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第6章:新たな仲間と導き

第46話 次なる目標と仲間の絆

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戦いを終え、優馬たちは森の中で少しの間休息を取りながら、先ほどの余韻に浸っていた。彼らはそれぞれのペースで回復し、森の風の音を耳にしながら、戦いの疲れを癒していた。

「はぁ……こうやって静かに休めるのって、やっぱりいいよな。戦いも終わったし、しばらくは王都でのんびりできそうだ」

優馬は森の木陰に寄りかかり、リュックから取り出したフラスコを軽く振っていた。中には「回復エリクサー」が入っていて、休憩の間に仲間たちへ渡す準備をしている。手際よく小瓶に注ぎ、まずはリリアに差し出した。

「リリア、これ。戦いの後は精霊たちも疲れてるだろ? リラックス効果もあるやつだから、休みながら飲んでくれよ」

優馬の言葉にリリアは微笑んで、彼から小瓶を受け取った。

「ありがとうございます、優馬さん。あなたがいてくれると、本当に心強いです。精霊たちも、優馬さんのポーションのことを喜んでいますよ」

彼女は優しく微笑みながら、小瓶の中身を一口飲む。その表情がふわりと柔らかくなり、精霊石の光も心なしか温かく見えた。

「そうか、ならよかった。精霊たちにもっと喜んでもらえるように、次は何か甘いポーションでも試してみるかな」

優馬が冗談めかして言うと、リリアはくすっと笑った。

「ふふ、それも楽しみですね。精霊たちは甘いものが好きですから……きっと喜んでくれるはずです」

一方、カイは近くの大木に寄りかかり、深く息を吐いていた。彼の表情はいつものように少し冷静で、周囲を静かに観察する姿勢を崩さないが、その瞳には優馬たちへの信頼が見て取れた。

「君たちの戦いぶりを見ていると、なんというか……妙に安心できるな。普通、こんな状況で笑って話をする余裕なんてあるはずがないが」

カイはそう言って、少しだけ皮肉交じりに微笑む。その言葉に優馬も苦笑しながら肩をすくめた。

「まあ、俺たちのやり方だからな。緊張しっぱなしだと、気が滅入っちまうだろ? ちょっとくらい楽しい時間があった方が、俺たちも精霊たちも元気になるしさ」

「確かに……合理的かつ、悪くない考え方だ」

カイはそう答えると、再び優馬から受け取ったポーションを見つめ、感心したように口に運んだ。ほんのり甘く、ハーブの爽やかな香りが体に広がり、彼の疲れを少し和らげた。

「これも君の手作りか……錬金術と料理、君は本当に器用だな。冒険者というより、むしろ生活の達人という感じだ」

「それって褒めてるのか、どうなのか……。まあ、カイが少しでも休めたならいいけどさ」

優馬の苦笑を見て、カイもほんのわずかに口元を緩めた。彼にとって、優馬のように飾らない性格の仲間は、少し新鮮だったのかもしれない。

そして、コハクもまた、優馬からもらったクッキーを喜んで食べている。大きな白い体を森の葉の上に横たえ、口をぱくぱくと動かしながら甘い香りを楽しんでいた。

「コハク、お前もちゃんと味わって食べろよ。そんなに慌てなくても、まだたくさんあるからさ」

優馬が笑いながら言うと、コハクは「ワン」と短く鳴いて尻尾を振る。その仕草には、どこか安心感と、仲間たちと一緒にいられる喜びが感じられた。

リリアはそんなコハクを見て微笑み、彼の背中を優しく撫でる。

「ふふ、コハクも本当に嬉しそうです。こうやってみんなで過ごせる時間が、一番の癒しですね……」

「そうだな、リリア。こういう時間があるから、次の戦いも乗り越えられるってもんだ」

優馬の言葉に、リリアも深く頷き、カイもまた視線を森の木々へと移す。

「……だが、この平穏を守るためには、我々のやるべきことはまだ多い。次の霧の発生源も調査しなければならない」

「そうだな。王都の周りで起きている異変を止めるためにも、早く霧の元を見つけて浄化しないと……」

優馬は真剣な表情で頷き、リュックに錬金術の道具をしまい込む。彼の中には、仲間たちとともにこの世界を守るために戦う決意が固まっていた。

戦いの緊張感が徐々に解け、再び平和な時間が戻ってきた。だが、その合間にも、彼らは次の冒険への準備を怠ることはない。

「さて、そろそろ王都に戻って、次の対策を練ろうか。まだまだ、やるべきことがたくさんあるからな」

優馬が立ち上がり、リリアとカイもそれに続く。コハクもまた、大きく伸びをして立ち上がり、彼らのそばに寄り添った。

「精霊たちもきっと、私たちが次に何をすべきかを見守ってくれていると思います。だからこそ、私ももっと強くなりたい……優馬さん、カイさん、コハク、皆さんと一緒に」

「君がその気なら、私も手を貸そう。まだ君たちには、学んでもらいたいことがたくさんある」

カイの言葉にリリアは笑顔を浮かべ、優馬も同じように微笑みを返した。

こうして、彼らは再び王都へと足を向ける。戦いと休息を繰り返しながら、優馬たちは着実に強くなっていく。彼らを待ち受ける新たな冒険に備えつつ、仲間との絆が深まるその時間こそが、彼らの力の源であると、優馬は確信していた。
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