8 / 11
第2章
しおりを挟むポツ………ポツ………
水の滴る音が聞こえる。
他に意識を向けてみると他にも雨の音も聞こえる。
そうだ。雨が降っててバスに乗りこんでそして……
………………星流っ!!!
勢いよく流星は起き上がる。
周りを見渡して見ると先程までは昼間だったのに夜になっており、そこはバスの中だった。
………だが、先程のバスとは明らかに違う。
天井は穴だらけで雨漏りしていて窓ガラスはほとんど割れてしまっている。
割れた窓から蔦が絡まっていてタイヤもヒビだらけで走れたもんではなかった。
流星「………さっき乗ってたバスは?どうなってるんだ?」
明らかにこのバスは先程乗っていたバスでは無い。長年放置されていたであろうバスだ。
そしてそのバスの目の前には大きな門があり、その奥にはここからでも分かる程巨大な屋敷立っていた。
明らかに年数が立っているその屋敷はところどころ窓ガラスが割れていたり、外壁や門、全てが蔦で覆われていた。まるで蔦が離さないと言っているかのように。
周りは大きな木々達に囲まれていて、どこから来たのか帰り道すら分からない。
それは廃墟だった。
流星「何だこの屋敷……そうだ皆は?!」
周りを見渡しても誰1人いなかった。
いるのは流星ただ1人だけ
流星「星流ーー!!おーい!皆ー!」
大きな声を出して呼びかけるが返答は無い。
ほとんど大きな雨の音でかき消されてしまっている。
流星「……皆あの中に行ったのか?いやそれは違う。あの時流星以外にもみんな眠らされてたし。」
あの時の星流は明らかに様子がおかしかった。
なんだったんだ?
朝のことと何か関係あるの?
とりあえずバスから出て門の前に立つ。
門に触れて開けようと試みる。
だが蔦が絡まっていて上手くあかない。
流星「……………やってみるか」
流星は蔦に右手で触れる。
そして目を瞑る。
すると右手から黒炎が出てあっという間に蔦に燃え拡がっていく。
門の周りの蔦は焼け焦げていく。
このくらいなら簡単に開きそうだ。
───────ギィィイィ
門はひとりでに開いた。
─────まるで待っていたかのように。
おいで
どこからかそんな声が聞こえたような気がした。
導かれるように流星は門を潜った。
真っ直ぐに扉まで向かってドアノッカーを握りノックする。
─────誰かいるのだろうか?
勿論なんの返事もない。
その重い扉を押すとギギギと音を立て扉は開いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる