テイマーのんびり生活！スライムと始めるVRMMOスローライフ

第7章：春を迎える準備

第52話 冬の終わりと、新たな芽吹き

氷の花の冒険から少し日が経ち、冬の終わりが近づいていた。森や牧場にはまだ雪が残るものの、時折感じられる春の気配が少しずつ仲間たちを元気づけている。ある朝、ヨウは仲間たちと一緒に牧場を見回っていると、雪の下から小さな緑の芽が顔を出しているのを見つけた。

「春が近づいているんだな……この芽が育てば、また新しい命が芽吹くよ」

「ぷにっ！」「ふわっ！」「もこっ！」「もふっ！」「ぽよん！」「ふにゃん！」「ぴょん！」「ぴっ！」「チュン！」「きゅんっ！」

仲間たちはそれぞれの声で応え、冬の静けさに別れを告げるように楽しそうに飛び跳ねたり、軽やかに牧場を走り回っていた。星霜の精霊も、新たな季節を迎える喜びを感じてか、いつも以上に柔らかく光を放っている。

ヨウは、仲間たちと一緒に春の準備を始めることに決めた。雪が解け始めた畑を耕し、春に植えるための種を用意したり、村にいる薬草師のメリーから、春の植物が芽吹きやすいようにと特別な土を分けてもらったりして、少しずつ準備が整っていく。

「みんな、この春も牧場を活気づけよう。ユキの氷晶の力で、まだ残る雪を少しずつ溶かして、畑を温める手助けをしよう」

ユキは誇らしげに鳴き、小さな体で雪を溶かすように光を放ち、仲間たちと一緒に畑を整えていった。セレスの癒しの羽も、畑に穏やかなエネルギーを与えてくれている。ふわりの風が吹き、柔らかな空気が牧場全体に春の息吹を運んでいく。

そして数日後、牧場には少しずつ緑が戻り、雪の下で眠っていた草や植物たちが顔を出し始めた。ヨウと仲間たちは春の訪れを実感しながら、牧場を再び活気づけることができた喜びで胸がいっぱいだった。

その日、ヨウは仲間たちと夜空の下で新しい季節への期待を語り合った。星霜の精霊が柔らかい光で彼らを包み込み、春の始まりを祝福しているようだった。

「みんな、春がやってくる。これからまた、新しい発見や冒険が待っているはずだよ」

「ぷにっ」「ふわっ」「もこっ」「もふっ」「ぽよん」「ふにゃん」「ぴょん」「ぴっ」「チュン！」「きゅんっ！」

仲間たちはそれぞれの声で応え、夜空を見上げながら、新しい季節への期待を膨らませていた。冬の冷気が徐々に和らぎ、温かな風が未来を優しく運んでくれる予感が漂っていた。