転生特典:錬金術師スキルを習得しました!【更新停止中】

雪月夜狐

文字の大きさ
上 下
4 / 112
第1章:異世界転生

第3話 初めての出会い

しおりを挟む
「よーし、これで素材は揃った!」

優馬は見つけた薬草や、きれいな水を錬金術セットに入れ、錬金術の手順に従って混ぜ合わせる。青白い光がチラチラと瞬き、手元には淡い緑色の液体が詰まった小瓶ができあがった。

「すげぇ、本当にポーションができた……」

彼は出来上がったポーションを眺め、まるで初めて料理を成功させた時のような感動を覚えた。
だが、その時――

「ガルル……」

どこからか低いうなり声が聞こえてきた。振り返ると、そこには大きな白い毛並みを持つ狼が一匹、じっと彼を見つめていた。

「うわっ、なんだこいつ!?」

狼は鋭い牙をむき出しにし、まるで優馬を威嚇するように吠えた。だが、よく見るとその足元には血が滲んでおり、怪我をしている様子だ。

「もしかして、こいつ……怪我してるのか?」

優馬はポーションの小瓶を見つめた。普通なら逃げ出すところだが、なぜか彼は狼の姿に親しみを感じていた。

「これ、試しにあげてみるか……」

彼は恐る恐るポーションを差し出し、狼に近づく。すると、狼は警戒しながらも鼻をクンクンと鳴らし、ポーションを舐め始めた。

「お、おお……飲んだ……」

すると、狼の傷口が見る見るうちに癒えていき、彼の方へ顔を向ける。その瞳には敵意がなく、むしろ何かを訴えかけるような温かさがあった。

「なんだ、結構かわいい顔してるじゃん……。よし、お前、今日から俺の相棒だ!」

優馬は狼の頭をそっと撫でた。すると、狼は満足そうに尻尾を振り、彼の足元に体を寄せてくる。

「ふふ、これからはお前と一緒に冒険だな。そうだ、名前をつけてやらないと……うーん、瞳が琥珀みたいな色してるし、『コハク』でどうだ?」

狼――コハクは嬉しそうに優馬の顔を舐めた。その温かい舌先に、優馬は思わず笑みをこぼした。

「よし、まずはこの森を抜けるところから始めるか。何が待っているか分からないけど……俺たち、最高のコンビになれそうだな!」

こうして、優馬とコハクの異世界での生活が始まったのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。 降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。 森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。 その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。 協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

処理中です...