テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ【更新停止中】

雪月夜狐

文字の大きさ
上 下
29 / 91
第5章:新たな日常とさらなる冒険

第28話 穏やかな日々と、新しい仲間の予感

しおりを挟む
星の夜を乗り越え、村には再び穏やかな日常が戻った。ヨウは仲間たちと共に、牧場でのんびりとした生活を楽しんでいた。星の夜で得た新たな力と絆を胸に、彼はこれからの日々を大切に過ごしていこうと心に決めている。

ある朝、ヨウは牧場で仲間たちといつも通りの朝を迎えていた。ぷには朝の霧の中を跳ね回り、ふわりは朝陽を浴びながら風に乗っている。ムームーは牧草をゆっくり食べ、もふはヨウの肩に乗って嬉しそうに辺りを眺めている。シャボンはぷにと一緒に跳ねながら、時折虹色の光を放って周囲を明るく照らしていた。

「みんな、今日も穏やかな一日になりそうだな」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」

仲間たちもヨウに賛同するようにそれぞれ元気な声で応え、彼の周りに集まってくれた。その平和なひとときに包まれていると、ヨウの胸には穏やかで温かな気持ちが広がっていく。

そんな時、村の広場で新しい告知がされているとの知らせがヨウの元に届いた。村の冒険者ギルドが星の夜を祝って、特別なイベントを企画しているらしい。どうやら、「星の祝祭」と呼ばれるイベントで、村人たちも冒険者たちも参加できる楽しい催しになるとのことだ。

ヨウは仲間たちと一緒に広場へ向かうことにした。

広場に着くと、村の人々や冒険者たちが集まっており、広場の中央には特別な装飾が施された祭壇が飾られている。星の夜を記念したイベントとあって、いつもよりも村全体が華やかな雰囲気に包まれていた。

「ヨウさん、いらっしゃい!」

ギルドの受付嬢リナリーが手を振りながら、ヨウを歓迎してくれた。彼女は星の模様が描かれた美しい服を身にまとい、祭りの雰囲気にぴったりの装いだった。

「リナリーさん、今日はありがとうございます!星の夜のお祝いって、どんなことがあるんですか?」

「ええ、実は村の外れに新しく出現した洞窟があって、そこに行く冒険イベントが用意されているんです。その洞窟には特別な素材や、星の夜の影響で生まれた珍しいモンスターもいるらしいですよ」

ヨウはリナリーの話に興味を引かれ、新しい冒険への期待が膨らんできた。

「みんな、どうだ?一緒に行ってみようか」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」

仲間たちはそれぞれ元気に応え、新しい冒険に心を弾ませている。ヨウは村人たちやギルドの仲間たちに見送られながら、早速その洞窟に向かうことにした。

洞窟の入り口は、村の西に位置し、星の夜が終わった直後に突如現れた場所だった。ヨウはその神秘的な雰囲気に圧倒されつつも、仲間たちと共に足を踏み入れた。

洞窟の中は、天井に青い結晶が散りばめられており、まるで星空のように輝いている。仲間たちはその光景に興味津々で、ぷには跳ね回り、ふわりは宙を舞い、シャボンは輝きを増して洞窟を彩っている。

「ここ、本当に綺麗だな……まるで星の中を歩いているみたいだ」

洞窟の奥に進むと、不意に小さな影がヨウの前に現れた。それは、小柄でふわふわとした毛並みを持ち、青い瞳でヨウたちを見上げている可愛らしいモンスターだった。ヨウがそのモンスターに手を伸ばすと、彼もまた興味を持ったのか、近づいてきた。

「もしかして、君も仲間になりたいのかな?」

ヨウの優しい声に、そのモンスターは小さく「ふにゃん」と鳴き、ヨウの手にすり寄ってきた。その愛らしい仕草に、ヨウは微笑んでそのモンスターをそっと抱き上げた。

「よし、お前の名前は『ニャル』だ!今日から僕たちの仲間だよ」

「ふにゃん!」

ニャルはヨウの言葉に応えるように小さく鳴き、他の仲間たちもそれぞれ歓迎するように近づいて、ニャルと触れ合っている。ぷには嬉しそうにニャルの周りで跳ね、ふわりは優しい風でその毛並みを撫で、ムームーやもふも興味津々にニャルを見つめていた。シャボンもまた、ニャルを囲むようにふわりと飛び回り、虹色の光で歓迎の輪を作っている。

ヨウと仲間たちは、新しい仲間ニャルを加え、さらに奥へと進み、星の夜がもたらした特別な素材をいくつか見つけることに成功した。新たな仲間と共に歩むこれからの日々に、ヨウの胸は期待と喜びでいっぱいだった。

帰り道、ヨウは仲間たちと共に洞窟の美しい光景を後にし、村へと帰った。広場では再び祝祭が行われており、村人たちが星の夜の平和を祝う声が響いていた。

その夜、ヨウは牧場で仲間たちと星空を見上げ、新しい仲間が増えたことに感謝しながら語りかけた。

「みんな、また一緒に楽しい日々を過ごしていこう。これからも僕たちの大切な村と平和を守るために、力を合わせて頑張ろうな」

「ぷにっ」「ふわっ」「もこっ」「もふっ」「ぽよん!」「ふにゃん!」

六匹の仲間たちはそれぞれに元気な声を上げ、ヨウに寄り添うように彼の周りを囲んでくれた。彼らとの新しい日々が始まることに胸を膨らませ、ヨウはこれからも穏やかな冒険と日常を共に楽しむ決意を新たにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

動物大好きな子が動物と遊んでいたらいつの間にか最強に!!!!

常光 なる
ファンタジー
これは生き物大好きの一ノ瀬夜月(いちのせ ないと)が有名なVRMMOゲーム Shine stay Onlineというゲームで 色々な生き物と触れて和気あいあいとする ほのぼの系ストーリー のはずが夜月はいつの間にか有名なプレーヤーになっていく…………

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~

仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。 ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。 ガチャ好きすぎて書いてしまった。

【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます

鳥山正人
ファンタジー
検証が大好きな主人公、三上ハヤト。 このゲームではブロンズ称号、シルバー称号、ゴールド称号が確認されている。 それ以上の称号があるかもしれないと思い、スライムを100万匹倒したらプラチナ称号を手に入れた主人公。 その称号効果はスライム種族特効効果。 そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・ このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。 主人公は経験値でモンスターを殴ります。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

スキルガチャで異世界を冒険しよう

つちねこ
ファンタジー
異世界に召喚されて手に入れたスキルは「ガチャ」だった。 それはガチャガチャを回すことで様々な魔道具やスキルが入手できる優れものスキル。 しかしながら、お城で披露した際にただのポーション精製スキルと勘違いされてしまう。 お偉いさん方による検討の結果、監視の目はつくもののあっさりと追放されてしまう事態に……。 そんな世知辛い異世界でのスタートからもめげることなく頑張る主人公ニール(銭形にぎる)。 少しずつ信頼できる仲間や知り合いが増え、何とか生活の基盤を作れるようになっていく。そんなニールにスキル「ガチャ」は少しづつ奇跡を起こしはじめる。

処理中です...