辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐

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第7章:未来への学びと絆

第158話「成果と次なる展望」

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改良版の装置が完成した翌日、エルヴィンたちは最終的なテストを行う準備を整えていた。学院内でも注目を集めるようになった彼らの研究は、実験棟の主任や教授たちからの関心を引き、テストの成功が期待されている。

実験室に集まったエルヴィンたちは、装置を実験用の専用台にセットした。改良を重ねた回路や調整された冷光鉱がしっかりと組み込まれた装置は、これまでよりも一段と洗練された外観を持っていた。

「今回のテストが成功すれば、装置の実用化に向けた次のステップに進める。」
エルヴィンが全員を見渡しながら静かに語りかける。
「でも、最後の確認だから、気を抜かずにいこう。」

「俺はいつだって全力だぜ!」
レオンが装置の隣で拳を突き上げる。
「これまでの努力を証明するチャンスだしな!」

「そうですわね。レオン様、今回は無茶をしないでくださいませ。」
カトリーヌがため息をつきながら軽く微笑む。

「リヴィア、冷光鉱の調整は万全?」
エルヴィンが確認すると、リヴィアは頷きながら答える。
「はい。すべての結晶が正常に動作することを確認済みです。」

「よし、それじゃあ始めよう。」
エルヴィンが合図をすると、全員が緊張感を持って作業に取り掛かった。

エルヴィンがスイッチを押すと、装置の内部で魔力が流れ始め、次第に光が回路全体を照らしていく。魔力の分岐が回路に沿って広がり、三方向のランプが均一に輝き始めた。

「同期してる……!ズレもほとんどない!」
エルヴィンがデータを確認しながら歓声を上げる。

「すごいですわね、エルヴィン様!これなら長時間動作させても安定しそうですわ!」
カトリーヌが感嘆の声を漏らす。

「いやー、俺たち、とうとうやったな!」
レオンが装置を覗き込みながら笑顔を浮かべた。
「これ、絶対学院中で話題になるぜ!」

リヴィアも装置の安定した動作を見て静かに微笑む。
「とても綺麗です……そして、とても機能的です……。」

エルヴィンは全員の顔を見渡して大きく頷いた。
「これでひとまず目標は達成だね。みんなのおかげだよ、本当にありがとう。」

その日の午後、エルヴィンたちは完成した装置を実験棟主任の元へ持ち込み、動作を披露した。主任は装置を細かく観察し、実際に動作を確認した上で大きく頷いた。

「素晴らしい!この装置の分岐技術は、学院だけでなく王国全体の魔道技術にとっても価値があるものだ。」
主任の言葉に、エルヴィンたちは顔を見合わせて喜びを噛み締めた。

「特にこの分岐と同期の技術は、応用範囲が広い。学院の他の研究チームにも参考にさせてもらいたいほどだ。」
主任は感心しながら言葉を続ける。
「君たちには、この技術をさらに発展させる機会を与えたいと思うが、どうだろうか?」

「もちろんです!まだ改良の余地があると思いますし、さらに実用性を高める方法も考えたいです!」
エルヴィンが力強く答えると、主任は満足そうに頷いた。

その夜、エルヴィンたちは学院の中庭に集まり、次なる挑戦について話し合っていた。中庭の噴水から聞こえる水音が静かな夜の空気に溶け込んでいる。

「主任も言ってたけど、次はこの技術をどう発展させるかが課題だね。」
エルヴィンがノートを広げながら話す。

「それなら、実際の装置に応用するための試作をもっと作ってみたらどうだ?」
レオンが提案する。

「ええ、たとえば学院内の設備に使えるような実用的な装置を開発するのはどうでしょう?」
カトリーヌが続けて意見を述べる。

リヴィアは少し考えた後、静かに口を開いた。
「それだけでなく……この技術を使って、もっと多くの人々の生活を便利にできるような装置を作るのも良いかもしれません。」

「うん、それはいい考えだね。」
エルヴィンが頷きながら言った。
「学院の研究にとどまらず、王国全体に貢献できるような技術に発展させる。それを目指してみよう。」

全員がその言葉に同意し、次の目標に向けて気持ちを新たにした。

こうして、エルヴィンたちの研究は一区切りを迎えたが、それは新たな挑戦へのスタートでもあった。学院での日々は、まだまだ彼らに多くの学びと成長を与えてくれるに違いない。

次なる目標に向けて、彼らはまた一歩ずつ進んでいくのだった――。
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