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第2章:モンスターとの暮らし

第8話 新たな従魔「フワリウム」との出会い

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収穫祭が終わり、グリーンリーフ村はいつも通りの穏やかな日常に戻っていた。ヨウはぷにとのんびりとした日々を楽しみながら、次の目標に向けて少しずつ準備を進めていた。

「ぷに、今日は村の外れにある小さな牧場に行ってみないか?」

「ぷにっ!」

ぷには嬉しそうに跳ねてヨウの足元に寄り添う。ヨウは最近、ぷに以外にも新しい仲間を増やしたいと考えるようになっていた。スローライフを送りながら、もっと賑やかで温かい牧場を作りたい。そんな願いが彼の中で芽生えていたのだ。

村の外れにある牧場は、NPCのミアが管理している小さな牧場だ。ミアは動物やモンスターの世話をするのが得意で、テイマーとしてのヨウにとってもよき相談相手だった。ヨウが牧場に着くと、ミアが笑顔で手を振って出迎えてくれた。

「ヨウ、いらっしゃい!今日は何の用?」

「うん、実はぷに以外にも新しいモンスターを仲間にしたくてね。少しだけ見学させてもらおうと思って」

「なるほど、いい心がけね!うちの牧場には、いろんなモンスターがいるから、気に入った子がいれば教えてね」

そう言って、ミアはヨウを牧場の奥へ案内した。広い牧場には小さなヒツジのようなモンスター「ウールラム」や、草を食むウサギ型のモンスター「フワフワラビット」など、可愛らしい従魔たちがのんびりと過ごしている。その中で、ひときわ目を引いたのは、ふわふわと浮かぶように歩く小さなヒヨコ型のモンスターだった。

「この子は……?」

「ああ、気に入った?この子はフワリウムって言って、風の力を持ったヒヨコ型モンスターなの。とっても人懐っこくて、癒されるよ」

ミアが指さしたそのモンスターは、体全体が柔らかそうな黄色い羽毛で覆われており、どことなくぷにと似たような愛らしさを感じさせる。ヨウが近づくと、フワリウムも興味津々といった様子でヨウに寄ってきた。

「お前も仲間になりたいか?」

ヨウがそっと手を伸ばすと、フワリウムはヨウの手に頭をすり寄せるようにして甘えてきた。その仕草に、思わずヨウの心がほっこりと温かくなる。

「よし、それならお前も仲間にしよう。これからよろしくな、フワリウム」

フワリウム テイム成功!

フワリウムがヨウの仲間に加わり、彼の牧場に新たな命が吹き込まれた。ヨウはさっそくフワリウムを牧場に連れて帰り、ぷにと対面させてみることにした。

ヨウの牧場に戻ると、ぷには新しい仲間のフワリウムに興味津々といった様子で近づいてきた。フワリウムも、ぷにの透明でぷよぷよした体が気になるようで、くんくんと匂いを嗅ぐ。二匹が初めての挨拶を交わす様子を見て、ヨウは思わず笑顔になった。

「お前たち、仲良くやっていけそうだな」

「ぷにっ!」「ふわっ!」

ぷには嬉しそうに体を揺らし、フワリウムも小さく羽を広げて応える。二匹の姿はまるで兄弟のようで、見ているだけで癒される。

さっそくヨウは、二匹のために夕食を作ることにした。今日は手持ちのキャベツやニンジンを使って、シンプルな野菜スープを作ることに決めた。ぷには以前から野菜スープが大好きだったし、フワリウムも新しい環境でリラックスできるよう、美味しいご飯を食べさせてあげたかった。

「さて、ぷに、今日はお前も『鍋モード』になってくれるか?」

「ぷにっ!」

ぷには鍋に変形し、スープの準備を整えた。ヨウはキャベツとニンジンを丁寧に刻み、ぷにの鍋に入れていく。火をかけると、ふわりと香ばしい野菜の香りが漂い始めた。

「フワリウム、お前も楽しみにしててくれよ」

「ふわっ!」

ヨウが話しかけると、フワリウムも期待に満ちた目でスープを見つめ、時折「ふわふわ」と小さく跳ねている。その愛らしい仕草に、ヨウの心もほっこりと和む。

やがてスープが煮立ち、完成したスープを二匹のために小分けして差し出した。ぷにはいつものように一口ごとに嬉しそうな顔を見せ、フワリウムも初めてのスープに感激した様子でピヨピヨと鳴きながら食べている。

ぷに&フワリウムの特製野菜スープ
【効果】:HP回復(小)、リラックス効果(中)
【材料】:キャベツ×1、ニンジン×1、水×1

「どうだ、ぷに?フワリウムも、気に入ってくれたみたいだな」

「ぷにっ!」「ふわっ!」

二匹が満足そうに食事を終えた姿を見て、ヨウは自分も自然と満ち足りた気持ちになった。こんな風に仲間たちと一緒に過ごし、喜びを分かち合える――それが、何よりも贅沢な時間だと感じる。

夜になり、ヨウは牧場の片隅に焚き火を焚き、ぷにとフワリウムを囲んで静かな時間を過ごしていた。星が瞬く夜空の下、二匹のモンスターが寄り添って眠る姿は、まるで小さな家族のようだった。

「今日はありがとうな、ぷに、フワリウム。お前たちのおかげで、本当に幸せな気持ちになれるよ」

「ぷに……」「ふわ……」

焚き火の温かな光が二匹の体を包み込み、彼らは安心しきった様子で小さく息をついている。その姿を見ていると、ヨウの心にも優しい眠気が広がり、瞼が少しずつ重くなっていった。

ヨウは牧場に小さなテントを張り、その夜は二匹と一緒に眠ることにした。現実では味わえない穏やかな時間に、彼は心の底から感謝の気持ちを抱いていた。

「おやすみ、ぷに……フワリウム……」

そう呟き、ヨウは穏やかな寝息を立てて眠りについた。牧場の静かな夜は続き、彼と二匹のモンスターの寝顔を、満天の星々が優しく見守っていた。
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