転生特典：錬金術師スキルを習得しました！

第1章：異世界転生

第8話 冒険者登録

ギルドの建物は、町の中央広場のそばにあり、その外観は石造りで立派な造りだ。ドアを開けると、内部には冒険者たちが集まり、依頼の相談をしたり、酒を楽しんだりと賑わっている。

「思ったよりも活気があるな……。でも、この中でやっていけるだろうか」

少し不安に感じながらも、優馬はコハクと共に受付に向かう。受付には、ショートカットの銀髪を持つ女性が立っていた。彼女の名札には「ミリア」と書かれている。

「いらっしゃい、冒険者ギルド『エルクヴィル支部』へようこそ。初めてのご利用ですか？」

ミリアはにっこりと笑い、優馬を見つめる。

「あ、はい。俺は佐藤優馬っていいます。異世界から来て、錬金術師をしてるんですが……ギルドへの登録を考えていて」

「異世界から？　それは珍しいですね。でも錬金術師というのも素晴らしいです。こちらでは、錬金術師の需要も高いので、きっとお役に立てますよ」

ミリアは親しみやすい笑顔で優馬に登録書類を渡し、説明を始めた。登録に必要な書類を埋め、正式にギルドメンバーとなった優馬は、さっそくギルド内を案内されることになった。

「さて、それじゃあ優馬さんにとって、最初に受けやすい依頼をいくつか紹介しますね。こちらに掲示板がありまして、依頼がランク別に分かれています」

ミリアはギルドの掲示板を指差し、ランクが記された張り紙を説明する。依頼は簡単な雑用から、討伐や素材集めまで多岐にわたっている。

「最初はランクFの依頼をこなしていただきますが、錬金術師の方には、ポーションや薬草を求める依頼なんかがオススメですよ」

「なるほど。そういうのなら俺にもできそうだな」

優馬は掲示板に張られた依頼をいくつか見ていると、薬草の採取依頼が目に留まった。依頼内容は、町の近くにある丘で採れる「ミスティハーブ」という薬草を10株集めてほしいというものだ。

「これなら、素材集めのついでに、錬金術の研究もできそうだな」

優馬はその依頼を手に取り、ミリアに報告した。ミリアはにっこりと頷いて依頼書にスタンプを押し、優馬に向かって親指を立てる。

「いい選択です！　ミスティハーブはこのあたりで手に入りやすいし、ポーションの材料にも適しているんですよ。頑張ってくださいね！」

優馬はその言葉に励まされながら、コハクと一緒にギルドを後にした。