テイマーのんびり生活！スライムと始めるVRMMOスローライフ

第5章：新たな日常とさらなる冒険

第36話 村の祭典と、不思議な占い師

ミナが新たに加わり、仲間たちと過ごす日々がさらに賑やかになったヨウは、牧場での平和な生活を満喫していた。そんなある日、村で「星の収穫祭」という大きな祭典が開催されることを聞きつけた。この祭典は、星の夜を祝うと共に、村の恵みへの感謝を捧げるための行事だという。

「みんな、今日は星の収穫祭だってさ！お祭りには特別な屋台や面白い催し物がたくさんあるらしいから、みんなで楽しみに行こう！」

「ぷにっ！」「ふわっ！」「もこっ！」「もふっ！」「ぽよん！」「ふにゃん！」「ぴょん！」

七匹の仲間たちはそれぞれ嬉しそうに応え、ヨウと共に村の広場へ向かう準備を整えた。ミナも初めてのお祭りに興味津々で、耳をぴんと立てながら小さく跳ねている。

村の広場に着くと、そこには色とりどりの屋台が立ち並び、村中の人々や冒険者たちが集まっていた。新鮮な果物や手作りのお菓子、香ばしい焼きたてのパンに加え、村で採れた珍しいハーブや薬草も並んでいる。仲間たちはそれぞれに興味津々で屋台を見て回り、ヨウは彼らの様子に微笑みながら村の賑わいを楽しんでいた。

「ぷに、果物屋さんのところで好きな果物を見つけたかい？」

「ぷにっ！」

ぷには嬉しそうに跳ねながら、山盛りの果物を眺めている。ふわりは風でお菓子の香りを運び、シャボンは虹色の体で周りを照らして楽しんでいる。ムームーはのんびりと屋台を見て回り、もふとニャルはヨウの肩や膝であれこれ見ている。

お祭りを楽しんでいると、ヨウは不思議な雰囲気の屋台を見つけた。そこには「未来を照らす星の占い」と書かれた看板が立てられ、中には年配の占い師が静かに座っていた。彼女は大きな星の模様が描かれた布を纏い、手のひらで小さな水晶球を持っている。

「おや、若き冒険者よ。星が見守るあなたと、その愛らしい仲間たちの未来を占ってみないかい？」

占い師の優しい声に誘われ、ヨウは少し興味を引かれて占ってもらうことにした。仲間たちも一緒に並んで、占い師がどんなことを話してくれるのかワクワクしながら見守っている。

「君たちの未来には、光と影、そしてさらに深まる絆が待っている……」

占い師はそう呟きながら水晶球を見つめ、まるで何かを読み取るかのように静かに語り始めた。

「星の夜で絆を深めたあなたたちには、また新たな試練が訪れるかもしれない。しかし、それを乗り越えた先には、さらなる安らぎが待っていることでしょう」

ヨウはその言葉に少し驚きながらも、仲間たちとならどんな試練も乗り越えられると感じ、静かに頷いた。占い師は微笑みながら、ヨウの手のひらに小さな青い石をそっと置いた。

「この石は、星の守りを象徴するもの。大切な時にあなたたちを守ってくれることでしょう」

ヨウはその石を受け取り、感謝の気持ちを込めて占い師に頭を下げた。仲間たちもそれぞれ占い師にお礼を伝え、静かに屋台を後にした。

お祭りの最後には、村全体で花火が打ち上げられることになっていた。夜空に輝く星々に負けじと大きな花火が次々と打ち上がり、色とりどりの光が空を彩っている。仲間たちはその光景に目を輝かせ、それぞれが感動した表情で空を見上げていた。

「みんな、今日は楽しかったな。占いの言葉もあったけれど、どんな試練があってもみんなで力を合わせて進んでいこう」

「ぷにっ」「ふわっ」「もこっ」「もふっ」「ぽよん」「ふにゃん」「ぴょん！」

七匹の仲間たちはそれぞれの声で応え、ヨウに寄り添って彼を励ますように寄り添っている。彼らとの絆がさらに深まり、未来への期待がヨウの胸に膨らんでいった。

その夜、ヨウは牧場で仲間たちと星空を見上げ、占い師からもらった青い石を握りしめながら、これからも続く冒険と日常に思いを馳せた。星々が穏やかに瞬き、彼らの未来を優しく照らしているようだった。