M属性 ~嗚呼、あなたに踏まれたい~

高谷正弘

文字の大きさ
上 下
4 / 171
第一章 城郭都市マナスル

四夜 異世界

しおりを挟む
「これは、見事ですね……」
 3階分吹き抜けで円形状の天井――リヴ・ヴォールトには、絢爛けんらんと呼ぶしかないシャンデリアが燈っている。
 天井を支える円柱にはレリーフがほどこされ、何体もの彫像が人々を見下ろす。
 大きく取られた窓にはステンドグラスを設置し、教義の絵物語がつづられ室内に色鮮やかな光を運んでいた。
 謁見の間。
 奥行きが30メートはあろうか、否が応にも荘厳な空間を醸しだしている。

「左右に並んだ尖頭アーチで格子状の窓……フラスコの底辺を切り取った跡かな、ガラスに見慣れない丸い文様が入ってる」
 ――13世紀頃には、欧州にも透明なガラスの製法が伝わっていた。
 しかし手吹きガラスの技法では、ビール瓶の底ほどの大きさしか製作できない。
 また貴族にも高価で、家人が留守にする際は取り外して保管したほど。それすら普及するのは17世紀末、板ガラスに至っては18世紀である。
「衣服や建物の様式から、今は・・13世紀後半から14世紀半の可能性が濃厚かな」
 まあどこまで酷似した世界なのかは不明だけど――自分で突っこみを入れつつ、判断材料が増え状況が見えてきた。
 だが簡単にいえど、1世紀の差は100年の隔たりがある。
 大正から令和であり、和服着物からタンクトプへ、人力車がタクシーと呼ばれ、草履からビーサン、井戸端会議がSNSへ移行するほどの変化。
 時代は徐々に改変される、記録がなければ判断は難しい。
「まだ近世じゃない、中世の後期辺りかな。再生や復活を告げる、ルネサンス期が始まった頃かもしれない」
 欧州ではこの運動により、古代ギリシアやローマ時代の文化が復興し――近世へ移行するにいたる。
「時代の転換期に立ち会えたのか、それとも……おっと、失礼しました」
「ルネッ……サーン?」
 装飾がほどこされた巨大な両扉を開いた兵士が、一歩も踏み出さずに謁見の間を魅入るぼくに首を傾げていた。
 視線に気がつき、呼応して踏み出す。
 移動する際高い城壁とオレンジの屋根が連なる街並みが見え、ここは「城の中」だったのだと検めて確認している。
 壁の外は荒涼とした田園が広がっており、冬だとしても少し寂しく感じた。
「現代人ぶる気はないけど……都市をグルリと取り囲む巨大な石の壁、それだけで異様に思えるなあ」
 謁見の間を埋める光沢のある大理石の床を、一歩ずつ確かめながら歩く。
 最奥には一段高くなったダイスがあり、小さな屋根まで設えた「巨大な椅子」が主のように鎮座している。
 ヴィーラ殿下があの椅子にふんぞり返られるだろう予感。
 周囲には色とりどりの礼服を着飾った、おそらくは上流の貴族が控えていた。
 待ちわびた観客となり遠巻きな視線がぼくに集中する。奇妙な動物を覗き見て、なんの遠慮もなく値踏みするのだ。
「この少年が例の、アラヤシキから招いた・・・とされる?」
「殿下のお言葉を疑うではないが、見目麗しいだけの少年にしか思えませんな」
「劇ではない外面など関係なかろう、これで我が国の現状にいささかでも――…」
 ……ぼくのお披露目は、失敗ではなかったか?
 若い俳優を前に、観客の失望色の濃いざわめきが荘厳な劇場を白けさせていた。
 せめて手でも振ろうかなと悩みながら、両脇に控えた兵士が「近づきすぎ!」と目で訴える距離まで進み、両膝でひざまずく。
 巨大な椅子まであと10メートルほど――。
「もう少し間近で、ご尊顔を拝見したかったな」
 礼を失した呟きはしかし、貴族の面々の驚愕で打ち消された。
「はあああ――~っ!? なんじゃあの姿は!!」

 ぼくは白無地でイカ胸シャツ、白いベスト白の蝶ネクタイ、白の手袋をはめる。
 黒の脚衣ブレーに適した黒の革靴がなく、代わりに黒のブーツを履いていた。
 服の「上着」が、彼らにとって「異様」だったのだ。
 黒のダブルだが、正面はジャケットほどの短さでベストの下部が見える。背面部をふくらはぎまで伸ばし、裾が2つに割れていた。
 18世紀に騎乗の邪魔にならないようにと仕立てられ、その形が燕の尾に見えるところから名付けられた――「燕尾服テールコート」である。
 ひざまずくと上着のしっぽ・・・が床に広がって、羽ばたく翼を思わせた。
「背中の切りこみはなんだ? なんの意味があるんだ!?」
「いえアラヤシキでは……このような服を好むと、示唆されてるのでは?」
「異質感を強調するにしても、奇天烈すぎじゃろっ!!」
 やや寂しくなった頭髪と、肥満で揺れるお腹を振って貴族が問う。訊かれた方も答えれる訳もなし。
 5世紀の隔たりを、容易に許容できる術はない。
「狼狽が向こうの世界アラヤシキへの誹謗になる前に、説明すべきなのかなあ。ぼくとしてはヴィーラ殿下にお仕えする、意気ごみだったんだけど……」
 19世紀には公式の場でも着用される正礼装で、謁見の間にはむしろ相応しい。
 人間が一番恐怖を覚えるのは、「理解不能」といった説がある。
 人は基本的に排他的で、異質に感じれば不安になり攻撃してしまう。そして手に追えなければ服従し、支配されるのを望むのだ。
 恐怖にかられた場合無関心は装えない、取るべき道は「あらがう」か「したがう」か。

「閣下のおっしゃる通りだ! これではできの悪い、大道芸人ではないか!」
「このような道化が、殿下に拝謁がかなうとはどういった料簡か!」
「そも貴族でもない者を、何故由緒ある謁見の間に通すのだ!?」
 いけだかな非難と、追従して批判の声を荒げる者。謁見の間に流れたざわめきは止まらず、さらなる混迷を迎えた。
 酷評のなか恰幅のいい白髪のカイゼル髭が、両手を広げ声高らかに訴えたのだ。
「この少年をお招き・・・なさったのはヴィーラ殿下であられる! 異議ある方は殿下に不服でも、持っておられるのですかな!?」
 殿下を「盾」に主張を封鎖する。正論に乏しく詭弁に近い、賛同しがたいが……これには別種の効果があった。
 議論の様相を帯びた場合、反論する者がより注目を集めるのだ。
「見ればなんとも斬新な装い! 天を駆ける殿下の御心を表しているようだ、私は彼の少年をご承諾いたしますぞ!」
 白髪のカイゼル髭が進み出て輪の中心となり、場が再構築されていく。
 対立する者にすれば主導権を奪われたに等しい。批評はみるからに勢いを失い、自己保身にだけ・・意義がみいだされる。
「でっ殿下に異議などとんでもない、少々驚いただけでして……」
「そうですなよく見れば奇天、いや独創的と申しますか……」
 各々の本心は、どうあれ。
「――さてこれは、異なことを申される」
 戸惑う貴族を遮り、最初に声を荒げた揺れるお腹が一歩前に出て笑いかけた。
「殿下に不服を持つなど、表明する必要もございません。そう新王都計画も殿下の・・・ご推進であられますしな」
「さすがは閣下今や・・王国随一の都市と名高いとか。殿下の思慮深さに敬意を表し、頭が下がるばかりですな」
 受けてカイゼル髭がさらに一歩前に出て、言葉とは裏腹に胸を張る。
 従えたそれぞれの貴族を背に、微笑を浮かべた2人の間に閃光が走った。
「いやいや閣下と違い、小さな港町を切り盛りしとるだけです。先日も卑しい噂・・・・が流布してまして、情けないと心を痛めておるのですよ」
「いやいやご謙遜を、私の所領などただ長き歴史・・・・を紡いでおるだけ。老婆心ながらお教えしますが、火のないところに煙は立たぬとも申しますよ」
 親の領地を継いだだけで老輩気取りか熊ジジイ――。
 運に恵まれただけで歴戦の勇気取りか猪ジジイ――。
「老いては騏驎も駑馬に劣る、お互い気をつけませんと――はっはっはっはっ!」
「老いたる馬は道を忘れず、お互い分別は持ちませんと――はっはっはっはっ!」
 周囲の貴族は2人を止められず、場は荒涼とした田園に劣らぬ騒然さをみせる。
「……これは多分、普段から対立してる方々なんだろうなあ」
 ぼくのために争わないで――なんて飛び出したいけど、反論につぐ反論。すでに論争は「奇天烈な少年」にはない。
 自分の意見を否定した奴がむかつく・・・・
 不愉快な感情をもっともらしい言葉で偽装してるだけ。伝わる・・・よう吟味された、礼儀を守った揶揄合戦。
「言葉使いは違えど、やってることは小学生と変わらない……おっと」
 思わず口を押さえる、意味を理解できた者がいれば憤慨ふんがいしただろう独り言。
 ぼくは置かれた状況が楽しくなり、かつて児童館で読んだ絵本を思い出す。
「小惑星の王子の作者が、献辞にこめていたっけ。大人はかつて子供だったことを覚えていないと」
 常識が変貌を遂げる数世紀の隔たり……しかし時代が移り年齢を重ねようとも、人の本質は変わらないのだろうか。
 上流貴族らの喧騒をほほえましくも眺める。
 小学校なら先生が怒鳴らなければ、収集つかないだろうなあ。
 たった1人を除いては――。

「――由緒ある謁見の間は、いつから子供の遊技場と化したのか」
 突如真後ろに雷鳴が轟き、この場の「空気」ごと爆ぜた。閃光が貴族の色鮮やかな礼服を白と黒モノクロに転じ、時間を一時停止させる。
 召喚の間に次いで2度目、ぼくは見る必要を感じなかった。
 両開きの巨大な木製扉が、「なにもそこまで……」と嘆き悲し気に鳴く。
「おや見ればやけに老けたわらしばかり、驚いてつまづいてしまったぞ」
 先生と呼ぶには若すぎだろう少女が、渦雷を割り謁見の間に現れる。
 近衛兵だろうか、召喚の間にもいた銀に輝くプレートメイル姿の騎士が6名と、目を伏せたスーリヤ様を従えていた。
「伯爵」であり「領主」を追従させているのだ。
「おお……っしゅ醜態を晒しまして、ふっ深くお詫び申し上げます!」
「もっ申し訳ございません殿下! 私としたことが、くだらぬ騒ぎを――…」
「そう緊張いたすな、冗談だ」
 ニコリともせず貴族の言い訳を遮り、ぼくに視線を向けたのか背が熱い。
「あのうスーリヤ様……殿下はすでに、怒っておられるのですが?」
 このまま無防備な背に蹴りを見舞われるのでは――高鳴る期待は無念にも外れ、殿下がぼくの横を「ずかずか」と通り過ぎる。
 誰になんの遠慮もせず巨大な椅子まで歩み、ドレスの裾が大胆にひるがえった。
「さあ剣を貸してやる、貴族ならばいっそ華々しく決闘で片をつけるがいい!」
 控えていた騎士が無言で剣を捧げ、躊躇ちゅうちょなく引き抜き切っ先を突きつける。
「ヴィーラ王国王太女、プラーナ・ヴィーラ・アミターユの名において許可する」
 冷笑が尾を引いて瞬く。
 その言葉が冗談や軽口ではないと理解しているのだ。貴族たちは雷雨に打たれ、濡れそぼった子犬のごとく頭を垂れた。
 雑多な前置きは全て吹き払われたのだ。
 万雷の拍手が起きないのが不思議なほどの、「主役」の登場である。
「其方らを招集したは、児戯に興じさせるためではない!!」
「はっ……はは――――っっ!!」
 装飾が輝く抜き身の剣が大理石を深々と抉り、少女が大の字に胸を張った。
 謁見の間に炎の王道が顕現し、黄金色の髪を煽って征く。
「王太女――王位継承順位、第1位!」
 そのひと睨みだけで、命すら焼き尽くせる王国の最高位。
「やはり」と確信が確定に変わったのを実感する。やはりぼくがあおぎ見る方は、それほどの方だったのだ。
 実感が歓喜を呼び、頬が上気し、丹田に熱き震えを感じた。


 ☆


「――今年末、10年をかけた西方中央への王都移転が完了する」
 ヴィーラ殿下が巨大な椅子ににふんぞり返る。
 抜き身の剣を閃かせ、心に描いた王国の中央を指す。
 ひざまずくぼくをことさら無視する放置じらしプレイに、背筋がゾクゾクと訴えた。
「では――殿下!?」
 イタズラを咎められ、頭を下げていた貴族たちが弾かれたように反応する。
 大の大人がそろって、14歳の少女に期待の視線を向けていた。
「我はその功をもって即位し、女王となる」
「おお……っおお――! ついにっ!!」
 面白くもなさそうに伝えられた決定事項だが、大喝采が謁見の間を揺るがす。
 外部を警備している兵士は驚いたのではないだろうか。
 地震と見紛うばかりの拍手と足踏みの振動。肺から発射される祝砲が、いたるところで発砲と次弾装填を繰り返した。
「今までも摂政として、政務を代行されてこられたのだっ!」
「そうだ! 騒ぐまでもないっ!」
 カイゼル髭が周囲に叫び、受けた肥満で揺れるお腹と2人肩を叩きあっている。
 先ほど舌戦を繰り広げていたのは、果たして誰だったか。今この場では無礼講とばかりに、抱擁と賞賛が沸き上がった。
陛下・・おめでとうございます!」
 早すぎる敬称に笑いが重なり、たしなめる声にすら笑顔があふれている。
 貴族らにどれほどの「歴史」があったか定かではない。それでもその歓喜を目の当たりにし、ぼくも思わず拍手を送っていた。

「そして来年、両国・・どちらかの王族と婚礼する」
 そんな歓声をものともせず、素っ気ないほどの口調でヴィーラ殿下は続ける。
 王配を迎えると年頃の少女とは思えないほど淡々と語った。先ほどと違わぬ喝采に包まれるが、称えられているはずの主役は剣を弄んでいる。
「――ひっ!?」
 シャンデリアの煌めきに抜き身の刃が反射し、光の剣となって貴族をとらえた。
 殿下の逆鱗に触れたと勘違いした幾人かが首をすくめる。轟いていた歓声がなにかを察して、徐々に沈殿してゆく……。
 殿下の淡々とした声に、遅まきながら気がついたのだ。
 貴族たちは顔を見合わせ、分からないのは自分だけではないと確認し息を呑む。
「ヴィ……ヴィーラ、殿下?」
 カイゼル髭が萎縮しながらも疑問を告げるが、返答はなかった。
 少女は自身の顔にも光の帯を重ね、偃月えんげつを青白く浮かび上がらせている。
 無表情が偶像さを際立たせ、ただ淡々と語った。

「我が国は……ヴィーラ王国は、亡国となるのだ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

婚約破棄からの断罪カウンター

F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。 理論ではなく力押しのカウンター攻撃 効果は抜群か…? (すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

処理中です...