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第2章:モンスターとの暮らし

第13話 ムームーの毛刈りと、新しい出会い

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翌朝、ヨウは牧場で気持ちよく伸びをしながらログインした。収穫祭の余韻が残る中、今日も牧場でのんびりとした一日を過ごすつもりで、まずはぷに、ふわり、ムームーの様子を確認する。三匹とも元気そうにヨウの周りを跳ねたり、寄り添ったりしてきて、朝から彼の心を和ませてくれる。

「みんな、おはよう!今日も楽しく過ごそうな」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」

ヨウはふわりとぷにを撫でた後、ふとムームーのふわふわとした毛に目を留めた。収穫祭を経て少し成長したのか、毛が以前よりももこもこと厚くなり、まるで小さな毛玉のようになっている。

「ムームー、お前の毛、ずいぶん伸びたなあ。これ、定期的に刈ってあげた方がいいのかもな」

ヨウはムームーのふわふわの毛を軽く触ってみた。温かくて柔らかく、まるで手作りのぬいぐるみのようだ。ムームーはくすぐったそうに小さく「もこっ!」と鳴き、嬉しそうにヨウにすり寄ってくる。

「よし、今日はムームーの毛を刈ってやろう。刈った毛で何か作れたら、それもまた面白そうだしな」

村の広場には、動物の毛刈り用のハサミが売られている。ヨウはムームーを連れて広場に向かい、テイム商人のフレッドから専用のハサミを購入することにした。ムームーの体を優しく包む毛を刈るためのハサミは、刃先が丸く、動物に優しい設計がされている。

「これなら安心して毛を刈れるな。ありがとう、フレッド」

「どういたしまして。ウールラムの毛は温かいから、村でも人気の素材だよ。大事に使ってやってくれ」

ヨウはフレッドに礼を言い、ムームーと共に牧場へ戻った。広場では、他のプレイヤーたちも賑やかに過ごしており、皆がそれぞれのスローライフを楽しんでいる様子だった。

牧場に戻り、ヨウはムームーを木陰に座らせ、ふわりとぷににも見守られながら毛刈りを始めることにした。

「ムームー、じっとしててくれよ。すぐに終わるからな」

「もこっ!」

ムームーはおとなしく座り、ヨウに身を任せている。ハサミを軽く入れると、ふわふわの毛が静かに刈り取られていく。ムームーは時折くすぐったそうに体を揺らすが、特に嫌がることもなく、ヨウの手元を見守っている。ぷにはその様子を興味津々といった表情で眺め、ふわりも小さく羽ばたきながら毛刈りの様子を見守っている。

「よし、少しずつ慣れてきたぞ……」

ヨウが慎重に毛を刈っていくと、次第にムームーの体がすっきりしていく。刈り取られた毛は柔らかく温かく、こんなにふわふわした毛で何かを作れるかと思うと、ヨウも自然と笑顔になる。

「これでムームーも快適になっただろう?」

「もこっ!」

ムームーは嬉しそうに体を揺らし、軽やかに跳ねてみせる。毛を刈り終えたことで少し身軽になったようで、その動きが以前よりも軽快に見えた。ヨウは刈り取ったムームーの毛をまとめ、これで何かクラフトができないかと考える。

「この毛で、冬用の服とか、ふわりとぷにのベッドカバーを作ったら面白そうだな」

ふわりも「ふわっ!」と鳴いて羽を広げ、ぷにも「ぷにっ!」と楽しそうに跳ねている。三匹が嬉しそうな姿を見て、ヨウの胸は温かな気持ちで満たされていた。

そのとき、村の広場から小さな子供の声が聞こえてきた。

「ねえ、ちょっと待って!お願いだから逃げないでー!」

ヨウは声の方を振り向くと、村の小さな子供たちが小さなモンスターを追いかけているのが見えた。そのモンスターは、体がふわふわとした薄茶色の毛で覆われており、まるで小さなイタチのような可愛らしい姿をしている。

「なんだあれは……」

ヨウは少し興味を持ち、三匹を連れて広場に向かった。村の子供たちは楽しそうにそのモンスターを追いかけ回しているが、モンスターも逃げ足が速く、次々と子供たちの手をすり抜けていく。

「お兄さん、あのモンスター捕まえてくれない?」

一人の男の子がヨウにお願いしてきた。どうやら、そのモンスターは村で人気の「フワモン」というおとなしいモンスターで、子供たちの遊び相手になっているらしい。

「分かった、ちょっと手を貸してみるよ」

ヨウは軽く頷き、ふわりに目配せをした。

「ふわり、ちょっと風を起こして、あいつをこっちに誘導してくれないか?」

「ふわっ!」

ふわりは小さく羽ばたき、風を巻き起こしてフワモンの進路をヨウのほうに誘導した。ふわふわの毛を揺らしながら、フワモンはまるで楽しそうにヨウのほうへと転がるようにやってきた。

「よし、いいぞ、ふわり!」

ヨウは手を広げてフワモンの前に立ち、優しく声をかけた。

「大丈夫だよ。おいで、フワモン。俺たちと一緒に遊ばないか?」

フワモンはヨウの声に反応し、くりくりとした瞳でヨウを見上げた。少しおびえたようにヨウの手を見ていたが、彼の優しい表情に安心したのか、ふわふわとした体をヨウの手のひらに乗せてきた。

「おお、よしよし。お前も可愛いなぁ」

フワモンは体をすり寄せ、まるでヨウに甘えるようにして「もふっ」と鳴き声をあげた。その姿があまりにも愛らしく、ヨウはすっかり心を奪われてしまった。

「ぷに、ふわり、ムームー、どうする?この子も仲間にして、一緒に暮らしてみないか?」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」

三匹も賛成のように鳴き、フワモンの周りを嬉しそうに跳ね回った。こうして、新しい仲間「もふ」がヨウの牧場に加わることが決まった。

ヨウはフワモン――「もふ」を連れて牧場に戻り、さっそく彼の居場所を整えることにした。刈り取ったムームーの毛を使って、もふが心地よく眠れる小さなベッドを作り、ぷにやふわりたちと一緒にリラックスできるスペースを作った。

もふは新しい環境にすぐに慣れ、ふわりと一緒に空を見上げたり、ぷにと軽く触れ合ったりして、牧場での生活を満喫しているようだった。ムームーも、もふに自分のふわふわした体を少し触らせてあげるなど、すぐに仲良くなった。

その夜、ヨウは焚き火を囲んで四匹のモンスターと過ごしていた。牧場がますます賑やかになり、家族が増えたことが心から嬉しかった。

「もふ、これからよろしくな。みんなで仲良く過ごそう!」

「もふっ!」

もふは嬉しそうにヨウに寄り添い、ふわふわの体をすり寄せてきた。ヨウはそっともふを撫で、ふわりとぷに、ムームーもそれぞれの場所でリラックスしている姿を見て、穏やかな気持ちに包まれた。

「おやすみ、みんな。また明日も楽しい一日にしような」

夜空に輝く星々が、ヨウと彼の家族のような仲間たちを優しく見守っていた。
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