転生特典：錬金術師スキルを習得しました！

第4章：精霊とともに

第27話 子精霊の導きと、精霊の森の神殿

子精霊に導かれるままに進むと、やがて森の奥に隠された神秘的な場所へと辿り着いた。そこには古びた石造りの神殿が建ち、周囲を取り囲む木々からは無数の精霊たちが集まっていた。神殿の上空には月のような光が浮かび、辺り一帯が柔らかな光に包まれている。

「これが……精霊の神殿……」

リリアはその光景に感動して、目を見張った。神殿の前に立つ石碑には、再び精霊語が刻まれている。

「『精霊と共に、真の力を知る者よ、試練を越えよ』……」

リリアがその文字を読み上げると、精霊たちの光が強くなり、子精霊も彼女の肩に乗って輝いている。

「リリア、ここが俺たちの次の試練の場所みたいだな」

「うん……優馬さん、コハク、私たち、ここでまた成長できる気がします」

リリアは精霊石を握りしめ、精霊たちの光に包まれながら決意を新たにした。そして、優馬も彼女とコハクの隣に立ち、再び旅の続きへと足を踏み出す。

「俺たちがここまで来れたのも、こうやってリリアとコハクと一緒にいるからだ。どんな試練でも乗り越えられるさ」

「ワン！」と元気よく鳴くコハクもまた、その場で跳ねるように喜びを示し、三人は精霊の神殿の扉へと手を伸ばした。

こうして、優馬、リリア、コハクは精霊の神殿での新たな試練に挑むことになった。そこには、彼らがまだ知らない精霊の真実と、さらなる力が眠っている。だが、同時にほのぼのとした日常の時間も、彼らにとってかけがえのない癒しと希望の源となっている。

この穏やかな時間が、彼らの旅を支え、新たな冒険の力となっていくのだろう。