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第6章:帝国の陰謀と赤き核
第107話「装置の完成――決戦への準備」
しおりを挟む帝国の追撃を振り切り、何とか遺跡を抜け出したエルヴィンたち。足早に合流地点まで移動した一行は、装置の完成に向けて最後の準備を進めるため、補給と体制の立て直しを急いでいた。
「ここまで無事に逃げられたのはいいが、油断する暇はねえな。」
ガルドが担いでいた斧を肩にかけ直しながら、険しい表情で話しかける。
「追撃を止めたとはいえ、あの連中が諦めるとは思えないな。時間が経てばまた動き出すだろう。」
ユリウスが周囲を警戒しつつ、護衛隊の様子を確認していた。
「それに、まだ装置が完成してない。これがなければ、遺跡の魔導核を無効化するどころか、また戦うことになる。」
エルヴィンはバッグから設計図を取り出し、確認を始めた。
「必要な素材はどうなってる?」
隊長が鋭い声で尋ねる。
「遺跡内で見つけた一部の部品は使える。ただし、残りのいくつかはこの近くにある自然素材が必要だ。この平野地帯特有の鉱石や、魔力を通しやすい植物がいるんだ。」
エルヴィンは簡単なリストを書きながら説明する。
「平野地帯の素材か……どこにあるか見当はついてるのか?」
ガルドが眉をひそめながら質問する。
「見当はついてるよ。地形的には近くの丘陵地帯や、川沿いに生えているはずの植物が必要だね。」
エルヴィンが地図を見ながら答えた。
「なるほどな。で、それを集めるのにどれくらい時間がかかる?」
ガルドが少し不安そうに尋ねる。
「近くにそれらの素材があるなら、半日くらいで揃えられるはず。ただし、最も危険なのは、素材を集める間に敵が再び現れることだ。」
エルヴィンは鋭い目つきで周囲を見回した。
「確かに。動きが鈍れば、また襲撃される可能性が高い。」
ユリウスは剣の柄を握りながら頷いた。
「隊を二手に分ける。片方は素材の収集、もう片方は拠点の防衛に専念だ。」
隊長が冷静に指示を出し始める。
「俺は素材集めに行く!こういう細かい作業には慣れてるからな。」
ガルドが真っ先に手を挙げた。
「じゃあ、俺は拠点の防衛だな。ここが落とされたら元も子もないしな。」
ユリウスが笑みを浮かべながら肩をすくめる。
「分かった。じゃあ、ガルドと僕で素材を集めに行くよ。ユリウスは隊長と一緒にここを守ってくれ。」
エルヴィンが即座に判断を下した。
「了解だ。ガルド、エルヴィン、くれぐれも気をつけろよ。」
ユリウスは軽く手を振った。
エルヴィンとガルドは必要な素材を探し、広大な平野地帯を進んでいった。草が風に揺れる音が響く中、エルヴィンは設計図とリストを見比べながら、目当ての素材を探していた。
「おいエルヴィン、この辺りには何があるんだ?」
ガルドが周囲を見回しながら尋ねる。
「まずは『星砂鉱石』を探そう。この鉱石は魔力を安定させる性質があって、装置の中核部分に必要なんだ。」
エルヴィンが説明する。
「魔力を安定させる鉱石か……まあ、そういうものがなけりゃあ、あのデカい魔力核も止まらねえってわけだな。」
ガルドは肩をすくめて苦笑した。
「でも、この平野地帯だからこそ手に入る素材なんだよ。ここでしか見つけられない特別なものだ。」
エルヴィンはそう言うと、近くの地面に目を向けた。
やがて、小さな丘の斜面を掘り起こすと、金色の粒が混ざった白い鉱石が見つかった。
「これが『星砂鉱石』だ!」
エルヴィンはそれを拾い上げ、慎重にバッグに収めた。
「意外と簡単に見つかったな。」
ガルドが驚いたように言う。
「次は『陽光草』だ。この植物は魔力の伝導性が非常に高い。装置のエネルギー回路部分に使えるんだ。」
エルヴィンが次の目標を告げる。
ガルドとエルヴィンはさらに進み、川沿いに目を向けた。そこには背の高い金色の葉を持つ植物が群生していた。
「これだ。これが『陽光草』だよ。」
エルヴィンはその草を摘み取り、丁寧に保存袋に入れた。
「順調だな。でも、こういう時に限って厄介なことが起きるんだよな……。」
ガルドが不安げに呟いたその瞬間――。
背の高い草むらの奥から低い唸り声が聞こえた。現れたのは、大型の魔物――四足歩行の獣のような姿をした生物で、その体は炎のように揺らめいている。
「うわ、やっぱり来やがった!おいエルヴィン、これが最後の素材だよな!?」
ガルドが斧を構えながら叫ぶ。
「う、うん!これで必要な素材は揃った!でも、あいつをどうにかしないとここを離れられない!」
エルヴィンは焦りながら答える。
「ったく、やれやれだ。お前は後ろで隠れてろ!俺がこの炎の獣を片付けてやる!」
ガルドが勇ましく前に出る。
「気をつけて!」
エルヴィンはバッグを守りながら、ガルドの背中を見守った。
一方、拠点に残ったユリウスと護衛隊は、再び現れるであろう帝国兵に備えて陣を敷いていた。
「ユリウス、敵が来るならどっちの方向だと思う?」
隊長が地図を見ながら尋ねる。
「正面か、あるいは裏手の狭い通路だな。帝国の奴ら、正攻法ってタイプじゃなさそうだからな。」
ユリウスは剣を握りしめながら答える。
「裏手は兵を割いて警戒を強める。正面は俺たちで抑えるぞ。」
隊長が冷静に指示を出す。
「了解。あいつらが戻るまで、この場所は絶対に守る。」
ユリウスは目を鋭く光らせ、戦闘の準備を進めた。
「ここまで無事に逃げられたのはいいが、油断する暇はねえな。」
ガルドが担いでいた斧を肩にかけ直しながら、険しい表情で話しかける。
「追撃を止めたとはいえ、あの連中が諦めるとは思えないな。時間が経てばまた動き出すだろう。」
ユリウスが周囲を警戒しつつ、護衛隊の様子を確認していた。
「それに、まだ装置が完成してない。これがなければ、遺跡の魔導核を無効化するどころか、また戦うことになる。」
エルヴィンはバッグから設計図を取り出し、確認を始めた。
「必要な素材はどうなってる?」
隊長が鋭い声で尋ねる。
「遺跡内で見つけた一部の部品は使える。ただし、残りのいくつかはこの近くにある自然素材が必要だ。この平野地帯特有の鉱石や、魔力を通しやすい植物がいるんだ。」
エルヴィンは簡単なリストを書きながら説明する。
「平野地帯の素材か……どこにあるか見当はついてるのか?」
ガルドが眉をひそめながら質問する。
「見当はついてるよ。地形的には近くの丘陵地帯や、川沿いに生えているはずの植物が必要だね。」
エルヴィンが地図を見ながら答えた。
「なるほどな。で、それを集めるのにどれくらい時間がかかる?」
ガルドが少し不安そうに尋ねる。
「近くにそれらの素材があるなら、半日くらいで揃えられるはず。ただし、最も危険なのは、素材を集める間に敵が再び現れることだ。」
エルヴィンは鋭い目つきで周囲を見回した。
「確かに。動きが鈍れば、また襲撃される可能性が高い。」
ユリウスは剣の柄を握りながら頷いた。
「隊を二手に分ける。片方は素材の収集、もう片方は拠点の防衛に専念だ。」
隊長が冷静に指示を出し始める。
「俺は素材集めに行く!こういう細かい作業には慣れてるからな。」
ガルドが真っ先に手を挙げた。
「じゃあ、俺は拠点の防衛だな。ここが落とされたら元も子もないしな。」
ユリウスが笑みを浮かべながら肩をすくめる。
「分かった。じゃあ、ガルドと僕で素材を集めに行くよ。ユリウスは隊長と一緒にここを守ってくれ。」
エルヴィンが即座に判断を下した。
「了解だ。ガルド、エルヴィン、くれぐれも気をつけろよ。」
ユリウスは軽く手を振った。
エルヴィンとガルドは必要な素材を探し、広大な平野地帯を進んでいった。草が風に揺れる音が響く中、エルヴィンは設計図とリストを見比べながら、目当ての素材を探していた。
「おいエルヴィン、この辺りには何があるんだ?」
ガルドが周囲を見回しながら尋ねる。
「まずは『星砂鉱石』を探そう。この鉱石は魔力を安定させる性質があって、装置の中核部分に必要なんだ。」
エルヴィンが説明する。
「魔力を安定させる鉱石か……まあ、そういうものがなけりゃあ、あのデカい魔力核も止まらねえってわけだな。」
ガルドは肩をすくめて苦笑した。
「でも、この平野地帯だからこそ手に入る素材なんだよ。ここでしか見つけられない特別なものだ。」
エルヴィンはそう言うと、近くの地面に目を向けた。
やがて、小さな丘の斜面を掘り起こすと、金色の粒が混ざった白い鉱石が見つかった。
「これが『星砂鉱石』だ!」
エルヴィンはそれを拾い上げ、慎重にバッグに収めた。
「意外と簡単に見つかったな。」
ガルドが驚いたように言う。
「次は『陽光草』だ。この植物は魔力の伝導性が非常に高い。装置のエネルギー回路部分に使えるんだ。」
エルヴィンが次の目標を告げる。
ガルドとエルヴィンはさらに進み、川沿いに目を向けた。そこには背の高い金色の葉を持つ植物が群生していた。
「これだ。これが『陽光草』だよ。」
エルヴィンはその草を摘み取り、丁寧に保存袋に入れた。
「順調だな。でも、こういう時に限って厄介なことが起きるんだよな……。」
ガルドが不安げに呟いたその瞬間――。
背の高い草むらの奥から低い唸り声が聞こえた。現れたのは、大型の魔物――四足歩行の獣のような姿をした生物で、その体は炎のように揺らめいている。
「うわ、やっぱり来やがった!おいエルヴィン、これが最後の素材だよな!?」
ガルドが斧を構えながら叫ぶ。
「う、うん!これで必要な素材は揃った!でも、あいつをどうにかしないとここを離れられない!」
エルヴィンは焦りながら答える。
「ったく、やれやれだ。お前は後ろで隠れてろ!俺がこの炎の獣を片付けてやる!」
ガルドが勇ましく前に出る。
「気をつけて!」
エルヴィンはバッグを守りながら、ガルドの背中を見守った。
一方、拠点に残ったユリウスと護衛隊は、再び現れるであろう帝国兵に備えて陣を敷いていた。
「ユリウス、敵が来るならどっちの方向だと思う?」
隊長が地図を見ながら尋ねる。
「正面か、あるいは裏手の狭い通路だな。帝国の奴ら、正攻法ってタイプじゃなさそうだからな。」
ユリウスは剣を握りしめながら答える。
「裏手は兵を割いて警戒を強める。正面は俺たちで抑えるぞ。」
隊長が冷静に指示を出す。
「了解。あいつらが戻るまで、この場所は絶対に守る。」
ユリウスは目を鋭く光らせ、戦闘の準備を進めた。
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