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1巻
1-3
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父上の紹介を受け、僕は一歩前に出て頭を下げた。
「よろしくお願いします!」
最初に注目を集めたのは、冒険者向けに開発したライトだった。僕はその仕組みを簡単に説明し、実際に点灯してみせた。
「このライトは、特殊な触媒マギステライトとエルメタルを基盤に設計しています。魔力を効率よく光に変換して、長時間の使用を可能にしました。また、防水性能を備えており、どんな環境でもお使いいただけます」
ライトが青白い光を放つと、周囲からは小さな驚きの声が漏れた。
「こんなに小型で明るい光を放つとは……」
「ここまで効率的な設計の魔道具は珍しい」
興味深そうにライトを手に取って性能を確かめている貴族や商人たちに、僕は説明を続ける。
「この試作品では、新しく購入した魔力線細工も採用しています。この細工を使うことで、魔力の流れをより安定させ、さらなる性能向上を実現しています」
試作品を手にした一人の商人が、じっくりと観察しながら僕に質問してきた。
「この魔道具は、どの程度の魔力量で動くのか?」
「わずかな魔力量で十分です。一般的な魔力鉱でも長時間の使用が可能です」
「なるほど。それなら、特別な資源を必要とせず、多くの人に使ってもらえそうだ」
その言葉に、僕はほっと胸を撫で下ろした。
説明が終わる頃には、僕の魔道具に興味を示した多くの貴族や商人から、商談や注文の話が舞い込んできた。
その言葉が僕にとって何よりの励みだった。
夕方、披露を終えた僕たちは宿に戻って、父上と成果を振り返った。
父上は満足げに頷きながら、僕に言った。
「よくやった、エルヴィン。お前の発明は確かに評価されている。今日の反応を見てどう思った?」
「はい、とても嬉しかったです。でも、もっと改良の余地があるとも感じました」
「その気持ちを忘れるな。王都は挑戦と機会に満ちた場所だ。今日の実績を糧に、さらに励むのだ」
父上の言葉を噛み締めながら、僕は次の発明への意欲を燃やしたのだった。
◇
王都での発明披露が終わった翌日、僕は一息つくために宿を出て散歩に出かけることにした。
父上は商談が続き、ロバートはその手伝いで忙しそうだったので、今日は一人だ。
王都の路地裏には、中央広場や職人街とはまた違う顔があった。小さな店での生活感があるやりとりや、子供たちが走り回る姿を見て、なんだか心が和む。
「ねえ、あんたも一緒に遊ばない?」
声をかけてきたのは、この辺りに住んでいる子供たちだった。彼らは縄跳びをして遊んでいて、僕を見つけると手招きした。
「僕も? ……うん、いいよ!」
久しぶりの同年代との遊びに胸を弾ませながら、僕は彼の輪の中に入った。
縄跳びや鬼ごっこをするうちに、自然と笑みがこぼれる。
普段の発明作業とは違って何も考えずに体を動かすことに新鮮さを感じながらも、すぐに汗だくになってしまった。
「へへ、すごいじゃん! でも、次の鬼はあんたね!」
「分かった!」
汗を拭きながら全力で追いかける僕の姿に、王都の子供たちが笑い声を上げる。その一瞬一瞬が楽しくてたまらなかった。
鬼ごっこが終わった頃、子供たちが手作りのおもちゃを見せてくれた。
それは、木の枝や布切れを使った簡単なグライダーのようなおもちゃだった。
「これ、どうやって作ったの?」
僕が尋ねると、得意げに少年はおもちゃを持ち上げる。
「適当に枝を削って、布を巻いただけだよ。遠くまで飛ぶんだぜ!」
試しにそのおもちゃを飛ばしてみると、風に乗って意外なほど遠くまで飛んだ。その単純さに驚き、僕は興味を抱いた。
「これ、もっと遠くまで飛ばせるように改良したら面白そうだね!」
「そんなことできるの?」
僕の提案に、子供たちが目を輝かせた。
「うん、多分ね! 明日持ってくるからまた遊ぼう!」
子供たちと別れて宿に戻った僕は、早速スケッチブックを取り出して設計図を描き始めた。
彼らと遊びながら見つけたおもちゃのアイデアを、発明として形にしたいと思ったのだ。
「もっと軽くて丈夫な素材が必要だな……羽の形状も工夫してみよう」
夢中になって設計図を描き続ける僕の姿を見て、ロバートが声をかけてくる。
「坊ちゃま、随分と楽しそうですね。何を作っていらっしゃるのですか?」
「今日、一緒に遊んだ子供たちのおもちゃを改良するんだ! もっと遠くまで飛ぶやつを作れたら、きっとみんな喜ぶと思うんだ」
ロバートは微笑みながら頷き、「素晴らしい発想ですね。私もお手伝いしましょう」と言ってくれた。
その夜、宿に戻ってきた父上に、僕は今日あった出来事を報告した。
「父上、今日、王都の子供たちと一緒に遊びました! そこで見せてもらったおもちゃを改良しているところです」
「ほう、お前が遊びをきっかけに発明をするとは面白いな。その柔軟な発想を忘れるな」
父上は感心した様子でそう応えた。
その言葉に、僕はさらに意欲を燃やしたのだった。
翌日、僕は完成した改良版のおもちゃを持って、昨日の子供たちのもとを訪れた。
軽い木材と布を使い、羽の角度を調整することで、より遠くまで飛ぶように工夫したものだ。
「みんな、これ見て! 新しいおもちゃを作ってみたんだ」
僕が呼びかけると、子供たちはワイワイとはしゃぎながら僕の周りに集まって、おもちゃを手に取った。
「うわ、本当にすごい! どれだけ飛ぶのか試してみよう!」
実際に飛ばしてみると、おもちゃは風に乗って遠くまで飛んでいった。歓声が上がり、子供たちは大喜びしている。
「エルヴィン、すごいね! こんなに遠くまで飛ぶなんて!」
「ありがとう! 遊びながらもっと改良できることを考えてたんだ」
子供たちと笑い合いながらおもちゃを飛ばす時間は、本当に楽しかった。
遊びの中にも発明のヒントがあり、それがまた誰かを喜ばせるものになる。それが僕の目指すものだと改めて感じた。
◇
子供たちと遊んだ翌日、僕は王都の職人街を再び訪れた。目的は、新しい素材や技術を探して、さらなる発明の可能性を広げることだ。
職人街は朝から活気に満ちていて、道沿いの工房からは金属を叩く音や木材を削る音が響いてくる。
中でも特に目を引いたのは、小さな鍛冶工房だった。その店先には、光沢のある金属製品が並べられている。
「よう、坊ちゃん。何か探しているのかい?」
店主の鍛冶職人が、屈強な腕で鉄塊を持ちながら笑顔で話しかけてきた。
「はい! 魔道具の素材を探しているんです。この金属はなんですか?」
僕が指差したのは、青白い輝きを放つ薄い板状の金属だった。
「これは『ルナティウム』って金属だ。軽くて魔力を通しやすいんだが、加工が少し難しい代物だな」
僕はその特徴に耳を傾けながら、以前使ったマギステライトとの違いを思い出した。
マギステライトは重さがあるものの、魔力を安定的に通す特性があり、頑丈な基盤として最適だ。一方で、ルナティウムは、軽量で光を効率的に拡散する能力があるが、扱いには慎重さが必要なようだ。
「マギステライトは安定性を求める道具に向いているけど、ルナティウムは軽さと反射性が求められる魔道具に適している……」
その考えを口に出すと、鍛冶職人が笑いながら頷いた。
「その通りだ、坊ちゃん。それぞれの素材を使い分けることが、良い魔道具を作るコツだよ」
その特徴に興味を持った僕は、ルナティウムを使った発明の可能性を頭の中で考え始めた。
「これを少し分けていただきたいのですが、おいくらですか?」
「タダでいいぜ。お前みたいな子供が何を作るのか興味があるからな」
鍛冶職人は笑いながら、ルナティウムの小さな板を僕にくれた。
宿に戻った僕は、早速ルナティウムを使った魔道具の設計に取り掛かった。目指すのは、軽量で持ち運びが簡単な新型ランタンだ。
日常用だから、冒険者用ライトほどの堅牢性はいらないだろう。
「まずは、ルナティウムの形状をどう活かすかだな……」
僕はスケッチブックに設計図を描きながら、魔力の流れを効率化する配置を考えた。
さらに光の広がりを調整するため、ルナティウムに反射板としての機能を持たせることにした。
「これなら、明るさも広がりも両立できるはず!」
そう思ってルナティウムの加工に取り掛かってみたものの、力加減が難しくてなかなかうまくいかなかった。弱い力だとビクともしないし、かといって無理に力をかけると欠けてしまう。
そこで僕は、ルナティウムの加工を保留して、それ以外の部分を先に仕上げることにした。
作業を進めていると、ロバートが部屋に顔を出した。
「坊ちゃま、何かお手伝いできることはございますか?」
「ありがとう、ロバート。ルナティウムを加工するための道具を探してくれるかな?」
「承知しました。すぐに手配いたします」
ロバートの協力もあり、僕は設計をさらに進めることができた。
翌日、僕は鍛冶職人の工房を再訪して、ルナティウムの加工についてアドバイスをもらうことにした。
「坊ちゃん、加工するときは魔力を少しずつ流しながら形を整えるんだ。急に力を入れると割れてしまうからな」
鍛冶職人の手ほどきを受けながら、僕は慎重にルナティウムの加工の仕方を覚えた。
魔力を使いながら少しずつ形を整えていく作業は難しかったが、その分うまくいったときの達成感も大きかった。
「よし、これで形になった!」
完成した新型ランタンを試すため、僕は宿の外に出た。
ランタンを点灯させると、柔らかい光が広がり、周囲を優しく照らした。
宿の人々や旅人たちがその光に感嘆し、僕の周りに集まってくる。
「すごい……! こんなに軽くて明るいなんて!」
「このランタンはどこで手に入りますか?」
「まだ試作品だけど、もっと改良してたくさん作りたいと思っています!」
みんなの声を聞きながら、僕は新しい発明の手応えを感じた。
◇
ルナティウムを使った新型ランタンは父上からも褒めてもらえた。
父上は「このランタンも、きっと多くの人々に喜ばれるだろう」と太鼓判を押した。
そしてその翌日。
僕はロバートと共に再び職人街を巡ることにした。
既存の発明にとらわれない新たなインスピレーションを得るために、未知の素材や技術を探すのが目的だ。
王都の職人街は早朝から賑わいを見せていた。工房の店先では相変わらず金属を叩く音が響き、路地裏からは木材を削る音が聞こえてくる。その中でひと際目を引いたのは、装飾品や工芸品を扱う小さな店だった。
「坊ちゃま、こちらの店には特殊な加工技術を持つ職人がいると聞いております」
ロバートが耳打ちしながら、店の扉を開けた。店内は薄暗く、壁一面に美しい細工が施された金属片が飾られている。
「いらっしゃい。今日は何を探しに来たのかしら?」
そう言って迎え入れてくれたのは、年配の女性職人だった。彼女は優しい笑顔で僕を見つめながら用件を尋ねた。
「魔道具の素材や、新しいアイデアを探しているんです」
僕が答えると、彼女は棚から小さな金属片を取り出した。
「『エルヴィス銀』よ。この銀はただの金属じゃないわ。魔力を帯びていて、光を美しく反射するし、魔力も効率よく流れるの」
その説明に興味を引かれて、僕は銀片を手に取った。冷たく滑らかな感触と、かすかに輝く光沢が印象的だ。
これを外装に使えば、光がもっと綺麗に広がるはず……
エルヴィス銀を使った装飾性と実用性を兼ね備えた携帯型の小型ランタンなんてどうだろう。
ふと、そんなアイデアを閃いた。
エルヴィス銀の薄さを活かしつつ、魔力を効率よく流すための魔道文字を彫り込めば、きっと光を綺麗に拡散させられる。
「これを使えば、新しい発明ができそうです! これを分けていただけますか?」
「もちろんよ。私も昔は、新しいことに挑戦する楽しさに夢中だったわ。あなたもその気持ちを大切にして、素敵な発明品を作ってね」
彼女から譲り受けたエルヴィス銀を手に、僕は新たな発明への期待に胸を膨らませた。
宿に戻った僕は、早速スケッチブックにアイデアを書き出し、設計に取り掛かった。
そして翌日、僕は再び職人街を訪れた。
エルヴィス銀の加工を女性職人にお願いすることにしたのだ。
「この銀片に、指定した形状に加工してもらえますか?」
設計図を見せると、彼女は頷きながら答えた。
「良い発想ね。このエルヴィス銀は繊細だから、ゆっくり丁寧に作業を進めるわ」
熟練した手つきで銀片が形作られていくのを見守りながら、僕は完成を待った。
エルヴィス銀の部品が完成すると、僕はすぐに宿に戻って、組み立てを開始した。
銀の反射性を活かし、光を拡散させる機能を持つランタンが徐々に形になっていく。
「これで、どんな場所でも明るさを保てるランタンになるはず……!」
組み立てを終えた僕は、ランタンを点灯させて試してみた。
「これはすごい……!」
反射で光が部屋全体に広がり、柔らかく温かい光が空間を包み込む。
その光景を見ていたロバートと父上が、揃って感嘆の声を上げた。
「坊ちゃまの発明は、見るたびに驚きますね」
「うむ! エルヴィン、お前は本当に努力を惜しまないな。このランタン、光の広がりが素晴らしい。こんな小さな魔道具がこれほどの可能性を秘めているとは驚きだ」
そう言って、父上は満足げに微笑んだ。
二人に褒められて、僕の心が温かくなる。
「ありがとう、父上、ロバート! 次はもっと多機能なものを作ってみせます!」
父上はしばらくランタンを眺めたあと、優しい口調で言葉を続けた。
「発明は人を助け、日々の生活を豊かにするものだ。それを忘れなければ、お前の道具はきっと人々の心を明るく照らすだろう」
その言葉には、父上の深い思いが込められていた。僕は頷きながら、父上の期待に応えたいという思いを新たにした。
「はい、父上! もっと頑張ります!」
エルヴィス銀を使った僕の発明はまだ始まったばかり。これからも、新しい素材と技術を探し続けていくのだ。
◇
王都での充実した日々が続く中、父上から突然声をかけられた。
「エルヴィン、明日王都を発って領地に帰る。そろそろ準備を始めるぞ」
その言葉に、僕は少し驚きつつも頷いた。
王都での発明披露や職人たちとの出会いは刺激的で楽しい経験だったが、故郷への帰還も心が弾む。
「エルヴィン、王都はどうだった?」
父上の問いに、僕は強く頷く。
「はい、たくさんのことを学びました。この経験を活かして新しい発明に挑みます!」
父上は少し笑いながら、目を細めて僕を見つめた。
「お前のそういうところは頼もしいな。ただし、焦るなよ。じっくりと着実に成果を出すのも、発明家に必要な資質だ」
「はい、父上!」
見ると、すでにロバートが手際よく荷造りを進めていた。彼はこれまでの旅で手に入れた道具や素材を一つ一つ確認しながら、鞄や箱に丁寧に詰め込んでいく。
「ロバート、僕も荷造りを手伝うよ!」
僕がそう申し出ると、ロバートは恐縮した様子で首を横に振る。
「坊ちゃま、荷物は私がまとめますので、その間に王都を見て回ってきてくださいませ」
「ありがとう。でも、自分のことは自分でやらないとね!」
ロバートと手分けして荷物をまとめながら、僕は王都での日々を振り返った。
翌日、出発の朝。
僕は宿を出る前に、王都でお世話になった職人たちや商人たちに挨拶をしに行くことにした。
最初に向かったのは、ルナティウムを分けてくれた鍛冶職人の工房だった。彼は僕の姿を見るなり、豪快に笑いながら挨拶してくれた。
「坊ちゃん、もう帰るのか? 王都にはまだ面白いものがたくさんあるぞ」
「はい、でも領地でもっと新しいものを作るつもりです! 次に来るときは、またお世話になります」
「そうか。今度はもっと難しい素材を扱わせてやるよ」
鍛冶職人の言葉に感謝しながら、僕は工房を後にした。
次に訪れたのは、エルヴィス銀を加工してくれた女性職人の工房だった。彼女は完成したランタンを見て満足そうに微笑んだ。
「あなた、本当に良い仕事をしたわね。このランタン、私も誇りに思えるわ」
「ありがとうございます! おかげで素晴らしい発明ができました!」
「また何か作りたくなったら、いつでも訪ねてきてね」
その言葉に、自然と胸が温かくなった。
女性職人に別れを告げて最後に訪れたのは、中央広場の商人たちの店だった。
しかしそこで、僕は意外な顔を目にする。
シュトラウス領でお世話になっている商人のハインツだ。
「ハインツさん。王都にいらっしゃるなんて、驚きました!」
「はい、王都の商談会に参加するために参りました。こちらでエルヴィン様のご活躍の噂を耳にして、とても嬉しく思いました」
僕が声をかけると、ハインツはニコニコしながら王都での市場の動向や新しい商品について話してくれた。その話から、彼が商人として柔軟さと広い視野を持っているのを感じる。
「エルヴィン様、次にお会いする際には、さらに素晴らしい魔道具を拝見できることを楽しみにしております」
「もちろんです! 王都でいろいろ新しい素材を手に入れましたからね。期待していてください」
王都での最後の挨拶を終えた僕は、中央広場の賑わいに後ろ髪を引かれながらも、父上と共に馬車に乗り込んだのだった。
馬車が動き出し、車窓から見える王都の高い城壁や華やかな街並みが、次第に遠ざかっていく。
隣に座る父上はしばらく書類に目を落としていたが、やがて顔を上げて僕に尋ねた。
「エルヴィン、何を考えている?」
父上が視線を上げ、僕に問いかけた。
「はい、領地でどんな発明を作るべきかを考えていました。王都で得たマギステライトやルナティウムを活かせる魔道具を作りたいです」
「素材を活かす魔道具か……良い考えだ。だが、領民が何を必要としているかも考えるのを忘れるな。発明は自己満足ではなく、人々を助けるためのものだ」
父上の言葉に深く頷きながら、僕は領地での計画をさらに練ることにした。
その後も馬車は故郷への道を静かに進んでいった。
いつの間にか、景色は穏やかな田園風景へと変わっていて、窓から見える草原の中には、点々と小さな農家が並んでいた。
「坊ちゃま、そろそろお疲れではありませんか? 長旅は体に応えますからね」
ロバートが心配そうに声をかけてきた。
僕は軽く体を伸ばしながら答える。
「大丈夫だよ、ロバート。むしろ、この静けさが心地いい」
ロバートは微笑みながら、水筒を差し出してくれた。
「ありがとう、ロバート。本当に助かるよ」
こうして旅の途中でも気遣ってくれるなんて、感謝してもしきれない。
「よろしくお願いします!」
最初に注目を集めたのは、冒険者向けに開発したライトだった。僕はその仕組みを簡単に説明し、実際に点灯してみせた。
「このライトは、特殊な触媒マギステライトとエルメタルを基盤に設計しています。魔力を効率よく光に変換して、長時間の使用を可能にしました。また、防水性能を備えており、どんな環境でもお使いいただけます」
ライトが青白い光を放つと、周囲からは小さな驚きの声が漏れた。
「こんなに小型で明るい光を放つとは……」
「ここまで効率的な設計の魔道具は珍しい」
興味深そうにライトを手に取って性能を確かめている貴族や商人たちに、僕は説明を続ける。
「この試作品では、新しく購入した魔力線細工も採用しています。この細工を使うことで、魔力の流れをより安定させ、さらなる性能向上を実現しています」
試作品を手にした一人の商人が、じっくりと観察しながら僕に質問してきた。
「この魔道具は、どの程度の魔力量で動くのか?」
「わずかな魔力量で十分です。一般的な魔力鉱でも長時間の使用が可能です」
「なるほど。それなら、特別な資源を必要とせず、多くの人に使ってもらえそうだ」
その言葉に、僕はほっと胸を撫で下ろした。
説明が終わる頃には、僕の魔道具に興味を示した多くの貴族や商人から、商談や注文の話が舞い込んできた。
その言葉が僕にとって何よりの励みだった。
夕方、披露を終えた僕たちは宿に戻って、父上と成果を振り返った。
父上は満足げに頷きながら、僕に言った。
「よくやった、エルヴィン。お前の発明は確かに評価されている。今日の反応を見てどう思った?」
「はい、とても嬉しかったです。でも、もっと改良の余地があるとも感じました」
「その気持ちを忘れるな。王都は挑戦と機会に満ちた場所だ。今日の実績を糧に、さらに励むのだ」
父上の言葉を噛み締めながら、僕は次の発明への意欲を燃やしたのだった。
◇
王都での発明披露が終わった翌日、僕は一息つくために宿を出て散歩に出かけることにした。
父上は商談が続き、ロバートはその手伝いで忙しそうだったので、今日は一人だ。
王都の路地裏には、中央広場や職人街とはまた違う顔があった。小さな店での生活感があるやりとりや、子供たちが走り回る姿を見て、なんだか心が和む。
「ねえ、あんたも一緒に遊ばない?」
声をかけてきたのは、この辺りに住んでいる子供たちだった。彼らは縄跳びをして遊んでいて、僕を見つけると手招きした。
「僕も? ……うん、いいよ!」
久しぶりの同年代との遊びに胸を弾ませながら、僕は彼の輪の中に入った。
縄跳びや鬼ごっこをするうちに、自然と笑みがこぼれる。
普段の発明作業とは違って何も考えずに体を動かすことに新鮮さを感じながらも、すぐに汗だくになってしまった。
「へへ、すごいじゃん! でも、次の鬼はあんたね!」
「分かった!」
汗を拭きながら全力で追いかける僕の姿に、王都の子供たちが笑い声を上げる。その一瞬一瞬が楽しくてたまらなかった。
鬼ごっこが終わった頃、子供たちが手作りのおもちゃを見せてくれた。
それは、木の枝や布切れを使った簡単なグライダーのようなおもちゃだった。
「これ、どうやって作ったの?」
僕が尋ねると、得意げに少年はおもちゃを持ち上げる。
「適当に枝を削って、布を巻いただけだよ。遠くまで飛ぶんだぜ!」
試しにそのおもちゃを飛ばしてみると、風に乗って意外なほど遠くまで飛んだ。その単純さに驚き、僕は興味を抱いた。
「これ、もっと遠くまで飛ばせるように改良したら面白そうだね!」
「そんなことできるの?」
僕の提案に、子供たちが目を輝かせた。
「うん、多分ね! 明日持ってくるからまた遊ぼう!」
子供たちと別れて宿に戻った僕は、早速スケッチブックを取り出して設計図を描き始めた。
彼らと遊びながら見つけたおもちゃのアイデアを、発明として形にしたいと思ったのだ。
「もっと軽くて丈夫な素材が必要だな……羽の形状も工夫してみよう」
夢中になって設計図を描き続ける僕の姿を見て、ロバートが声をかけてくる。
「坊ちゃま、随分と楽しそうですね。何を作っていらっしゃるのですか?」
「今日、一緒に遊んだ子供たちのおもちゃを改良するんだ! もっと遠くまで飛ぶやつを作れたら、きっとみんな喜ぶと思うんだ」
ロバートは微笑みながら頷き、「素晴らしい発想ですね。私もお手伝いしましょう」と言ってくれた。
その夜、宿に戻ってきた父上に、僕は今日あった出来事を報告した。
「父上、今日、王都の子供たちと一緒に遊びました! そこで見せてもらったおもちゃを改良しているところです」
「ほう、お前が遊びをきっかけに発明をするとは面白いな。その柔軟な発想を忘れるな」
父上は感心した様子でそう応えた。
その言葉に、僕はさらに意欲を燃やしたのだった。
翌日、僕は完成した改良版のおもちゃを持って、昨日の子供たちのもとを訪れた。
軽い木材と布を使い、羽の角度を調整することで、より遠くまで飛ぶように工夫したものだ。
「みんな、これ見て! 新しいおもちゃを作ってみたんだ」
僕が呼びかけると、子供たちはワイワイとはしゃぎながら僕の周りに集まって、おもちゃを手に取った。
「うわ、本当にすごい! どれだけ飛ぶのか試してみよう!」
実際に飛ばしてみると、おもちゃは風に乗って遠くまで飛んでいった。歓声が上がり、子供たちは大喜びしている。
「エルヴィン、すごいね! こんなに遠くまで飛ぶなんて!」
「ありがとう! 遊びながらもっと改良できることを考えてたんだ」
子供たちと笑い合いながらおもちゃを飛ばす時間は、本当に楽しかった。
遊びの中にも発明のヒントがあり、それがまた誰かを喜ばせるものになる。それが僕の目指すものだと改めて感じた。
◇
子供たちと遊んだ翌日、僕は王都の職人街を再び訪れた。目的は、新しい素材や技術を探して、さらなる発明の可能性を広げることだ。
職人街は朝から活気に満ちていて、道沿いの工房からは金属を叩く音や木材を削る音が響いてくる。
中でも特に目を引いたのは、小さな鍛冶工房だった。その店先には、光沢のある金属製品が並べられている。
「よう、坊ちゃん。何か探しているのかい?」
店主の鍛冶職人が、屈強な腕で鉄塊を持ちながら笑顔で話しかけてきた。
「はい! 魔道具の素材を探しているんです。この金属はなんですか?」
僕が指差したのは、青白い輝きを放つ薄い板状の金属だった。
「これは『ルナティウム』って金属だ。軽くて魔力を通しやすいんだが、加工が少し難しい代物だな」
僕はその特徴に耳を傾けながら、以前使ったマギステライトとの違いを思い出した。
マギステライトは重さがあるものの、魔力を安定的に通す特性があり、頑丈な基盤として最適だ。一方で、ルナティウムは、軽量で光を効率的に拡散する能力があるが、扱いには慎重さが必要なようだ。
「マギステライトは安定性を求める道具に向いているけど、ルナティウムは軽さと反射性が求められる魔道具に適している……」
その考えを口に出すと、鍛冶職人が笑いながら頷いた。
「その通りだ、坊ちゃん。それぞれの素材を使い分けることが、良い魔道具を作るコツだよ」
その特徴に興味を持った僕は、ルナティウムを使った発明の可能性を頭の中で考え始めた。
「これを少し分けていただきたいのですが、おいくらですか?」
「タダでいいぜ。お前みたいな子供が何を作るのか興味があるからな」
鍛冶職人は笑いながら、ルナティウムの小さな板を僕にくれた。
宿に戻った僕は、早速ルナティウムを使った魔道具の設計に取り掛かった。目指すのは、軽量で持ち運びが簡単な新型ランタンだ。
日常用だから、冒険者用ライトほどの堅牢性はいらないだろう。
「まずは、ルナティウムの形状をどう活かすかだな……」
僕はスケッチブックに設計図を描きながら、魔力の流れを効率化する配置を考えた。
さらに光の広がりを調整するため、ルナティウムに反射板としての機能を持たせることにした。
「これなら、明るさも広がりも両立できるはず!」
そう思ってルナティウムの加工に取り掛かってみたものの、力加減が難しくてなかなかうまくいかなかった。弱い力だとビクともしないし、かといって無理に力をかけると欠けてしまう。
そこで僕は、ルナティウムの加工を保留して、それ以外の部分を先に仕上げることにした。
作業を進めていると、ロバートが部屋に顔を出した。
「坊ちゃま、何かお手伝いできることはございますか?」
「ありがとう、ロバート。ルナティウムを加工するための道具を探してくれるかな?」
「承知しました。すぐに手配いたします」
ロバートの協力もあり、僕は設計をさらに進めることができた。
翌日、僕は鍛冶職人の工房を再訪して、ルナティウムの加工についてアドバイスをもらうことにした。
「坊ちゃん、加工するときは魔力を少しずつ流しながら形を整えるんだ。急に力を入れると割れてしまうからな」
鍛冶職人の手ほどきを受けながら、僕は慎重にルナティウムの加工の仕方を覚えた。
魔力を使いながら少しずつ形を整えていく作業は難しかったが、その分うまくいったときの達成感も大きかった。
「よし、これで形になった!」
完成した新型ランタンを試すため、僕は宿の外に出た。
ランタンを点灯させると、柔らかい光が広がり、周囲を優しく照らした。
宿の人々や旅人たちがその光に感嘆し、僕の周りに集まってくる。
「すごい……! こんなに軽くて明るいなんて!」
「このランタンはどこで手に入りますか?」
「まだ試作品だけど、もっと改良してたくさん作りたいと思っています!」
みんなの声を聞きながら、僕は新しい発明の手応えを感じた。
◇
ルナティウムを使った新型ランタンは父上からも褒めてもらえた。
父上は「このランタンも、きっと多くの人々に喜ばれるだろう」と太鼓判を押した。
そしてその翌日。
僕はロバートと共に再び職人街を巡ることにした。
既存の発明にとらわれない新たなインスピレーションを得るために、未知の素材や技術を探すのが目的だ。
王都の職人街は早朝から賑わいを見せていた。工房の店先では相変わらず金属を叩く音が響き、路地裏からは木材を削る音が聞こえてくる。その中でひと際目を引いたのは、装飾品や工芸品を扱う小さな店だった。
「坊ちゃま、こちらの店には特殊な加工技術を持つ職人がいると聞いております」
ロバートが耳打ちしながら、店の扉を開けた。店内は薄暗く、壁一面に美しい細工が施された金属片が飾られている。
「いらっしゃい。今日は何を探しに来たのかしら?」
そう言って迎え入れてくれたのは、年配の女性職人だった。彼女は優しい笑顔で僕を見つめながら用件を尋ねた。
「魔道具の素材や、新しいアイデアを探しているんです」
僕が答えると、彼女は棚から小さな金属片を取り出した。
「『エルヴィス銀』よ。この銀はただの金属じゃないわ。魔力を帯びていて、光を美しく反射するし、魔力も効率よく流れるの」
その説明に興味を引かれて、僕は銀片を手に取った。冷たく滑らかな感触と、かすかに輝く光沢が印象的だ。
これを外装に使えば、光がもっと綺麗に広がるはず……
エルヴィス銀を使った装飾性と実用性を兼ね備えた携帯型の小型ランタンなんてどうだろう。
ふと、そんなアイデアを閃いた。
エルヴィス銀の薄さを活かしつつ、魔力を効率よく流すための魔道文字を彫り込めば、きっと光を綺麗に拡散させられる。
「これを使えば、新しい発明ができそうです! これを分けていただけますか?」
「もちろんよ。私も昔は、新しいことに挑戦する楽しさに夢中だったわ。あなたもその気持ちを大切にして、素敵な発明品を作ってね」
彼女から譲り受けたエルヴィス銀を手に、僕は新たな発明への期待に胸を膨らませた。
宿に戻った僕は、早速スケッチブックにアイデアを書き出し、設計に取り掛かった。
そして翌日、僕は再び職人街を訪れた。
エルヴィス銀の加工を女性職人にお願いすることにしたのだ。
「この銀片に、指定した形状に加工してもらえますか?」
設計図を見せると、彼女は頷きながら答えた。
「良い発想ね。このエルヴィス銀は繊細だから、ゆっくり丁寧に作業を進めるわ」
熟練した手つきで銀片が形作られていくのを見守りながら、僕は完成を待った。
エルヴィス銀の部品が完成すると、僕はすぐに宿に戻って、組み立てを開始した。
銀の反射性を活かし、光を拡散させる機能を持つランタンが徐々に形になっていく。
「これで、どんな場所でも明るさを保てるランタンになるはず……!」
組み立てを終えた僕は、ランタンを点灯させて試してみた。
「これはすごい……!」
反射で光が部屋全体に広がり、柔らかく温かい光が空間を包み込む。
その光景を見ていたロバートと父上が、揃って感嘆の声を上げた。
「坊ちゃまの発明は、見るたびに驚きますね」
「うむ! エルヴィン、お前は本当に努力を惜しまないな。このランタン、光の広がりが素晴らしい。こんな小さな魔道具がこれほどの可能性を秘めているとは驚きだ」
そう言って、父上は満足げに微笑んだ。
二人に褒められて、僕の心が温かくなる。
「ありがとう、父上、ロバート! 次はもっと多機能なものを作ってみせます!」
父上はしばらくランタンを眺めたあと、優しい口調で言葉を続けた。
「発明は人を助け、日々の生活を豊かにするものだ。それを忘れなければ、お前の道具はきっと人々の心を明るく照らすだろう」
その言葉には、父上の深い思いが込められていた。僕は頷きながら、父上の期待に応えたいという思いを新たにした。
「はい、父上! もっと頑張ります!」
エルヴィス銀を使った僕の発明はまだ始まったばかり。これからも、新しい素材と技術を探し続けていくのだ。
◇
王都での充実した日々が続く中、父上から突然声をかけられた。
「エルヴィン、明日王都を発って領地に帰る。そろそろ準備を始めるぞ」
その言葉に、僕は少し驚きつつも頷いた。
王都での発明披露や職人たちとの出会いは刺激的で楽しい経験だったが、故郷への帰還も心が弾む。
「エルヴィン、王都はどうだった?」
父上の問いに、僕は強く頷く。
「はい、たくさんのことを学びました。この経験を活かして新しい発明に挑みます!」
父上は少し笑いながら、目を細めて僕を見つめた。
「お前のそういうところは頼もしいな。ただし、焦るなよ。じっくりと着実に成果を出すのも、発明家に必要な資質だ」
「はい、父上!」
見ると、すでにロバートが手際よく荷造りを進めていた。彼はこれまでの旅で手に入れた道具や素材を一つ一つ確認しながら、鞄や箱に丁寧に詰め込んでいく。
「ロバート、僕も荷造りを手伝うよ!」
僕がそう申し出ると、ロバートは恐縮した様子で首を横に振る。
「坊ちゃま、荷物は私がまとめますので、その間に王都を見て回ってきてくださいませ」
「ありがとう。でも、自分のことは自分でやらないとね!」
ロバートと手分けして荷物をまとめながら、僕は王都での日々を振り返った。
翌日、出発の朝。
僕は宿を出る前に、王都でお世話になった職人たちや商人たちに挨拶をしに行くことにした。
最初に向かったのは、ルナティウムを分けてくれた鍛冶職人の工房だった。彼は僕の姿を見るなり、豪快に笑いながら挨拶してくれた。
「坊ちゃん、もう帰るのか? 王都にはまだ面白いものがたくさんあるぞ」
「はい、でも領地でもっと新しいものを作るつもりです! 次に来るときは、またお世話になります」
「そうか。今度はもっと難しい素材を扱わせてやるよ」
鍛冶職人の言葉に感謝しながら、僕は工房を後にした。
次に訪れたのは、エルヴィス銀を加工してくれた女性職人の工房だった。彼女は完成したランタンを見て満足そうに微笑んだ。
「あなた、本当に良い仕事をしたわね。このランタン、私も誇りに思えるわ」
「ありがとうございます! おかげで素晴らしい発明ができました!」
「また何か作りたくなったら、いつでも訪ねてきてね」
その言葉に、自然と胸が温かくなった。
女性職人に別れを告げて最後に訪れたのは、中央広場の商人たちの店だった。
しかしそこで、僕は意外な顔を目にする。
シュトラウス領でお世話になっている商人のハインツだ。
「ハインツさん。王都にいらっしゃるなんて、驚きました!」
「はい、王都の商談会に参加するために参りました。こちらでエルヴィン様のご活躍の噂を耳にして、とても嬉しく思いました」
僕が声をかけると、ハインツはニコニコしながら王都での市場の動向や新しい商品について話してくれた。その話から、彼が商人として柔軟さと広い視野を持っているのを感じる。
「エルヴィン様、次にお会いする際には、さらに素晴らしい魔道具を拝見できることを楽しみにしております」
「もちろんです! 王都でいろいろ新しい素材を手に入れましたからね。期待していてください」
王都での最後の挨拶を終えた僕は、中央広場の賑わいに後ろ髪を引かれながらも、父上と共に馬車に乗り込んだのだった。
馬車が動き出し、車窓から見える王都の高い城壁や華やかな街並みが、次第に遠ざかっていく。
隣に座る父上はしばらく書類に目を落としていたが、やがて顔を上げて僕に尋ねた。
「エルヴィン、何を考えている?」
父上が視線を上げ、僕に問いかけた。
「はい、領地でどんな発明を作るべきかを考えていました。王都で得たマギステライトやルナティウムを活かせる魔道具を作りたいです」
「素材を活かす魔道具か……良い考えだ。だが、領民が何を必要としているかも考えるのを忘れるな。発明は自己満足ではなく、人々を助けるためのものだ」
父上の言葉に深く頷きながら、僕は領地での計画をさらに練ることにした。
その後も馬車は故郷への道を静かに進んでいった。
いつの間にか、景色は穏やかな田園風景へと変わっていて、窓から見える草原の中には、点々と小さな農家が並んでいた。
「坊ちゃま、そろそろお疲れではありませんか? 長旅は体に応えますからね」
ロバートが心配そうに声をかけてきた。
僕は軽く体を伸ばしながら答える。
「大丈夫だよ、ロバート。むしろ、この静けさが心地いい」
ロバートは微笑みながら、水筒を差し出してくれた。
「ありがとう、ロバート。本当に助かるよ」
こうして旅の途中でも気遣ってくれるなんて、感謝してもしきれない。
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