わったわ。昔のね」
「その契約者さんはどんな人だったの?」
リフェアが問う。ラビは、懐かしむような遠い目で語り始めた。
「リフェアと同じでいい子だったわ。素直で優しくて。その上魔術の才もあって、そして何より美しかった。だからアタシは契約を持ちかけたの。国中の人間を、全員虜にしないかって」
当時、まだバリバリ現役色欲のラビだ。どんな感じだったのか気になる。まあ俺はレルア一筋だけどな。
「彼女は最初断ったわ。既に恋をしていたのね。甘酸っぱい、若者の恋。他の男に興味はなかった。でも、だからこそ、彼女はアタシと契約することになるの」
アルデムの部屋に着いた。まだ10分前だからか、アルデム自身も来ていない。適当な椅子に腰を下ろす。
「相手は同じ村の商人の息子で、彼女の一つ上だったわ。純粋な思いを利用してしまったといえばそうなるけれど、大罪っていうのはそういう生き物なの」
まあ別にそのくらいならいいんじゃないかね。win-winだろうし。突然その辺の学生洗脳して迷宮に突っ込ませるのよりは余程優しい。
「契約の後、彼女は無事にその男と結婚、子を設けたわ。彼女たちのニールベス家は、魔術の名家として現代にも残っているわね。そのうちの一頁はアタシと彼女の物語なのよ」
ニールベス……前に誰だったかが話してた気がするな。ファルンスターク家に並ぶ魔術系の貴族だ。
「ラビは、世界を諦めちゃったの?」
「元々、アタシたちは世界を獲るのが目的ではなかったのよ。できるだけ長くこの世界で生きたかっただけなの。自らの欲を満たしながらね」
「ってことは、その子と楽しく暮らせたの?」
「ええ。温かさに満ちた毎日だったわ。でも……」
ラビはその表情を曇らせる。
「当時から大罪は――その契約者も、忌むべき存在だったの。彼女は家族を逃がして断頭台に向かったわ。ラビのせいじゃない、って言葉。今も耳に残ってる」
「そんな……」
「正真正銘、アタシの罪よ。だから大罪なの」
ラビは自嘲気味に笑う。
「アタシはもう、同じような終わりを迎えたくないのよ。リフェアは私が守ってみせるわ。何としてもね」
「わ、私も、ラビを守るわ。私は元々影の一族だし、救ってくれたラビには感謝してるの」
「アラ、ありがとう。でも無理はしないで。アタシと違って、リフェアは死んだらお終いなんだから」
そろそろ始めるかの、という言葉に前を見ると、室内はほぼ満席だった。とりあえず俺もノートを開く。
講義前の雑談にしてはハードな話題だったぜ。過去を話してくれたのは嬉しいが、今日は集中できないかもな。
こう曖昧なのも、奴の魔力を探れないからだ。奴には魔力がなかった。隠している可能性はあるが、レルアやゼーヴェでも魔力を感じ取れなかったらしいからな。それに、シルヴァの親戚ならおかしい話でもない。
「はあ……」
気分が重い。あの男がまた来るってのはまだいい。それより問題はアナ団長がこの迷宮で死んだ――殺されたってことだ。
ったく、団長なら一人くらい従者連れてこいよ。そんなに人手不足ならわざわざ迷宮まで来ないでよろしい。これじゃ俺が殺したみたいじゃねえか。嫌な奴だとは思ったが殺そうとまでは思ってない。
弁解に行こうかとも思ったが、一度シレンシアを追われた身だしな。だいたいシレンシア騎士団外では――ひょっとしたら騎士団内でも――俺は未だに犯罪者扱いされてるはずだ。俺の言い分を向こうが聞くとは思えない。
だがこのまま黙って全面戦争を受け入れるってのもな。素直に迷宮攻略してくれるならいいが、迷宮街破壊したり一般ゴースト殺しまくったりされたらたまったもんじゃない。ああ胃が痛いぜ。胃薬でも飲むか……DPショップは何でも揃ってるからな。
「マスター?」
「っと、リフェア。どうした?」
振り向くと、ノートを大事そうに抱えたリフェア。
「もうすぐ魔術講座の時間だから、呼びに来たの。……顔色悪いけど、お休みする?」
「いや、行くよ。ありがとな」
頭をわしわし撫でる。普段は30分前には移動してるし、姿がないのを心配して来てくれたんだろう。
俺が暗い顔しててどうすんだって話だよな。ただでさえ暗めの迷宮内が更に暗くなっちまう。明るく楽しく元気よくだ。
「よし、行くか!」
「うん、行こ行こ!」
週一の魔術講座は、最近は週三になってる。シルヴァが魔術に対して興味津々らしく、なんやかんやで魔術講座自体の回数を増やすことにしたとか。
数日前には、やたら張り切ったアルデムが専用の教科書みたいなのを配っていた。俺がDPで買ったノートに魔術でコピペした物らしいが、当然俺は読めない。ジョークとかも挟まってて完成度が高いとの評判なので、マジでこっちの言葉を勉強しようか迷ったりもした(自動翻訳とのズレがもとで断念したが)。
何にせよ、魔術講座の回数が増えるのは俺にとっても嬉しいことだった。一人で黙々と考え込むのもいいが、誰かと触れ合ったときに降ってくるアイデアの方が面白かったりするしな。
この前の魔法陣の講義もかなりタメになった。罠発動のギミックの参考にしたし、イヴェルの召喚の話をここにきて少し理解できたり――
「アラ、マスターさん。リフェアと一緒だったのね」
「おうラビ。珍しいな、お前も魔術講座か?」
「ええ。丁度存在解析が終わったところだったの」
向かう途中でラビに出会った。存在解析ってのは、魔力解析をもっと物質的な領域でうんたらかんたら……要はDNA鑑定みたいなものらしい。魔力の波長は家族親戚で似るって話だが、あいつもシルヴァも魔力が(読み取れ)なかったからな。こういうのに詳しそうなラビたちに頼んでたってわけだ。
「結果は?」
「これがまたおかしいのよ――全く同じだった。いくら親戚といっても同じだなんてありえないわ。私たちの方法に問題があったのかもしれないけれど」
「全く同じ、か……」
確かに妙な話だ。まあサンプルも十分とは言えない量だったが、流石に全く同じってことはないだろ。
「差は少しもなかったのか?」
「確認できる範囲では。これ以上は直接結果を見せながらの方が良さそうね」
「そうだな。後で詳しく聞かせてくれ」
何らかの関係はあるんだろうが、どうやらそのまま親戚ってわけじゃなさそうだぞ。ったく、どいつもこいつも嘘ばっかつきやがって。
「そうそうマスターさん。さっき珍しいって言っていたけど、アタシは結構魔術が好きなのよ? 知らないことも多いし、本当は毎回参加したいくらい」
「マスター、ラビに仕事させすぎ!」
「わ、悪い。仕事は後回しにしてもらっても大丈夫だぞ」
思えば最近仕事を振ることが多かったな。ラビは魔術関連に強いし、大罪とかよく分からない力にも詳しい。どうしても色々頼みたくなっちゃうんだよな。
とはいえ迷宮内には暇人も多……くはないがいる。カインとか。リフィストとか。あいつらに任せるのは不安だったりもするわけだが。
「アラ、ごめんなさい。別にマスターさんを責めているわけではないの。ただ純粋に、勘違いしているみたいだったから」
「そうだったのか、まあ普通の仕事は後回しでもいいからな。緊急性があるのは早めにお願いしたいが……」
「分かってるわよ。普段はゆっくりさせてもらっているわ。最近の仕事の山は……一つ貸しね」
そう言って笑うラビ。知らないことが多いってのは意外だったな。俺らが知らない謎魔術の使い手だし、そっちの方面はかなりのもんだと思ってたが。謙遜か?
「そういやラビが使う魔術って精霊魔術とは違うんだよな、古代の魔法に近いんだっけか? 憤怒のラステラが使ってたのも似てるよな」
「そうなのよ、よく覚えてたわね。大罪は大半がアタシの魔術――古代魔術とでも言おうかしら――を使うけれど、実はラステラちゃんに魔術を教えたのはアタシなのよ」
驚いた。まあ親しげではあったが、大罪同士って割と仲良かったりするんだな。
「ラビも大罪から教わったのか?」
「いいえ、アタシは契約者から教わったわ。昔のね」
「その契約者さんはどんな人だったの?」
リフェアが問う。ラビは、懐かしむような遠い目で語り始めた。
「リフェアと同じでいい子だったわ。素直で優しくて。その上魔術の才もあって、そして何より美しかった。だからアタシは契約を持ちかけたの。国中の人間を、全員虜にしないかって」
当時、まだバリバリ現役色欲のラビだ。どんな感じだったのか気になる。まあ俺はレルア一筋だけどな。
「彼女は最初断ったわ。既に恋をしていたのね。甘酸っぱい、若者の恋。他の男に興味はなかった。でも、だからこそ、彼女はアタシと契約することになるの」
アルデムの部屋に着いた。まだ10分前だからか、アルデム自身も来ていない。適当な椅子に腰を下ろす。
「相手は同じ村の商人の息子で、彼女の一つ上だったわ。純粋な思いを利用してしまったといえばそうなるけれど、大罪っていうのはそういう生き物なの」
まあ別にそのくらいならいいんじゃないかね。win-winだろうし。突然その辺の学生洗脳して迷宮に突っ込ませるのよりは余程優しい。
「契約の後、彼女は無事にその男と結婚、子を設けたわ。彼女たちのニールベス家は、魔術の名家として現代にも残っているわね。そのうちの一頁はアタシと彼女の物語なのよ」
ニールベス……前に誰だったかが話してた気がするな。ファルンスターク家に並ぶ魔術系の貴族だ。
「ラビは、世界を諦めちゃったの?」
「元々、アタシたちは世界を獲るのが目的ではなかったのよ。できるだけ長くこの世界で生きたかっただけなの。自らの欲を満たしながらね」
「ってことは、その子と楽しく暮らせたの?」
「ええ。温かさに満ちた毎日だったわ。でも……」
ラビはその表情を曇らせる。
「当時から大罪は――その契約者も、忌むべき存在だったの。彼女は家族を逃がして断頭台に向かったわ。ラビのせいじゃない、って言葉。今も耳に残ってる」
「そんな……」
「正真正銘、アタシの罪よ。だから大罪なの」
ラビは自嘲気味に笑う。
「アタシはもう、同じような終わりを迎えたくないのよ。リフェアは私が守ってみせるわ。何としてもね」
「わ、私も、ラビを守るわ。私は元々影の一族だし、救ってくれたラビには感謝してるの」
「アラ、ありがとう。でも無理はしないで。アタシと違って、リフェアは死んだらお終いなんだから」
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