12 / 252
第1章
12 疑似世界②
しおりを挟む
森を抜けたら、どうしようか。草原ってのもありきたりでつまらん。
状態異常系の魔物を配置したいな。コカトリスなんていいかもしれない。毒と石化。考えただけでワクワクする。
確か、コカトリスは毒を吐いて主食以外の植物を枯らすんだったか。雑草が生い茂るようで、他の植物がなくても困らない場所……。
そうだな、寂れた神殿に出るなんて面白そうだ。既に魔物の巣窟になっている神殿なら荒れ放題なのも説明が付く。それでいこう。
神殿なら守護者としてガーゴイルとか置きたい。石像を片っ端から警戒する勇者の様子が目に浮かぶぜ。
『地下16~地下20階を神殿に設定しました』
あとは――適当に練度低めなゴーレムとか置いとくか。折角だからこれもその場で生成されるタイプにしたいな。ツクールでは踏んだら魔法陣起動ってのがあったが、こっちでもあるのかね。
『罠・魔法陣起動:魔術発動、魔物召喚などに利用可能。設置は壁・床・天井の範囲のみ。迷宮内の魔力を使うためDP消費は無し』
よし、改悪アプデはされてないみたいだな。全てのゴーレムに適用しとこう。ガーゴイルか石像かわからないからといって広範囲魔術を使うと、ゴーレムが大量召喚される仕組みだ。
『コカトリス:2,000DP
ガーゴイル:1,200DP
ゴーレム:10万DP』
――おいおい、いくらなんでもゴーレム高すぎだろ!? 確かに物理にも魔法にも耐性のあるかなり強めな魔物だが、こんな高くは無かったはずだ。ツクールとは根本的に種類が違うのか?
『ゴーレム:魔核ある限り動き続ける古代種。俊敏さなどでは自動人形に劣るが、火力、頑丈さなどでは勝る。分裂で個体を増やすが、その速度はとても早く、また回を追うごとに性能が上がる』
なるほどな。他よりも増えやすく進化しやすいってことか。どーりで高いわけだ。
とりあえず増えたゴーレムも全て魔法陣起動の対象にしておくとして……
【地下16階:ゴーレム1/1
コカトリス5/5
ガーゴイル5/5】
19階まではこれでいこう。数が少なすぎるのはまぁ勝手に増えてくれるのに期待。
【地下20階:ゴーレム1/1
コカトリス10/10
ガーゴイル10/10】
神殿最終階だけ気持ち多めに。地下20階までくるのなんて先の話かもしれんが、数が多いと進化しやすいらしいしな。
ミノタウロスより強く、ゴーレムより弱いくらいの魔物に進化してくれれば、ボスに据えるのも良いかもしれない。
これで残り15万DPくらいか。そろそろ節約を考える時期かな。
――と、レルアが戻ってきたみたいだ。隣の広間に気配を感じた。扉を開ける。
「申し訳ございません、マスター……っ」
何やら死ぬほど悔しがっている、それでいて申し訳なさげなレルアが立っていた。そんな姿もマイエンジェル。
ていうか、なんも持ってないな。やけに早かったし。さては――なんかやらかしたな?
「どうした、なにかあったのか?」
「……マスターからの任務を完遂することが出来ませんでした。武具類はおろか、家具すらまともに……。これでは何のために街まで行ったのか……!!」
や、別に俺が引きこもりたいがために行ってもらっただけだし、そんな腹切って詫びるみたいな空気出されても困るってもんよ。
「別に急ぎの用でもないから全然構わん。ああでも、一つ質問。見てくることも出来なかったってのはなんでだ? 天使立ち入り禁止の街だったとかか?」
純粋な好奇心からの質問だ。が、彼女からの答えを聞いて驚いた。
いきなりの流血沙汰ってそれマジか。てかその瀕死の冒険者を治せるって凄すぎね?
俺なら仮にレベル100賢者にジョブチェンしたとしても無理そうだ。
「まー取り敢えずお疲れさん。こっちは順調だし、一度や二度の失敗気にせずゆっくり休んでくれ」
生死のかかった問題でもないしな。正直成功してても剣やら鎧やら身に着ける魔物はまだ配置してない。
あ、そうだ。
「調子戻ったら適当に外の魔物でも狩っといてくれると助かる。ちょっとDPが足りなくなってきた」
「了解です。……失礼します」
レルアは、深々とお辞儀して部屋を出て行った。なんであんな落ち込むかね。
今まで失敗とかしたことなかったとかか? 天使だし。なんか優等生っぽかったし。
ま、多分名誉挽回と言わんばかりに外の魔物をDPに変えてくれるだろ。楽しみにしとこう。
さーて、次は何するか。
状態異常系の魔物を配置したいな。コカトリスなんていいかもしれない。毒と石化。考えただけでワクワクする。
確か、コカトリスは毒を吐いて主食以外の植物を枯らすんだったか。雑草が生い茂るようで、他の植物がなくても困らない場所……。
そうだな、寂れた神殿に出るなんて面白そうだ。既に魔物の巣窟になっている神殿なら荒れ放題なのも説明が付く。それでいこう。
神殿なら守護者としてガーゴイルとか置きたい。石像を片っ端から警戒する勇者の様子が目に浮かぶぜ。
『地下16~地下20階を神殿に設定しました』
あとは――適当に練度低めなゴーレムとか置いとくか。折角だからこれもその場で生成されるタイプにしたいな。ツクールでは踏んだら魔法陣起動ってのがあったが、こっちでもあるのかね。
『罠・魔法陣起動:魔術発動、魔物召喚などに利用可能。設置は壁・床・天井の範囲のみ。迷宮内の魔力を使うためDP消費は無し』
よし、改悪アプデはされてないみたいだな。全てのゴーレムに適用しとこう。ガーゴイルか石像かわからないからといって広範囲魔術を使うと、ゴーレムが大量召喚される仕組みだ。
『コカトリス:2,000DP
ガーゴイル:1,200DP
ゴーレム:10万DP』
――おいおい、いくらなんでもゴーレム高すぎだろ!? 確かに物理にも魔法にも耐性のあるかなり強めな魔物だが、こんな高くは無かったはずだ。ツクールとは根本的に種類が違うのか?
『ゴーレム:魔核ある限り動き続ける古代種。俊敏さなどでは自動人形に劣るが、火力、頑丈さなどでは勝る。分裂で個体を増やすが、その速度はとても早く、また回を追うごとに性能が上がる』
なるほどな。他よりも増えやすく進化しやすいってことか。どーりで高いわけだ。
とりあえず増えたゴーレムも全て魔法陣起動の対象にしておくとして……
【地下16階:ゴーレム1/1
コカトリス5/5
ガーゴイル5/5】
19階まではこれでいこう。数が少なすぎるのはまぁ勝手に増えてくれるのに期待。
【地下20階:ゴーレム1/1
コカトリス10/10
ガーゴイル10/10】
神殿最終階だけ気持ち多めに。地下20階までくるのなんて先の話かもしれんが、数が多いと進化しやすいらしいしな。
ミノタウロスより強く、ゴーレムより弱いくらいの魔物に進化してくれれば、ボスに据えるのも良いかもしれない。
これで残り15万DPくらいか。そろそろ節約を考える時期かな。
――と、レルアが戻ってきたみたいだ。隣の広間に気配を感じた。扉を開ける。
「申し訳ございません、マスター……っ」
何やら死ぬほど悔しがっている、それでいて申し訳なさげなレルアが立っていた。そんな姿もマイエンジェル。
ていうか、なんも持ってないな。やけに早かったし。さては――なんかやらかしたな?
「どうした、なにかあったのか?」
「……マスターからの任務を完遂することが出来ませんでした。武具類はおろか、家具すらまともに……。これでは何のために街まで行ったのか……!!」
や、別に俺が引きこもりたいがために行ってもらっただけだし、そんな腹切って詫びるみたいな空気出されても困るってもんよ。
「別に急ぎの用でもないから全然構わん。ああでも、一つ質問。見てくることも出来なかったってのはなんでだ? 天使立ち入り禁止の街だったとかか?」
純粋な好奇心からの質問だ。が、彼女からの答えを聞いて驚いた。
いきなりの流血沙汰ってそれマジか。てかその瀕死の冒険者を治せるって凄すぎね?
俺なら仮にレベル100賢者にジョブチェンしたとしても無理そうだ。
「まー取り敢えずお疲れさん。こっちは順調だし、一度や二度の失敗気にせずゆっくり休んでくれ」
生死のかかった問題でもないしな。正直成功してても剣やら鎧やら身に着ける魔物はまだ配置してない。
あ、そうだ。
「調子戻ったら適当に外の魔物でも狩っといてくれると助かる。ちょっとDPが足りなくなってきた」
「了解です。……失礼します」
レルアは、深々とお辞儀して部屋を出て行った。なんであんな落ち込むかね。
今まで失敗とかしたことなかったとかか? 天使だし。なんか優等生っぽかったし。
ま、多分名誉挽回と言わんばかりに外の魔物をDPに変えてくれるだろ。楽しみにしとこう。
さーて、次は何するか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
74
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる