上 下
32 / 91
第5章:新たな日常とさらなる冒険

第31話 季節の収穫と、仲間たちとの小さな手助け

しおりを挟む
新しい防具「星の鎧」を手に入れたヨウは、仲間たちと共に牧場でのんびりとした日々を過ごしていた。星の夜が去り、村は再び穏やかな日常を取り戻していたが、ヨウはそんな日々の一瞬一瞬がさらに愛おしく感じられるようになっていた。

ある晴れた朝、村の広場で収穫祭の準備が始まっているとの知らせを受け、ヨウは仲間たちと一緒に広場へと足を運ぶことにした。

「収穫祭かぁ。今年も美味しいものがたくさん出てきそうだな!みんな、今日は思いっきり楽しもう!」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」「ふにゃん!」

六匹の仲間たちはそれぞれに嬉しそうに応え、ヨウの足元を跳ねたり、空を飛び回ったりしてはしゃいでいる。彼らの元気いっぱいの様子に、ヨウも自然と微笑みがこぼれた。

広場に着くと、村の人々や冒険者たちが収穫祭の準備に忙しそうに動き回っていた。色とりどりの野菜や果物、焼きたてのパンや香ばしい料理が並び、収穫祭を盛り上げるための装飾が施されている。村全体が温かな雰囲気に包まれ、子供たちの楽しそうな笑い声も聞こえてきた。

ヨウは仲間たちと一緒に屋台を見て回りながら、収穫祭の賑わいを楽しんでいた。ぷには果物が並ぶ屋台に興味津々で飛び跳ね、ふわりは軽やかに宙を舞いながら風を送り、周囲の屋台に爽やかな空気を届けている。ムームーは草や野菜の匂いに誘われてゆっくりと歩き回り、もふはヨウの肩にしがみついて屋台を見て回っている。

そのとき、村の老農夫から声をかけられた。

「おや、ヨウ君。ちょうどいいところに来てくれたね。収穫祭の準備をしているんだが、少し手を貸してくれんかね?」

ヨウは喜んで手を貸すことにし、仲間たちと一緒に農夫の畑へ向かった。畑には新鮮な野菜や果物が並び、まさに収穫の真っ最中だった。

「みんな、この野菜を運ぶのを手伝ってくれ。さすがに一人じゃ大変だからな!」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」「ふにゃん!」

仲間たちはそれぞれ元気な声で応え、手伝いを始めた。ぷにはぴょんぴょん跳ねながら小さな果物を運び、ムームーは背中に野菜を乗せてゆっくりと運んでいる。ふわりは風の力で軽いものを浮かせ、もふはヨウの肩で状況を見渡しながらアドバイスを送っている。シャボンは体をふわふわと膨らませて軽い野菜を包み込むように運び、ニャルは果物をちょこんとくわえて愛らしく協力していた。

ヨウと仲間たちが手伝ったことで、収穫祭の準備がどんどん進んでいき、村の人々も次第に賑やかさを増していった。収穫した野菜や果物を見た子供たちが嬉しそうに駆け寄り、ヨウの仲間たちと遊び始める。

「ぷに、ふわり、みんなが手伝ってくれたおかげで準備が順調に進んだよ!ありがとう!」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」「ふにゃん!」

六匹はそれぞれ嬉しそうに応え、周りの村人たちからも「助かったよ、ありがとうね」と感謝の言葉をかけられていた。ヨウは村の人々とこうして支え合いながら過ごせることの喜びを感じながら、改めて村や仲間たちへの愛情が深まるのを感じた。

夕方になり、収穫祭が始まると、村人たちは広場に集まり、収穫した作物を使った料理を楽しみ始めた。ヨウも仲間たちと共に招かれ、色とりどりの料理を味わうことにした。パンにたっぷりのジャムを塗ったり、焼きたての野菜を食べたりと、村ならではの素朴で美味しい料理が次々と出てくる。

「みんな、今日は本当にお疲れ様!収穫祭を楽しんでくれてありがとう」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」「ふにゃん!」

仲間たちはヨウの言葉に応え、それぞれ楽しそうに料理を味わっている。ぷには甘い果物に大満足し、ムームーはたっぷりの野菜に顔を埋めている。ふわりは香ばしい風を運び、シャボンは体をふわふわと輝かせながら食べ物の香りを楽しみ、ニャルはヨウの膝で眠り始める。

その夜、収穫祭の宴が静かに幕を閉じ、ヨウと仲間たちは牧場へと帰った。星が瞬く夜空の下で、彼らは穏やかな時間を楽しみながら、村や仲間たちとの絆を深めた一日を振り返った。

「みんな、今日は本当に楽しかったな。これからもこうして、村のみんなと助け合いながら過ごしていこう」

「ぷにっ」「ふわっ」「もこっ」「もふっ」「ぽよん」「ふにゃん!」

仲間たちもヨウに寄り添い、それぞれに喜びの声を上げながら、ヨウの思いに応えている。ヨウは星空を見上げ、これからも続く穏やかな日常に感謝しながら、仲間たちと共に歩んでいく決意を新たにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~

雪月 夜狐
ファンタジー
異世界の冒険がしたい、だけど激しい戦闘や壮大な戦いはちょっと…。 そんな人にぴったりの、のんびりVRMMOファンタジーがここに誕生! 主人公アキは、仕事の合間に癒しを求めて「エターナル・ラプソディ」の世界にフルダイブ。 ネコマタというレアな種族でキャラクリし、素材集めや生産活動を楽しむことに。 仲間や街の住人たちとゆるやかに交流し、未知の素材や魔物と出会いながら、 自分らしい冒険の道を見つけていく。 ゆるふわな異世界で心のままに過ごすアキの姿は、日常の疲れを忘れさせてくれるはず。 癒しと発見が詰まった旅路、どうぞお楽しみに! 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/270920526】

人間だった竜人の番は、生まれ変わってエルフになったので、大好きなお父さんと暮らします

吉野屋
ファンタジー
 竜人国の皇太子の番として預言者に予言され妃になるため城に入った人間のシロアナだが、皇太子は人間の番と言う事実が受け入れられず、超塩対応だった。シロアナはそれならば人間の国へ帰りたいと思っていたが、イラつく皇太子の不手際のせいであっさり死んでしまった(人は竜人に比べてとても脆い存在)。  魂に傷を負った娘は、エルフの娘に生まれ変わる。  次の身体の父親はエルフの最高位の大魔術師を退き、妻が命と引き換えに生んだ娘と森で暮らす事を選んだ男だった。 【完結したお話を現在改稿中です。改稿しだい順次お話しをUPして行きます】  

ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で【最強の相棒】と一緒にのんびりまったりハチャメチャライフ!?~

俊郎
SF
『カスタムパートナーオンライン』。それは、唯一無二の相棒を自分好みにカスタマイズしていく、発表時点で大いに期待が寄せられた最新VRMMOだった。 が、リリース直前に運営会社は倒産。ゲームは秘密裏に、とある研究機関へ譲渡された。 現実世界に嫌気がさした松永雅夫はこのゲームを利用した実験へ誘われ、第二の人生を歩むべく参加を決めた。 しかし、雅夫の相棒は予期しないものになった。 相棒になった謎の物体にタマと名付け、第二の人生を開始した雅夫を待っていたのは、怒涛のようなユニークスキル無双。 チートとしか言えないような相乗効果を生み出すユニークスキルのお陰でステータスは異常な数値を突破して、スキルの倍率もおかしなことに。 強くなれば将来は安泰だと、困惑しながらも楽しくまったり暮らしていくお話。 この作品は小説家になろう様、ツギクル様、ノベルアップ様でも公開しています。 大体1話2000~3000字くらいでぼちぼち更新していきます。 初めてのVRMMOものなので応援よろしくお願いします。 基本コメディです。 あまり難しく考えずお読みください。 Twitterです。 更新情報等呟くと思います。良ければフォロー等宜しくお願いします。 https://twitter.com/shiroutotoshiro?s=09

チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。
ファンタジー
VRゲーム【Another world・Online】βテストをソロでクリアした主人公──────雲母八雲。 βテスト最後のボスを倒すと、謎のアイテム【スキルの素】を入手する。不思議に思いつつも、もうこのゲームの中に居る必要はないためアイテムの事を深く考えずにログアウトする。 そして、本サービス開始時刻と同時に【Another world・Online】にダイブし、そこで謎アイテム【スキルの素】が出てきてチート級スキルを10個作ることに。 そこで作ったチート級スキルを手に、【Another world・Online】の世界をやりたいことだけ謳歌する! ※ゆるーくやっていくので、戦闘シーンなどの描写には期待しないでください。 ※処女作ですので、誤字脱字、設定の矛盾などがあると思います。あったら是非教えてください! ※感想は出来るだけ返信します。わからない点、意味不明な点があったら教えてください。(アンチコメはスルーします)

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?

名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」 「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」 「それは貴様が無能だからだ!」 「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」 「黙れ、とっととここから消えるがいい!」  それは突然の出来事だった。  SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。  そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。 「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」 「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」 「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」  ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。  その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。 「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」

ブラック宮廷から解放されたので、のんびりスローライフを始めます! ~最強ゴーレム使いの気ままな森暮らし~

ヒツキノドカ
ファンタジー
「クレイ・ウェスタ―! 貴様を宮廷から追放する!」  ブラック宮廷に勤めるゴーレム使いのクレイ・ウェスターはある日突然クビを宣告される。  理由は『不当に高い素材を買いあさったこと』とされたが……それはクレイに嫉妬する、宮廷魔術師団長の策略だった。  追放されたクレイは、自由なスローライフを求めて辺境の森へと向かう。  そこで主人公は得意のゴーレム魔術を生かしてあっという間に快適な生活を手に入れる。    一方宮廷では、クレイがいなくなったことで様々なトラブルが発生。  宮廷魔術師団長は知らなかった。  クレイがどれほど宮廷にとって重要な人物だったのか。  そして、自分では穴埋めできないほどにクレイと実力が離れていたことも。  「こんなはずでは……」と嘆きながら宮廷魔術師団長はクレイの元に向かい、戻ってくるように懇願するが、すでに理想の生活を手に入れたクレイにあっさり断られてしまう。  これはブラック宮廷から解放された天才ゴーレム使いの青年が、念願の自由なスローライフを満喫する話。 ーーーーーー ーーー ※4/29HOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝! ※推敲はしていますが、誤字脱字があるかもしれません。 見つけた際はご報告いただけますと幸いです……

処理中です...