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第2章:王都カレドリア学院!学びと挑戦の日々

第63話「驚きの依頼!王宮からの招待状」

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エルヴィンたちが「動く魔法風景」の改良版を完成させてから数日後、学院の工房で新たな改良案を練っていたとき、一通の手紙が届けられた。その手紙を持ってきたのは、学院の事務室の職員だった。

「シュトラウス様、こちらに王宮からのお手紙が届いております。」
エルヴィンは目を丸くしながら、その豪華な封筒を受け取った。封蝋には見覚えのある紋章――カレドリア王家のものである「三頭の鷲」が刻まれている。

「えっ……王宮から?」
その場にいたレオン、リヴィア、カトリーヌも驚いた表情を浮かべる。

「おいおい、エルヴィン、お前、ついに王宮直々にお呼びがかかるようになったのかよ?」
レオンが封筒を覗き込みながら茶化すように言った。

「私も驚きましたわ……エルヴィン様、一体何が書かれているのですの?」
カトリーヌも興味津々でエルヴィンを見つめている。

エルヴィンは手紙を慎重に開き、その内容を確認した。文字は非常に上品で整っており、さすが王家からのものだと思わせる気品が漂っている。

『シュトラウス辺境伯家三男、エルヴィン・シュトラウス殿。
先日の学院での成果発表会にて、貴殿の魔道具「動く魔法風景」が一部関係者の目に留まりました。その完成度と発想力に深い感銘を受けたため、王宮にーぜひともその魔道具をご披露いただきたく存じます。
詳細については別途お知らせいたしますので、準備を整え、王宮へお越しください。
王宮魔道技術担当大臣、マクシミリアン・フォン・ヴェルトナー』

「……え、王宮で魔道具を披露してほしいって書いてある。」
エルヴィンは信じられないというような声で言った。

「お前、ついに王宮デビューかよ!」
レオンが肩を叩きながら笑う。

「でも、これってとても名誉なことですわよ、エルヴィン様!王宮の方々に認められるなんて、学院の中でもほとんど例がありませんわ!」
カトリーヌが感激したように声を上げた。

「王宮で披露……ってことは、王族の方々も見るってことですか?」
リヴィアが少し緊張した様子で尋ねる。

「そうみたいだね。大臣からの依頼だから、少なくとも魔道技術に詳しい人たちは集まるはず。もしかしたら、王族の方々も来るかもしれない……。」
エルヴィンは手紙を握りしめながら深呼吸をした。

(まさか王宮に招かれるなんて……でも、これを機に「動く魔法風景」をもっと多くの人に知ってもらうチャンスかもしれない。)

数日後、エルヴィンたちは学院の教授陣の協力を得ながら、王宮での披露に向けて準備を進めていた。アラン先生も驚きながらエルヴィンを励ましてくれる。

「君が王宮で披露するなんて、学院としても非常に名誉なことだよ。これまでの努力が実を結んだ証だな。ただ、王宮では学院とは違い、観客の目も厳しい。入念に準備していくんだぞ。」

「はい、先生。ありがとうございます!」

王宮での披露に向けて、エルヴィンはさらに「動く魔法風景」を磨き上げることに集中した。今回の改良版では、季節ごとの風景の切り替えをより滑らかにするため、新しい魔道文字を刻み直し、魔力の分配を最適化している。

「ここで魔道文字をもっと細かく分ければ、動きに緩急をつけられるかもしれない……いや、でもそうすると魔力の負担が増えるな。どうすればいいんだろう?」
エルヴィンが頭を抱えていると、リヴィアがアドバイスをくれた。

「エルヴィン様、この部分を段階的に動かすようにすれば、緩急をつけながら魔力の負担を分散できるのではありませんか?」

「なるほど……確かに!それなら魔力の流れも安定しそうだね!」

リヴィアの提案を取り入れたことで、さらに制御が安定し、全体の仕上がりが向上した。

披露当日、エルヴィンたちは学院から馬車で王宮へと向かった。王宮は学院とは比べ物にならないほどの規模で、荘厳な城門が視界に飛び込んでくる。馬車の窓からその壮大な光景を見たレオンが思わず口笛を吹いた。

「こりゃあすげえな……。お前、これからここで披露するんだぞ?緊張してきたか?」

「少しね。でも、ここまで来たらやるしかないよ。」
エルヴィンは深呼吸をして気持ちを整えた。

「エルヴィン様、堂々となさってください。貴方の努力が実を結ぶ瞬間ですわ。」
カトリーヌが優雅に微笑みながら励ます。

「ありがとう。みんなが一緒にいてくれるから安心できるよ。」
エルヴィンは仲間たちに感謝の言葉を伝えた。

王宮の広間には、魔道技術担当大臣のマクシミリアン・フォン・ヴェルトナーをはじめとする王宮の魔道士や貴族たちが集まっていた。その中には、若い貴族らしき人物もちらほら見える。

「シュトラウス様ですね。よくお越しくださいました。」
ヴェルトナー大臣が柔和な笑みでエルヴィンたちを出迎えた。

「本日は、私どもの魔道具をご覧いただける機会をいただき、ありがとうございます。」
エルヴィンは緊張しながらも礼儀正しく挨拶をする。

「楽しみにしていますよ。この『動く魔法風景』とやらが、どれほどのものか――。」

ついに披露の時がやってきた。エルヴィンたちは広間の中央に魔道具を設置し、動作を確認する。

「それでは、シュトラウス様。お願いします。」

エルヴィンがスイッチを入れると、魔道具の中心部分が淡い光を放ち始め、部屋全体に白銀の雪景色が広がった。光の反射によって、まるで本物の雪が降り注いでいるように見える。

続いて切り替えられた花畑では、香りを再現する仕組みが働き、周囲には心地よい春の空気が漂った。

「素晴らしい……!」
観客の中から感嘆の声が漏れる。

最後の紅葉では、以前よりも安定した風が葉を舞わせ、広間全体を美しい秋色に染め上げた。

「ここまで細やかに自然を再現できるとは……。これは革新的な魔道具ですな!」
ヴェルトナー大臣も目を輝かせて称賛した。

披露が終わった後、観客たちから多くの感想や意見をもらった。そして、ヴェルトナー大臣はこう告げた。

「この魔道具は、王宮での使用も検討する価値がある。さらに、陛下もご覧になれば興味をお持ちになるでしょう。次は陛下の前で披露していただきたい。」

エルヴィンたちは驚きつつも、その言葉に胸を躍らせた。
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