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第1章
7 部屋の拡張
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改めて見てみると、殺風景な部屋だな。玉座とベッドと時計と照明くらいしかない。
『DPで購入できる家具一覧です』
うーん、やはり箪笥、丸椅子、丸テーブルその他……全てクリスタル製にするとかなり高いか。
ベッドも枠組みは木製の簡素なモノだし、今は全て木製で揃えることにしよう。
地下39階は殆ど俺の部屋みたいなものだし、今のところ入ってくるのはレルアくらいだしな。
「戻りました」
「おう、お帰り」
噂をすればレルア。部屋の変化にも気付いたみたいだ。
「家具――ですか。街へ行けばもう少し上質なモノが手に入りそうですが、行ってみますか?」
街、ねぇ。正直なところ行ってみたさはあるが……迷宮造りを放っておくのは不安だ。まだ魔物も罠も碌に配置出来てないしな。
ただ、気になるっちゃ気になる。なんたって異世界の街だ。
「俺は迷宮造りで行けないけど、レルア、行ってきてくれるか? 家具に限らずほら、剣とか鎧とか怪しげな魔道具なんかも見てきてくれると嬉しい」
今後リザードマンとか配置した時に剣とか鎧とかは装備させたい。が、DPで作るにも複製することしか出来ないらしい。
デフォルトでもなまくらを握ってるらしいが、やっぱそこは最低限拘りたいな。
「了解です。ただ……私は一度行ったところまでしか転移できないため、行って戻ってくるのに数日かかってしまうかもしれません。何かあればすぐ使い魔呼び出しを」
「おけ、使い魔呼び出しな」
まぁこの迷宮がそんなすぐ攻略されるとも思えんが。一応外に出るときは魔物を連れて行こう。
で、何か買うにも金が必要だよな。
『この世界の共通通貨はルナです。1DP=1ルナと交換可能です。小銅貨1ルナ、大銅貨10ルナ、小銀貨100ルナ、大銀貨1,000ルナ、小金貨10,000ルナ、大金貨100,000ルナとなっています』
ふむふむ、諸々の相場は知らないが100,000ルナもあれば足りるか? 同額で小屋が建つ世界だし。
『換金完了。小金貨10枚と換金しました』
俺のズボンのポケットがじゃらっ、と音を立てる。同時にずっしりとした金属の重み。
大金貨一枚で換金されると面倒だと思っていたが、そこらへんはこのシステムも分かってたらしい。有能。
「ほんじゃこれでよろしく。休んでからでもいいぞ。ゆっくり観光も兼ねて、あと美味い食べ物とかあったら教えてくれ」
「はい。少し休憩して魔力が全快したら行って参ります」
こっちに来てからは腹こそ減らないものの、やっぱり口が寂しいというかなんというか。飽きるほど食ったカップ麺でもいいから何か口に入れたい。むしろピザ出前取りたい。四種チーズのマルゲリータと和風照り焼きチキンマヨ、ハーフ&ハーフLサイズで。
『ピザ:300DP』
あるのかよ。マジかよ。俺は今驚愕している。値段も余裕で手の届く範囲だし、あとで試しに頼んでみるか。この迷宮までバイクでお届けに来てくれるのかね。
そういえば、休むったってこの部屋ソファとベッドくらいしか無いな。レルア専用の部屋も作ろう。
「レルア、ちょっと待っててくれ」
「? 了解です」
地下38階からの階段はここに繋がるにして……俺の部屋の横に扉をつける感じでいいか。いや、いっそ真ん中に大広間みたいなのを作ってもいいかもしれんな。階段と転移門を大広間に繋げて、それを挟んでレルアの部屋にしよう。
『規定面積内の拡張のためDP消費はありません。実行しますか?』
実行で。
と、地響きと共に壁に木製の扉が出来上がった。
「よし」
「……マスター、一体何を?」
「あぁ、部屋を増やした。この部屋の隣に大広間、更にその隣にレルアの部屋がある」
レルアが慌て始める。どうした。
「あ、あの。とても嬉しいのですが、よろしいのでしょうか」
「よろしいも何も、自分の部屋無いとレルアも不便だろ? この部屋と同じくらいの広さで、既に最低限の家具もある。自由に使ってくれ」
「本当に……本当にありがとうございます。大切にします」
レルアは深々とお辞儀すると、早速自分の部屋へ向かった。もしや天使に部屋を与えるのは珍しい事なのか? まぁ俺はやりたいようにやるぜ。勇者しながら迷宮王やってるくらいだしな。最早勇者やってる感覚ないまであるし。
少しソファに座って迷宮Q&A――ヘルプ欄にあった――などを読んでいると、レルアの気配が遠くなった。出発したみたいだ。
「さて、やるか」
Q&Aには山ほど知らない機能が書いてあった。迷宮の階層毎に別の疑似世界を造り上げるってのが面白そうだな。もう少し読んだら早速やってみよう。
『DPで購入できる家具一覧です』
うーん、やはり箪笥、丸椅子、丸テーブルその他……全てクリスタル製にするとかなり高いか。
ベッドも枠組みは木製の簡素なモノだし、今は全て木製で揃えることにしよう。
地下39階は殆ど俺の部屋みたいなものだし、今のところ入ってくるのはレルアくらいだしな。
「戻りました」
「おう、お帰り」
噂をすればレルア。部屋の変化にも気付いたみたいだ。
「家具――ですか。街へ行けばもう少し上質なモノが手に入りそうですが、行ってみますか?」
街、ねぇ。正直なところ行ってみたさはあるが……迷宮造りを放っておくのは不安だ。まだ魔物も罠も碌に配置出来てないしな。
ただ、気になるっちゃ気になる。なんたって異世界の街だ。
「俺は迷宮造りで行けないけど、レルア、行ってきてくれるか? 家具に限らずほら、剣とか鎧とか怪しげな魔道具なんかも見てきてくれると嬉しい」
今後リザードマンとか配置した時に剣とか鎧とかは装備させたい。が、DPで作るにも複製することしか出来ないらしい。
デフォルトでもなまくらを握ってるらしいが、やっぱそこは最低限拘りたいな。
「了解です。ただ……私は一度行ったところまでしか転移できないため、行って戻ってくるのに数日かかってしまうかもしれません。何かあればすぐ使い魔呼び出しを」
「おけ、使い魔呼び出しな」
まぁこの迷宮がそんなすぐ攻略されるとも思えんが。一応外に出るときは魔物を連れて行こう。
で、何か買うにも金が必要だよな。
『この世界の共通通貨はルナです。1DP=1ルナと交換可能です。小銅貨1ルナ、大銅貨10ルナ、小銀貨100ルナ、大銀貨1,000ルナ、小金貨10,000ルナ、大金貨100,000ルナとなっています』
ふむふむ、諸々の相場は知らないが100,000ルナもあれば足りるか? 同額で小屋が建つ世界だし。
『換金完了。小金貨10枚と換金しました』
俺のズボンのポケットがじゃらっ、と音を立てる。同時にずっしりとした金属の重み。
大金貨一枚で換金されると面倒だと思っていたが、そこらへんはこのシステムも分かってたらしい。有能。
「ほんじゃこれでよろしく。休んでからでもいいぞ。ゆっくり観光も兼ねて、あと美味い食べ物とかあったら教えてくれ」
「はい。少し休憩して魔力が全快したら行って参ります」
こっちに来てからは腹こそ減らないものの、やっぱり口が寂しいというかなんというか。飽きるほど食ったカップ麺でもいいから何か口に入れたい。むしろピザ出前取りたい。四種チーズのマルゲリータと和風照り焼きチキンマヨ、ハーフ&ハーフLサイズで。
『ピザ:300DP』
あるのかよ。マジかよ。俺は今驚愕している。値段も余裕で手の届く範囲だし、あとで試しに頼んでみるか。この迷宮までバイクでお届けに来てくれるのかね。
そういえば、休むったってこの部屋ソファとベッドくらいしか無いな。レルア専用の部屋も作ろう。
「レルア、ちょっと待っててくれ」
「? 了解です」
地下38階からの階段はここに繋がるにして……俺の部屋の横に扉をつける感じでいいか。いや、いっそ真ん中に大広間みたいなのを作ってもいいかもしれんな。階段と転移門を大広間に繋げて、それを挟んでレルアの部屋にしよう。
『規定面積内の拡張のためDP消費はありません。実行しますか?』
実行で。
と、地響きと共に壁に木製の扉が出来上がった。
「よし」
「……マスター、一体何を?」
「あぁ、部屋を増やした。この部屋の隣に大広間、更にその隣にレルアの部屋がある」
レルアが慌て始める。どうした。
「あ、あの。とても嬉しいのですが、よろしいのでしょうか」
「よろしいも何も、自分の部屋無いとレルアも不便だろ? この部屋と同じくらいの広さで、既に最低限の家具もある。自由に使ってくれ」
「本当に……本当にありがとうございます。大切にします」
レルアは深々とお辞儀すると、早速自分の部屋へ向かった。もしや天使に部屋を与えるのは珍しい事なのか? まぁ俺はやりたいようにやるぜ。勇者しながら迷宮王やってるくらいだしな。最早勇者やってる感覚ないまであるし。
少しソファに座って迷宮Q&A――ヘルプ欄にあった――などを読んでいると、レルアの気配が遠くなった。出発したみたいだ。
「さて、やるか」
Q&Aには山ほど知らない機能が書いてあった。迷宮の階層毎に別の疑似世界を造り上げるってのが面白そうだな。もう少し読んだら早速やってみよう。
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