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第4章：精霊とともに

第25話 森の精霊たちの歓迎

翌朝、優馬、リリア、コハクは早朝の澄んだ空気の中で目を覚ました。ルナフォレストの朝は、鳥たちのさえずりとともに訪れ、木漏れ日が森を照らしていた。昨夜の焚き火の残り火をかき集めながら、優馬はリリアに声をかける。

「リリア、おはよう。昨夜はよく眠れたか？」

「おはようございます、優馬さん。はい、こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりです……森の精霊たちも、私たちを見守ってくれていたみたいです」

リリアは朝露で濡れた精霊石を手のひらに載せて微笑んだ。石からは微かに淡い光が漏れ、まるで精霊たちが彼女に挨拶をしているかのようだ。

コハクも優馬の隣で伸びをして、琥珀色の瞳を細めながら空気を吸い込んでいる。その姿は、まるでこの森を一緒に楽しんでいるように見えた。

「さあ、朝ご飯を作るから、少し待っててくれよ」

優馬は昨夜の残り物や新しく採取したキノコを使って簡単なスープを用意し、リリアとコハクに差し出した。朝日を浴びながら飲む温かいスープは、体の芯から温まるような味わいがあった。

朝食を終えた後、優馬たちはエレメンタルの泉の奥にあるという「精霊の神殿」を目指して進み始めた。道中、彼らは森の中で珍しい植物や小さな動物たちを見かけ、リリアはその一つ一つに目を輝かせていた。

「見てください、優馬さん。この花、夜になると光るんです。『月影の花』っていって、精霊たちが好む植物なんです」

リリアが指差したのは、淡い青い光を放つ小さな花だった。優馬は興味深そうにその花を手に取り、香りを嗅いでみた。

「へぇ、香りが甘くて、なんだか落ち着くな……。これ、ポーションの材料にもなりそうだな」

「はい、この花を使えば、リラックス効果のあるポーションが作れるんです。精霊たちもその香りが大好きで、よくそばに集まってくるんですよ」

リリアは嬉しそうに説明し、優馬もその知識に感心したように頷く。

「リリア、君が教えてくれたおかげで、この森のことがどんどん分かってくるよ。せっかくだから、この花を使って新しいレシピに挑戦してみようかな」

「うふふ、それは楽しみですね。優馬さんの新しいポーション、私もすごく気になります！」

そんなほのぼのとした会話をしながら、優馬たちはゆっくりと森を進んでいった。木々の間から差し込む光がまばゆく、道中で見つけた植物や動物たちが、彼らの冒険に小さな彩りを添えていた。