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第2章:大きな試練

第14話 精霊の加護を得た力

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エレメンタルの泉に辿り着いた優馬、コハク、リリアは、その前に立ち止まった。泉は神秘的な光を放ち、辺りを包む空気はこれまで以上に清らかで、魔力が満ち溢れているのが感じられる。まるでこの場所そのものが、生きた精霊のようだ。

「ここが……エレメンタルの泉……」

リリアは息を呑み、その神聖な光景を目に焼き付けるように見つめていた。泉の水面は静かに揺らぎ、彼女の手に握られた精霊石が淡く輝いている。

「リリア、この泉で精霊の力を解放すれば、君の力も、俺たちの錬金術も、もっと強くなるはずだ。だけど、無理はするなよ」

優馬はリリアの肩に手を置き、静かに語りかける。彼の顔には優しさと決意が入り混じった表情が浮かんでいた。リリアは彼の言葉に頷き、精霊石を泉の中央にかざした。

「はい……みんなを守るために、私はもっと強くなります」

リリアが精霊石に祈りを捧げると、石が泉の光と共鳴し、眩い光が放たれた。その光は泉の水を跳ね上げ、風が激しく舞い上がる。優馬とコハクはその強い風に目を細めながら、リリアの覚悟を見守る。

「リリア、しっかり! 俺たちも一緒だ!」

優馬は手元に持っていた「精霊融合ポーション」を取り出し、リリアに向かって投げる。リリアはそれを受け取り、一気に飲み干すと、体が精霊の力で輝き始めた。

「……風よ、火よ、水よ、大地よ……私に、あなたたちの力を!」

リリアが叫ぶと、エレメンタルの泉が一層強く輝き、精霊たちの力が彼女の体内に流れ込んでいく。その瞬間、泉から精霊の声が響き渡り、彼女の身体が精霊のオーラに包まれた。

リリアの身体から溢れ出す精霊の力は、まるで泉そのものが彼女と一体化したかのように強大だった。彼女の背中には風の精霊の羽のような透明な翼が現れ、周囲に漂う風が彼女に集まっている。優馬はその光景を見つめ、彼女が持つ力がどれほどのものかを感じ取っていた。

「すごい……これが精霊の力を受け継いだ姿か」

コハクもまた、リリアから発せられる力に感化されたように、周囲に漂う魔力を纏い、その琥珀色の瞳が一段と輝きを増していた。彼の白い毛並みは青白く光り、精霊の加護を得たように力強さを増している。

「コハク、お前もリリアの力を感じているんだな……。よし、俺も負けてられない!」

優馬は自分の錬金術セットを開き、リリアとコハクから得た精霊の力をポーションに注ぎ込む。新たな「精霊強化ポーション」は、従来のものよりもさらに強力な回復と、仲間の力を引き上げる効果を持っていた。

Lv3

【精霊強化ポーション】:精霊の力を高め、体力と魔力を急速に回復させる。使用者の力を数倍に引き上げる効果を持つ。
【精霊の盾】:精霊の力を使い、仲間を守るバリアを生成する。一定時間、攻撃を無効化できる。

「これで、王都を襲う敵とも戦えるはずだ。リリア、コハク、一緒に戻って、王都を守ろう!」

リリアは優馬の言葉に応じて翼を広げ、コハクも力強く吠えた。その声は森全体に響き渡り、彼らの覚悟を示すようだった。
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