辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐

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第6章:帝国の陰謀と赤き核

第114話「魔道核解析の成果と新たな謎」

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王立魔道研究所の一室では、エルヴィンと研究員たちが魔道核の解析を続けていた。その中でもエルヴィンは最前線で作業を進め、研究員たちに的確な指示を与えていた。

「ここを見てください。この魔道文字の部分ですが、どうやら外部からの魔力供給を受けることで、核の機能が大幅に強化される仕組みのようです。」
エルヴィンがホワイトボードに描かれた魔道文字の構造を指差す。

「なるほど、内部で完結しているのではなく、外部の魔力供給に依存しているのですね。それならば、供給元を断つことができれば……!」
研究員の一人が納得したように頷く。

「ええ、その通りです。ただ、供給元を特定するには、もっと広範囲な魔力探査が必要です。遺跡で発見した魔力の流れを追跡する必要があるかもしれません。」
エルヴィンの説明に、研究員たちは一斉に作業に戻り、新たな調査を進める準備を始めた。

研究所の別室では、ガルドとユリウスがソファに腰を下ろし、談笑していた。

「エルヴィンのやつ、本当に研究してる時は別人みたいだよな。」
ガルドが腕を組みながら苦笑する。

「ああ、普段はどこか抜けてる感じだが、いざとなるとあの集中力だ。こっちまで圧倒されるぜ。」
ユリウスも肩をすくめて笑った。

「けどよ、あんまり無理させると倒れるんじゃないかって心配だよな。あいつ、根を詰めすぎる癖がある。」
ガルドが頭を掻きながら言う。

「そういう時は俺たちが止めてやるしかねえだろ。」
ユリウスが真顔で返す。

「ま、そうだな。あいつがぶっ倒れたら、この国も困るだろうしな。」
ガルドがニヤリと笑い、肩をすくめた。

その頃、エルヴィンはヴェルトナーとともに解析結果を確認していた。
ヴェルトナーはエルヴィンの研究ノートを見つめながら感心したように頷く。

「なるほど、エルヴィン殿。ここまで深く解析を進められるとは……。貴殿の才能には改めて驚かされます。」
ヴェルトナーが微笑みを浮かべる。

「いえ、王立魔道研究所の皆さんの協力があってこそです。でも、まだ課題は山積みです。」
エルヴィンは控えめに答える。

「確かに。帝国が魔道核をどのように製造しているのか、その全容を掴むには至っていませんからな。」
ヴェルトナーの表情が少し険しくなる。

「でも、この発見を活かせば、次に遺跡や魔道核が出現した際にもっと迅速に対応できるはずです。」
エルヴィンは自信を持って答えた。

「それに、この技術を逆手に取ることができれば、我々王国の技術力も一段と進化するでしょう。」
ヴェルトナーが目を輝かせる。

その時、研究員の一人が慌ててエルヴィンたちの元に駆け込んできた。

「エルヴィン殿、ヴェルトナー様!解析が進み、新たな発見がありました!」
研究員は息を切らしながら報告する。

「どうした?」
エルヴィンが顔を上げる。

「魔道核が外部から供給を受けている魔力の波長を辿ったところ、その供給源が王国領内に存在する可能性が高いことが分かりました!」

その言葉に、部屋の空気が一気に張り詰める。ヴェルトナーも目を見開き、驚きを隠せない。

「王国領内……だと?」
ヴェルトナーの声には緊張が滲んでいた。

「はい。具体的な位置はまだ特定できていませんが、過去の遺跡で発見された古代魔法陣が改造されて利用されている可能性があります。」
研究員が説明を続ける。

「まさか、王国内の遺跡が帝国に利用されているというのか……?」
エルヴィンが眉をひそめる。

「この発見は重大です。早急に調査を進める必要がありますな。」
ヴェルトナーが深刻な表情で答える。

その後、エルヴィンはガルドとユリウスにもこの新たな発見を共有した。

「つまり、王国の中に帝国の手先がいる可能性があるってことか?」
ガルドが顔をしかめる。

「ああ。正確にはまだ分からないけど、遺跡が利用されているとなると、外部だけでなく内部にも注意が必要になる。」
エルヴィンが真剣な表情で答える。

「なら、俺たちがその遺跡を探し出して潰せばいいだけの話だな。」
ユリウスが軽く笑いながら言う。

「……簡単じゃないけど、そういうことだね。」
エルヴィンは小さく笑い返した。

新たな情報を手にしたエルヴィンたちは、王国領内のどの遺跡が魔力供給の拠点として利用されているのかを特定するため、次の調査計画を立て始めた。

「エルヴィン殿、この調査が成功すれば、帝国の計画にさらに大きな打撃を与えられるでしょう。引き続きご協力をお願い申し上げます。」
ヴェルトナーが深く頭を下げる。

「もちろんです。これが終われば、きっと王国の平和に繋がるはずですから。」
エルヴィンは決意に満ちた目で答えた。

こうして、エルヴィンたちの新たな冒険が始まろうとしていた――。
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