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第3章
85 ファルンスターク
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***前半レルア視点・後半三人称視点です。***
――まずい。
これで聖騎士がマスターの正体に気付いた。魔術結晶で転移されると、追うのが難しくなる。
(……レルア様)
外にいたアイラからの念話。嫌な予感がする。
(なんでしょう)
(……獣人の聖騎士が、マスターを抱えて転移した。行き先は不明)
遅かった。こうなったらこちらもすぐに転移を使うしかない。
行き先はシレンシアで間違いないだろう。
「ゼーヴェ」
「はっ」
「留守を頼みます」
ゼーヴェの表情が険しくなった。それもそのはず――私が出ると、あの聖騎士に対して打つ手がなくなる。
しかしまだ上層。それに仮に最深部に辿り着いたとして、迷宮が破壊されることはない。
――コアの半分はマスターの中にあるのだから。
「……レルア様、ロードは私が追いましょう」
「いえ、レイスでは聖騎士に敵いません。これが最善策です」
聖魔術を数発耐えられれば御の字というところだろうか。敵は聖騎士、ただの聖浄でもかなりの威力のはずだ。
レイス以外では……影の子は指名手配、リフィスト殿は街に出たきり戻ってきていない。
「ねえ天使さん?」
「……なんでしょう?」
「多分、マスターを追うのは難しいと思うわ。凄く強い結界が張られてるもの」
――結界。どうやら影の子の言う通りのようだ。張ったのは恐らくあの聖騎士。風の魔術の応用で素因の流れを狂わせた、と。
無理やりに転移を使えばどこに出るかわからない。厄介なものを張ってくれたものだ。
「ふうむ、しかしこの分では設置型ではあるまい。術者からの魔力を断ってしまえば簡単に消せるのう」
「そうなの?」
「うむ。数秒ほど注意を引くだけで、レルア殿の転移も楽になるじゃろうて」
アルデムはこちらへ向き直り、笑う。
「儂が聖騎士の相手をしよう。魔術には少し詳しくての」
「……お爺ちゃん、大丈夫?」
「勿論じゃ。まだまだ若いのには負けてられんて」
確かにアルデムから感じる魔力は強大なものだ。あの聖騎士にも全く劣ることがない。むしろ、質で言えば確実に勝っている。
しかし、相性が最悪だ。
「アルデム、敵は熟達した聖魔術の使い手です。そのレイスの身では……」
「まあまあ、任せてくだされ。ゼーヴェ殿に教わった必殺技がありますでな」
妙に自信ありげだが、どうするか。少しリスクはあるが、地下16階を経由しなくていいというリターンは大きい。マスターならどうしただろう。
――マスターは部下を信じる方。任せろと言われたら任せる方だ。きっとアルデムを信じて、賭けに乗る。ならば私もそうするまで。
「では、聖騎士は任せました。私は先に地上へ向かいます。今後はゼーヴェの指示に従うよう」
「あ、天使さん待って! 街でマスターを探しやすいようにしておくわ」
「? 一体――」
何を、と繋げる前に悪寒が走る。見れば、自分の影が揺れて……いや、影の中で何かが蠢いていた。
「いきなり投げ込んじゃって、ごめんなさい。それは私の影の一部。天使さんの言うことを聞くように言ってあるから、マスターを探すお手伝いをしてくれるはず」
「なるほど。ありがとうございます」
試しに念じると、それだけで波打つ影は静まった。人気の少ない通りで放つのが良さそうだ。
「アルデム、武運を」
「レルア様も、戦神アルテノ様のご加護がありますよう」
聞いたことのない名前に少し驚く。過去に戦神と崇められた天使は複数知っているが、アルテノという名前は記憶になかった。信仰が神を生む例も多いため、存在しないと決めつけるのは早計だろうが。
それにしても、天使が別の神の加護を祈られるというのは面白い話だ。我が神とマスターは敵対の道を歩み始めてしまったようだし、問題はないか。
――その通り。問題はない。私はもう色彩のない情報だけの世界には戻らない。優秀なだけの上級天使は死んだ。
リフィスト殿は、最初はこの世界を知るために降りてきたらしい。私も半分は同じようなものだ。その機会が与えられたかそうでなかったか。神と袂を分かったのが、先か後かの違いなだけ。
神との接続は切れたと聞いた。他の天使が私を消しにくるかもしれない。リフィスト殿よりも酷い最期を迎えるかもしれない。しかし私はマスターについて行く。マスターに対する脅威は、私が除こう。この身の全てをもって、マスターをお守りしよう。
私が世界を知れたのは、マスターのお陰なのだから。
※ ※ ※
「――風壁」
「ほう! 今のを防ぐとはのう。やはり一筋縄ではいかないようじゃの」
死角からの、魔術名すら省略した一撃。それを防がれ、アルデムは苦笑する。
「なるほどう。やっぱり僕の予感は当たってたみたいだねえ」
「ほっほ、儂が出てくるのも想定の範囲内かの?」
「うーん、まあそんなところかなあ? ――風刃!」
「ふうむ――風壁」
飛んでくる風の刃は、先程ハルティアが使用したものと全く同じ魔術で遮られた。
「へえ、貴方も風の魔術師なんだねえ?」
「そう思うかの? ――土刃」
「――っ!!」
ハルティアは咄嗟に飛び退いた……が、土の刃をもろに食らって倒れ込む。
「っ、はあ、只者じゃないみたいだねえ」
「これでも結界に回す魔力は絶やさないか。仕方ないのう、早くも必殺技じゃ――顕現せよ、虚無を支配せし黒の王」
二人の周囲に黒い靄がかかる。突如、ハルティアが地に膝をついた。
「重い……ねえ……」
「ふむ、魔力は途切れたようじゃの。ファルンスターク家の長男ともあろう者が、この程度で音を上げるとは。些か残念じゃのう」
「どうして……僕のことを……知っているのかなあ……?」
既に片方の手も地についたハルティアは、杖に魔力を込めて叫ぶ。
「――風の精霊よ! 全てを吹き飛ばせ!」
「ほう! ――土壁」
「――大嵐!」
まさに捨て身の一撃。靄が吹き飛ぶと同時に、ハルティアは自らの術に体を切り裂かれる。
しかし、その顔には微笑が浮かんでいた。
「僕の、勝ちだねえ――聖浄!」
「――解呪」
勝利を確信した笑みは一瞬で驚愕へと変わる。ハルティアには、聖魔術が打ち消されたことが信じられなかった。聖騎士である自分の魔術が、レイスごときに。
「甘いのう、聖騎士。老いぼれなぞ、貧弱聖浄一発で十分であると?」
アルデムは、そのままの流れで杖を振る。
「聖騎士よ、耐えてみせよ――大嵐!」
「――!」
無詠唱にもかかわらず、ハルティアのそれを大きく上回る規模の嵐が吹き荒れた。
それは、まさに破壊の嵐だった。残っていた木も軒並み吹き飛び、あとには殺風景な地面のみが残される。
ハルティアは落下時の風壁で一命は取り留めたものの、既に瀕死と言える状態だった。
「その、魔術は。貴方、一体……」
「今のを耐えるとはのう。魔法は使えずとも、風の魔術に関しては悪くないようじゃの」
じゃが、とアルデムは続ける。
「うむ、やはり足りぬ。己が実力を過信しすぎじゃな。魔力を制御しただけで満足していてはならぬよ」
既に意識があるのかどうかもわからないハルティアに向かって、アルデムは容赦なく杖を向ける。
「最古の大賢者、アルデム・ファルンスタークが命ず。風よ矢となりて彼に降り注げ――風矢」
数秒に渡る風の矢の豪雨。降りやんだ後には、もう何も残ってはいなかった。
――まずい。
これで聖騎士がマスターの正体に気付いた。魔術結晶で転移されると、追うのが難しくなる。
(……レルア様)
外にいたアイラからの念話。嫌な予感がする。
(なんでしょう)
(……獣人の聖騎士が、マスターを抱えて転移した。行き先は不明)
遅かった。こうなったらこちらもすぐに転移を使うしかない。
行き先はシレンシアで間違いないだろう。
「ゼーヴェ」
「はっ」
「留守を頼みます」
ゼーヴェの表情が険しくなった。それもそのはず――私が出ると、あの聖騎士に対して打つ手がなくなる。
しかしまだ上層。それに仮に最深部に辿り着いたとして、迷宮が破壊されることはない。
――コアの半分はマスターの中にあるのだから。
「……レルア様、ロードは私が追いましょう」
「いえ、レイスでは聖騎士に敵いません。これが最善策です」
聖魔術を数発耐えられれば御の字というところだろうか。敵は聖騎士、ただの聖浄でもかなりの威力のはずだ。
レイス以外では……影の子は指名手配、リフィスト殿は街に出たきり戻ってきていない。
「ねえ天使さん?」
「……なんでしょう?」
「多分、マスターを追うのは難しいと思うわ。凄く強い結界が張られてるもの」
――結界。どうやら影の子の言う通りのようだ。張ったのは恐らくあの聖騎士。風の魔術の応用で素因の流れを狂わせた、と。
無理やりに転移を使えばどこに出るかわからない。厄介なものを張ってくれたものだ。
「ふうむ、しかしこの分では設置型ではあるまい。術者からの魔力を断ってしまえば簡単に消せるのう」
「そうなの?」
「うむ。数秒ほど注意を引くだけで、レルア殿の転移も楽になるじゃろうて」
アルデムはこちらへ向き直り、笑う。
「儂が聖騎士の相手をしよう。魔術には少し詳しくての」
「……お爺ちゃん、大丈夫?」
「勿論じゃ。まだまだ若いのには負けてられんて」
確かにアルデムから感じる魔力は強大なものだ。あの聖騎士にも全く劣ることがない。むしろ、質で言えば確実に勝っている。
しかし、相性が最悪だ。
「アルデム、敵は熟達した聖魔術の使い手です。そのレイスの身では……」
「まあまあ、任せてくだされ。ゼーヴェ殿に教わった必殺技がありますでな」
妙に自信ありげだが、どうするか。少しリスクはあるが、地下16階を経由しなくていいというリターンは大きい。マスターならどうしただろう。
――マスターは部下を信じる方。任せろと言われたら任せる方だ。きっとアルデムを信じて、賭けに乗る。ならば私もそうするまで。
「では、聖騎士は任せました。私は先に地上へ向かいます。今後はゼーヴェの指示に従うよう」
「あ、天使さん待って! 街でマスターを探しやすいようにしておくわ」
「? 一体――」
何を、と繋げる前に悪寒が走る。見れば、自分の影が揺れて……いや、影の中で何かが蠢いていた。
「いきなり投げ込んじゃって、ごめんなさい。それは私の影の一部。天使さんの言うことを聞くように言ってあるから、マスターを探すお手伝いをしてくれるはず」
「なるほど。ありがとうございます」
試しに念じると、それだけで波打つ影は静まった。人気の少ない通りで放つのが良さそうだ。
「アルデム、武運を」
「レルア様も、戦神アルテノ様のご加護がありますよう」
聞いたことのない名前に少し驚く。過去に戦神と崇められた天使は複数知っているが、アルテノという名前は記憶になかった。信仰が神を生む例も多いため、存在しないと決めつけるのは早計だろうが。
それにしても、天使が別の神の加護を祈られるというのは面白い話だ。我が神とマスターは敵対の道を歩み始めてしまったようだし、問題はないか。
――その通り。問題はない。私はもう色彩のない情報だけの世界には戻らない。優秀なだけの上級天使は死んだ。
リフィスト殿は、最初はこの世界を知るために降りてきたらしい。私も半分は同じようなものだ。その機会が与えられたかそうでなかったか。神と袂を分かったのが、先か後かの違いなだけ。
神との接続は切れたと聞いた。他の天使が私を消しにくるかもしれない。リフィスト殿よりも酷い最期を迎えるかもしれない。しかし私はマスターについて行く。マスターに対する脅威は、私が除こう。この身の全てをもって、マスターをお守りしよう。
私が世界を知れたのは、マスターのお陰なのだから。
※ ※ ※
「――風壁」
「ほう! 今のを防ぐとはのう。やはり一筋縄ではいかないようじゃの」
死角からの、魔術名すら省略した一撃。それを防がれ、アルデムは苦笑する。
「なるほどう。やっぱり僕の予感は当たってたみたいだねえ」
「ほっほ、儂が出てくるのも想定の範囲内かの?」
「うーん、まあそんなところかなあ? ――風刃!」
「ふうむ――風壁」
飛んでくる風の刃は、先程ハルティアが使用したものと全く同じ魔術で遮られた。
「へえ、貴方も風の魔術師なんだねえ?」
「そう思うかの? ――土刃」
「――っ!!」
ハルティアは咄嗟に飛び退いた……が、土の刃をもろに食らって倒れ込む。
「っ、はあ、只者じゃないみたいだねえ」
「これでも結界に回す魔力は絶やさないか。仕方ないのう、早くも必殺技じゃ――顕現せよ、虚無を支配せし黒の王」
二人の周囲に黒い靄がかかる。突如、ハルティアが地に膝をついた。
「重い……ねえ……」
「ふむ、魔力は途切れたようじゃの。ファルンスターク家の長男ともあろう者が、この程度で音を上げるとは。些か残念じゃのう」
「どうして……僕のことを……知っているのかなあ……?」
既に片方の手も地についたハルティアは、杖に魔力を込めて叫ぶ。
「――風の精霊よ! 全てを吹き飛ばせ!」
「ほう! ――土壁」
「――大嵐!」
まさに捨て身の一撃。靄が吹き飛ぶと同時に、ハルティアは自らの術に体を切り裂かれる。
しかし、その顔には微笑が浮かんでいた。
「僕の、勝ちだねえ――聖浄!」
「――解呪」
勝利を確信した笑みは一瞬で驚愕へと変わる。ハルティアには、聖魔術が打ち消されたことが信じられなかった。聖騎士である自分の魔術が、レイスごときに。
「甘いのう、聖騎士。老いぼれなぞ、貧弱聖浄一発で十分であると?」
アルデムは、そのままの流れで杖を振る。
「聖騎士よ、耐えてみせよ――大嵐!」
「――!」
無詠唱にもかかわらず、ハルティアのそれを大きく上回る規模の嵐が吹き荒れた。
それは、まさに破壊の嵐だった。残っていた木も軒並み吹き飛び、あとには殺風景な地面のみが残される。
ハルティアは落下時の風壁で一命は取り留めたものの、既に瀕死と言える状態だった。
「その、魔術は。貴方、一体……」
「今のを耐えるとはのう。魔法は使えずとも、風の魔術に関しては悪くないようじゃの」
じゃが、とアルデムは続ける。
「うむ、やはり足りぬ。己が実力を過信しすぎじゃな。魔力を制御しただけで満足していてはならぬよ」
既に意識があるのかどうかもわからないハルティアに向かって、アルデムは容赦なく杖を向ける。
「最古の大賢者、アルデム・ファルンスタークが命ず。風よ矢となりて彼に降り注げ――風矢」
数秒に渡る風の矢の豪雨。降りやんだ後には、もう何も残ってはいなかった。
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