転生特典：錬金術師スキルを習得しました！

第3章：新たなる旅の始まり

第21話 新しい目的地「ルナフォレスト」

優馬たちの次の目的地は、王都の北東に広がる「ルナフォレスト」という広大な森だ。そこには、古の精霊が眠ると伝えられ、さらに深い精霊の知識と力を得られる場所とされている。また、リリアの精霊の力を狙う謎の者たちの手がかりも、その森にあるという噂を聞いたのだ。

「ルナフォレストには、もっと強い精霊たちがいるはずだし、俺たちの力を試すには絶好の場所だな」

優馬は地図を広げながら、次の旅路を確認する。リリアもその地図を覗き込み、真剣な表情で頷いた。

「はい。ルナフォレストの奥には、精霊の神殿があると聞きました。そこには、もっと古い精霊の記録が残っているかもしれません」

「王都を襲った者たちの真の目的も、きっとその神殿に関連している気がする。何が待っているか分からないけど、俺たちで乗り越えよう」

優馬が決意を込めて言うと、コハクはリリアと優馬の顔を交互に見ながら「ワン！」と短く鳴いた。

「ありがとう、コハク。お前がいてくれると心強いよ」

リリアもコハクの頭を撫で、彼に笑顔を向ける。コハクは満足げに目を細め、二人に寄り添うようにそばに立っていた。

出発を翌日に控えたその夜、優馬たちは宿の部屋で最後の夕食を楽しんでいた。優馬は特製の「リュナの実と精霊の葉のシチュー」を作り、リリアとコハクと一緒に食卓を囲んでいる。

「優馬さん、このシチュー、本当に美味しいです……」

リリアは一口食べるたびに、目を輝かせて喜んでいる。リュナの実の甘さと精霊の葉の爽やかな香りが絶妙に混じり合い、優しい味わいが口の中に広がる。コハクも熱いシチューをハフハフと音を立てて食べ、尻尾をゆっくりと振っている。

「お前たちが美味しそうに食べてくれると、作りがいがあるよ。リリア、これからの旅はもっと険しくなるだろうけど、こうして美味しいものを食べて、また頑張ろうな」

「はい。私、頑張ります……優馬さんとコハクと一緒なら、どんな試練でも乗り越えられる気がします」

リリアの決意に満ちた言葉に、優馬は力強く頷いた。彼らはその後も穏やかな時間を過ごし、夜が更けるまで異世界の星空を眺めながら語り合った。