54 / 252
第2章
52 死闘
しおりを挟む
「僕らは聖騎士だよう? 人の自殺を手伝う気分じゃないんだけどなあ」
「俺だって死んでやる気はねーよ」
今の俺なら、短時間の時間操作ならいけるだろう。前回は魔術名すら言わなかったせいで魔力切れを起こしたが、元々魔力量はそこまで少なくない。
いや、わざわざこの迷宮内の全てを歪ませる必要はないか。相手を遅くしちまえばいい。聖騎士と言えど、突然俺が速くなったように見えれば動揺するはずだ。その隙に圧空で――
「どうやら本当に逃げる気はないらしいな」
「馬鹿な奴だにゃー。ま、それがきみの信念っていうなら否定はしないにゃ。せめて苦しまないように殺してあげるにゃ」
「待ってよう、殺すのは勿体ない――繋檻」
「――遅延!」
地面から生えてきた黒い半球を、その生成速度を落とすことでギリギリ躱す。地面に縫い止めるのがメインっぽいし、下に注意しとけばいいのが幸いだな。
てか俺、この戦いが終わったら解呪覚えるんだ……。多分そっちの方が楽だし消費魔力も少なくて済む。
「得意な風魔術を使えば良いものを――土鎖」
「――置換!」
問題はこっちだ。どこから飛んでくるかわからないし、遅延だと結局刺さって多分死ぬ。
だから置換でテキトーな場所に空間を繋げて無理矢理弾いてるわけだが……
「っ!」
「にゃ、避けると余計な傷が増えるにゃー?」
数瞬前まで俺の頭があった場所にユネの拳。間一髪。つーかよく躱せたな今の。運3,420さまさまだぜ。
「――遅延!」
「に――ゃ――」
遅延の効果時間はそう長くない。この間に一人は圧空の餌食にする。
ルファスよりは大嵐野郎の方が楽に狩れそうだな。
「風は加減が大変なんだよう……僕は殺す魔術しか覚えてないからさあ」
「気にせず撃てばいいだろう? どうせ今までだって打ち消されてるんだからな」
「……ああ、それもそうだねえ! じゃ、僕も本気出しちゃおうかなあ――我は風の精霊に誓う」
風が啼いた。大嵐野郎の足下に小さなつむじ風が起こる。聖騎士がそうホイホイ本気出しちゃダメだろ。
素因の共鳴具合? っつーのかな。魔力の高まりみたいなのからしても、俺の魔術じゃ太刀打ちできなそうだ。そもそも俺は戦闘が得意な勇者じゃないし。
幸い詠唱は長そうだが、周りに張られた風の障壁のせいで干渉も厳しい。
となると、必然的にルファスを圧空で行動不能まで持っていかなきゃならないわけだが。
「――閃光」
「置――っ」
ルファスの指先から光が伸びる。左肩に衝撃。昔間違ってはんだに触ったときみたいな痛みだ。咄嗟に右手で確認したが、すぐに後悔した。
血は流れていない。一滴たりとも。
だからといって傷がないわけではなかった。
恐らくだが焼けて出血がないだけだ。なんか焼肉みたいな匂いするし。指を通す勇気はなかったがやけにスースーする気がするし多分貫通してる。無理無理無理マジで無理。痛え。考えると余計痛え。
「――閃光!」
「ぬ、わ、っ」
のたうち回っている暇はない。このままだとジリ貧だ。早いとこなんとかしないとマジで死ぬ。つーか肩が痛え。嫌でもそっちに気を取られる。
「――遅延!」
ルファスに遅延をかけようにも、あっさり躱されて終わりだ。一か八かではあるが時間操作を使うか。
運3,420を舐めるなよ、運ゲーは得意なんだ。
「おのれちょこまかと――聖浄」
こいつよりにもよって右肩に撃ってきやがった。まずい、躱しきれな……
……ん? 痛くない? そういやさっき大聖浄に巻き込まれたときもノーダメだった。
今しかない。
「効かねえな――時緩、減速!」
「何――――!?」
っしゃ運ゲー成功! 見たか運の力! 運を愛し、運に愛された男! そう! この俺こそは……
「水し――」
「――解呪、にゃー」
……は?
嘘だろ、なんでもう出てこれてる? 流石に早すぎるって。
あの場で圧空を使っていれば、と悔やんでももう遅い。次はどうすればいいんだ。
「ユネ、助かった」
「このくらい朝飯前にゃー」
いや、逆にチャンスと考えるべきか。今やつらは油断しきっている。俺の腰には邪竜剣。
勿論そのままじゃ届かない。だが置換を使えば?
「厄介な術だったけど、内側から解呪を使えば案外あっさり出られたにゃ」
「ふ、どうやらハルティアの魔術を使うまでもなく終わりそうだな」
口の中がカラッカラだ。この冷や汗も痛みによるものだけじゃない。
俺がしようとしているのは人殺しだ。
剣が抜けない。自分の生死がかかっているというのに。嫌になる。
甘えは捨てないと。大丈夫大丈夫。こっちの法律なんて知らぬ存ぜぬ、正当防衛ってやつだ。殺されそうなんだから殺しても過剰防衛ではあるまい。
殺るぞすぐ殺るぞ絶対殺るぞほら殺るぞ。
「――置換!」
多くの動きは必要ない。剣を握った手を大きく引き、そして勢い良く突き出す。
俺は首の皮やら肉やらを裂く感覚を想像して目を瞑った……が。
何か固いものに当たった感覚と共に剣が弾かれた。どうして。首周りに鎧はなかったはず。
「そんな弱々しい攻撃で――殺意も碌にこもっていない攻撃で、聖騎士たる我々に刃が通るとでも?」
「そもそもうなじには厚く防御結界が張ってあるにゃー。例えぼくが本気で刺しても、少し前のめりになるくらいのやつにゃ」
「……勝ち目なんて万に一つもなかったってわけか」
「そういうことだ。それ」
ルファスの声と共に剣が引っ張られる。
「これで貴様は丸腰というわけだな」
「面白い素材だにゃー、竜種かにゃ? こんなのどこで手に入れたにゃ……」
残りの魔力は大体|強制送還__デポラシエ__#一回分。運ゲーに勝っても�##��解呪されるし何の意味もない。
「さて、最期に何か言い残すことはあるか」
最期、か。二度目の人生は短すぎた。もう一回くらい転生させてくれてもいいぞ。勿論職業は迷宮王、あとレルアも一緒にな。これはチュートリアルだったってことで。
「ちょ、ちょっと待ってよう。殺すのは勿体ないって……」
「ちっ、詠唱中に殺してしまおうと思っていたんだがな。まあいい。ユネ、ハルティアを押さえておけ」
「わかったにゃー」
ん……? ああ、やっぱりこの勝負俺の勝ちだ。
そもそもこいつらを殺す必要はなかった。
「どうやら天使は俺に微笑んだらしいな」
「リフィスト様が影の存在をお赦しになるはずがあるまい」
「ちげーよ、天使は天使でもリフィストじゃない――」
直後、あたり一面が眩い光に包まれる。
あ、もしや顔隠すためか。天使とか言っちゃったのまずかったかもしれん。
「――土鎖!」
「にゃ、この気配!」
「な、何故貴方様が……いや、違う。誰だ、一体誰なのですか!」
(マスター、この場で殺してしまっても?)
(あ……いや、待ってくれ。殺すのはよそう。これは完全に俺の我儘なんだが、レルアにも手を汚してほしくはない)
結局は自分の前で、自分のせいで、人が死ぬのが嫌なだけだ。例えそれが敵であっても。
ま、可愛い女の子を人殺しにしたくないってのがデカいけどな。魔物は良いが人は……。
(しかし、彼らはマスターを殺そうとしたのですよ)
(いいんだ。忘却だけ頼めるか)
(かしこまりました。では、そのように)
「我はミレイル。この世界の歪みを修正せし者」
「天使様あ、天使様なんでしょう!?」
「――忘却」
金属が地面に衝突する音。次いで、一行が地面にぶっ倒れる音。そういや忘却って一時的に昏倒するんだっけ。
丁度いい、シレンシアの方まで送るか。
「レルア、もう一つ頼まれてくれるか」
「なんなりと」
「こいつらを転移でシレンシアまで飛ばしてほしいんだ。地上までは俺が強制送還で送る」
「お安い御用です。地上で待機しておきますね」
「ああ、頼んだ」
レルアは転移門を踏んで地上へ向かった。さて、あとは俺が魔術――を――
あれ――意識が。ダメだ、ここで倒れるわけ――に――は――
「俺だって死んでやる気はねーよ」
今の俺なら、短時間の時間操作ならいけるだろう。前回は魔術名すら言わなかったせいで魔力切れを起こしたが、元々魔力量はそこまで少なくない。
いや、わざわざこの迷宮内の全てを歪ませる必要はないか。相手を遅くしちまえばいい。聖騎士と言えど、突然俺が速くなったように見えれば動揺するはずだ。その隙に圧空で――
「どうやら本当に逃げる気はないらしいな」
「馬鹿な奴だにゃー。ま、それがきみの信念っていうなら否定はしないにゃ。せめて苦しまないように殺してあげるにゃ」
「待ってよう、殺すのは勿体ない――繋檻」
「――遅延!」
地面から生えてきた黒い半球を、その生成速度を落とすことでギリギリ躱す。地面に縫い止めるのがメインっぽいし、下に注意しとけばいいのが幸いだな。
てか俺、この戦いが終わったら解呪覚えるんだ……。多分そっちの方が楽だし消費魔力も少なくて済む。
「得意な風魔術を使えば良いものを――土鎖」
「――置換!」
問題はこっちだ。どこから飛んでくるかわからないし、遅延だと結局刺さって多分死ぬ。
だから置換でテキトーな場所に空間を繋げて無理矢理弾いてるわけだが……
「っ!」
「にゃ、避けると余計な傷が増えるにゃー?」
数瞬前まで俺の頭があった場所にユネの拳。間一髪。つーかよく躱せたな今の。運3,420さまさまだぜ。
「――遅延!」
「に――ゃ――」
遅延の効果時間はそう長くない。この間に一人は圧空の餌食にする。
ルファスよりは大嵐野郎の方が楽に狩れそうだな。
「風は加減が大変なんだよう……僕は殺す魔術しか覚えてないからさあ」
「気にせず撃てばいいだろう? どうせ今までだって打ち消されてるんだからな」
「……ああ、それもそうだねえ! じゃ、僕も本気出しちゃおうかなあ――我は風の精霊に誓う」
風が啼いた。大嵐野郎の足下に小さなつむじ風が起こる。聖騎士がそうホイホイ本気出しちゃダメだろ。
素因の共鳴具合? っつーのかな。魔力の高まりみたいなのからしても、俺の魔術じゃ太刀打ちできなそうだ。そもそも俺は戦闘が得意な勇者じゃないし。
幸い詠唱は長そうだが、周りに張られた風の障壁のせいで干渉も厳しい。
となると、必然的にルファスを圧空で行動不能まで持っていかなきゃならないわけだが。
「――閃光」
「置――っ」
ルファスの指先から光が伸びる。左肩に衝撃。昔間違ってはんだに触ったときみたいな痛みだ。咄嗟に右手で確認したが、すぐに後悔した。
血は流れていない。一滴たりとも。
だからといって傷がないわけではなかった。
恐らくだが焼けて出血がないだけだ。なんか焼肉みたいな匂いするし。指を通す勇気はなかったがやけにスースーする気がするし多分貫通してる。無理無理無理マジで無理。痛え。考えると余計痛え。
「――閃光!」
「ぬ、わ、っ」
のたうち回っている暇はない。このままだとジリ貧だ。早いとこなんとかしないとマジで死ぬ。つーか肩が痛え。嫌でもそっちに気を取られる。
「――遅延!」
ルファスに遅延をかけようにも、あっさり躱されて終わりだ。一か八かではあるが時間操作を使うか。
運3,420を舐めるなよ、運ゲーは得意なんだ。
「おのれちょこまかと――聖浄」
こいつよりにもよって右肩に撃ってきやがった。まずい、躱しきれな……
……ん? 痛くない? そういやさっき大聖浄に巻き込まれたときもノーダメだった。
今しかない。
「効かねえな――時緩、減速!」
「何――――!?」
っしゃ運ゲー成功! 見たか運の力! 運を愛し、運に愛された男! そう! この俺こそは……
「水し――」
「――解呪、にゃー」
……は?
嘘だろ、なんでもう出てこれてる? 流石に早すぎるって。
あの場で圧空を使っていれば、と悔やんでももう遅い。次はどうすればいいんだ。
「ユネ、助かった」
「このくらい朝飯前にゃー」
いや、逆にチャンスと考えるべきか。今やつらは油断しきっている。俺の腰には邪竜剣。
勿論そのままじゃ届かない。だが置換を使えば?
「厄介な術だったけど、内側から解呪を使えば案外あっさり出られたにゃ」
「ふ、どうやらハルティアの魔術を使うまでもなく終わりそうだな」
口の中がカラッカラだ。この冷や汗も痛みによるものだけじゃない。
俺がしようとしているのは人殺しだ。
剣が抜けない。自分の生死がかかっているというのに。嫌になる。
甘えは捨てないと。大丈夫大丈夫。こっちの法律なんて知らぬ存ぜぬ、正当防衛ってやつだ。殺されそうなんだから殺しても過剰防衛ではあるまい。
殺るぞすぐ殺るぞ絶対殺るぞほら殺るぞ。
「――置換!」
多くの動きは必要ない。剣を握った手を大きく引き、そして勢い良く突き出す。
俺は首の皮やら肉やらを裂く感覚を想像して目を瞑った……が。
何か固いものに当たった感覚と共に剣が弾かれた。どうして。首周りに鎧はなかったはず。
「そんな弱々しい攻撃で――殺意も碌にこもっていない攻撃で、聖騎士たる我々に刃が通るとでも?」
「そもそもうなじには厚く防御結界が張ってあるにゃー。例えぼくが本気で刺しても、少し前のめりになるくらいのやつにゃ」
「……勝ち目なんて万に一つもなかったってわけか」
「そういうことだ。それ」
ルファスの声と共に剣が引っ張られる。
「これで貴様は丸腰というわけだな」
「面白い素材だにゃー、竜種かにゃ? こんなのどこで手に入れたにゃ……」
残りの魔力は大体|強制送還__デポラシエ__#一回分。運ゲーに勝っても�##��解呪されるし何の意味もない。
「さて、最期に何か言い残すことはあるか」
最期、か。二度目の人生は短すぎた。もう一回くらい転生させてくれてもいいぞ。勿論職業は迷宮王、あとレルアも一緒にな。これはチュートリアルだったってことで。
「ちょ、ちょっと待ってよう。殺すのは勿体ないって……」
「ちっ、詠唱中に殺してしまおうと思っていたんだがな。まあいい。ユネ、ハルティアを押さえておけ」
「わかったにゃー」
ん……? ああ、やっぱりこの勝負俺の勝ちだ。
そもそもこいつらを殺す必要はなかった。
「どうやら天使は俺に微笑んだらしいな」
「リフィスト様が影の存在をお赦しになるはずがあるまい」
「ちげーよ、天使は天使でもリフィストじゃない――」
直後、あたり一面が眩い光に包まれる。
あ、もしや顔隠すためか。天使とか言っちゃったのまずかったかもしれん。
「――土鎖!」
「にゃ、この気配!」
「な、何故貴方様が……いや、違う。誰だ、一体誰なのですか!」
(マスター、この場で殺してしまっても?)
(あ……いや、待ってくれ。殺すのはよそう。これは完全に俺の我儘なんだが、レルアにも手を汚してほしくはない)
結局は自分の前で、自分のせいで、人が死ぬのが嫌なだけだ。例えそれが敵であっても。
ま、可愛い女の子を人殺しにしたくないってのがデカいけどな。魔物は良いが人は……。
(しかし、彼らはマスターを殺そうとしたのですよ)
(いいんだ。忘却だけ頼めるか)
(かしこまりました。では、そのように)
「我はミレイル。この世界の歪みを修正せし者」
「天使様あ、天使様なんでしょう!?」
「――忘却」
金属が地面に衝突する音。次いで、一行が地面にぶっ倒れる音。そういや忘却って一時的に昏倒するんだっけ。
丁度いい、シレンシアの方まで送るか。
「レルア、もう一つ頼まれてくれるか」
「なんなりと」
「こいつらを転移でシレンシアまで飛ばしてほしいんだ。地上までは俺が強制送還で送る」
「お安い御用です。地上で待機しておきますね」
「ああ、頼んだ」
レルアは転移門を踏んで地上へ向かった。さて、あとは俺が魔術――を――
あれ――意識が。ダメだ、ここで倒れるわけ――に――は――
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~
すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》
猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。
不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。
何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。
ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。
人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。
そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。
男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。
そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。
(
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる